レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023/06/22
- 登録日時
- 2024/02/06 00:30
- 更新日時
- 2024/02/06 00:30
- 管理番号
- 小寺池図書館R1001323
- 質問
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解決
日本書紀か古事記かわからないが、どちらかで読んだ歌を探している。キーワードは葦苅り娘。色が黒くて言葉が訛っていて、差別的扱いを受けている女性との歌(相聞)。「なにわの潟」が場面と記憶している。
- 回答
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参考資料(1)『万葉の歌5 人と風土 大阪』p27に「難波潟 潮干に出でて 玉藻刈る 海人娘子ども 汝が名告らさね」の歌あり。解説に「肌あくまで黒い娘たちに求婚求愛」と記述があることから、こちらを紹介。続きに女性が返した歌もあり。
- 回答プロセス
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「なにわの潟」「葦苅り」「相聞歌」などのキーワードを掛け合わせて歌を調べるが、ヒットせず。参考資料(8)等で阿曇について調べると、古事記や日本書紀に記述があり、もとは九州出身の漁民、海人(あま)であること、なにわとも関わりがあることがわかった。
参考資料(7)によると、難波潟には葦苅りの歌が多く、該当の歌もあり。相聞歌は万葉集に多いことから、詳しい解説を求め、参考資料(1)をあたった。
他の万葉集の解説には肌の色等の記述は見当たらなかったが、参考資料(10)の海人の項によると、「名のらないのも相手とかけ離れた身の程を意識し卑下するから」「海人の労働が海藻を刈り潮を焼く、辛く苦しいもの」とあり、海人は身分が低いことがうかがえる。
- 事前調査事項
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女性は漁民で、阿曇(あずみ)一族の娘である。阿曇は九州の値賀島(ちかしま)出身で、そこの訛りではないか。
古事記は一通り目を通したので、おそらく日本書紀にあると思う。
- NDC
- 参考資料
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- 万葉の歌 5 保育社 1986.7 911.12 , ISBN 4-586-70005-X (p27)
- 万葉集 中 桜井満/訳注 旺文社 1994.7 911.12 , ISBN 4-01-067242-0 (p171)
- 万葉集 2 青木生子/[ほか]校注 新潮社 1978 911.12 , ISBN 4-10-620321-9 (p395)
- 新編日本古典文学全集 2 小学館 1994.4 918 , ISBN 4-09-658002-3 (阿曇氏についての記述p472-)
- 新編日本古典文学全集 3 小学館 1996.10 918 , ISBN 4-09-658003-1 (阿曇氏の乱(「阿曇目」)についての記述p81-87)
- 新編日本古典文学全集 1 小学館 1997.6 918 , ISBN 4-09-658001-5 (阿曇氏についての記述p52-)
- 地形からみた歴史 日下雅義/[著] 講談社 2012.11 202.5 , ISBN 978-4-06-292143-5 (第三章『記紀』『万葉集』に自然の景をよむp86)
- 金印再考 大谷光男/著 雄山閣 2014.4 210.27 , ISBN 978-4-639-02303-6 (Ⅱ阿曇氏)
- 山上憶良 渡瀬昌忠/著 翰林書房 1994.5 911.122 , ISBN 4-906424-45-7
- 日本国語大辞典 1 小学館国語辞典編集部/編集 小学館 2006.1 813.1 , ISBN 4-09-521021-4 (海人(あま)p515)
- キーワード
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- 難波潟
- 阿曇
- 海人
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文学
- 内容種別
- 一般資料
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000345970