レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023年11月30日
- 登録日時
- 2023/12/01 11:23
- 更新日時
- 2024/03/03 17:52
- 管理番号
- 奈県図情23-1121
- 質問
-
未解決
東向北町の「万大帳」(原田伴彦『日本都市生活生活史料集成九』学習研究社、1977)の、宝暦3年(1753)6月3日(『日本都市生活史料集成九』でp.300)に奈良町で大水害が起こったという記録がある。この日の水害の様子について他に載っている史料はないか。被害者数や被害棟数などが知りたい。
- 回答
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この水害について触れた他の史料は見出せませんでした。
・奈良の水害を一覧した二次的な文献としては青木滋一『奈良県気象災害史』養徳社、1956や『奈良市災害編年史』奈良市、1978があります。が、前者では前後の時期だと、寛保2年(1742)7月28日の台風、12月5日の大雪、宝暦6(1756)9月17日の台風には触れていますが、この水害には触れていません(p.223)。後者では、p.37で、この大洪水を取り上げていますが、典拠としてはご覧になった「万大帳」を挙げるのみです。
・『奈良市災害編年史』では、この周辺の時期の他の災害を取り上げるに際して、典拠となる史料として「万大帳」の他に、「霊山寺諸事記録」「東大寺年中行事記」を挙げています。「霊山寺諸事記録」「東大寺年中行事記」については、出版された全体の翻刻がなく参照できませんでしたが、『奈良市災害編年史』が典拠として記していませんので、この水害に触れている可能性は低いかと思います。
・改訂『天理市史』第一巻、1977に「荒蒔村宮座年代記」が収録されており、ここにも県内での多くの災害の記録がありますが、宝暦3年では、2月3日夜の大雨には触れていますが、6月3日の記録はありませんでした(p.367)。
・当館に写真版を所蔵している「一乗院御用日記」、帝塚山短期大学の『日本文化史研究』12~15号に翻刻が掲載された「井上町町中年代記」は、この時期のものは残っておりません。
- 回答プロセス
-
『日本都市生活生活史料集成九』は
・改訂『天理市史』第一巻収録「荒蒔村宮座年代記」は2/3夜の大雨には触れるが、6/3の記録なしp.367
・奈良県の気象災害 : 特に雨と風による災害についてp.34近代のみ
・奈良市災害編年史 p.37 万大帳のみ →周辺の時期の災害記録の典拠として霊山寺諸事記録/東大寺年中行事記/皇年代記
・ 奈良縣気象災害史 青木滋一著 天理 : 養徳社, 1956→東大寺年代記に6/11・21の水害記録があるとの
・霊山寺諸事記録 松尾山・矢田地域仏教民俗文化財調査報告書に収録→全50冊で、収録時期を示したのみ
・東大寺年中行事記
・ 皇年代記 宝暦3に至らず
・大和風水害報文でも触れず
・一乗院御用日記 宝暦3なし
・個々の所蔵古文書からは、年月日で絞り込みが難しいので断念。大水などで検索するも
・『井上町中年代記』 帝塚山日本文化史研究12-15 宝暦より前の延宝から始まっているが、宝暦3のものはなし
- 事前調査事項
- NDC
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- 近畿地方 (216)
- 社会福祉 (369)
- 参考資料
- キーワード
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- 東向北町
- 万大帳
- 水害
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 学生
- 登録番号
- 1000342726