レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021/05/12
- 登録日時
- 2022/07/14 00:30
- 更新日時
- 2022/07/14 10:17
- 管理番号
- 所沢富岡-2022-004
- 質問
-
解決
『バビロンまではなんマイル』(ポーラ・フォックス/作)の冒頭に出てくる伝承童謡は、どこの国の童謡なのでしょうか。
- 回答
-
「「バビロンまではなんマイル」とは、扉に掲げてあるように、イギリス伝承童謡、いわゆるマザー・グースの唄の題である。」と記載されています。また「この唄の遊びは、私たちの「天道様の細道」(とおりゃんせ)と似ていて、歌いおわると、輪くぐりの番の手にひとを捕らえるゲームであることが、モチーフの隠喩となっている。(後略)」と歌詞の解釈や作品中での用いられ方について考察が記載されています。
(参考:『児童文学論 上』 瀬田貞二/著 福音館書店 2009年より)
「英語圏の伝承童謡を総称して、イギリスではNursery Rhymes、アメリカではMother Gooseと呼ぶことが多い。(中略)日本で英語圏の伝承童謡が、「ナーサリー・ライム」ではなく「マザーグース」と呼ばれるのは主にアメリカ経由で入ってきたためだろう。」と記載されています。
(参考:『英語圏諸国の児童文学 Ⅰ』 日本イギリス児童文学会/編 ミネルヴァ書房 2013年より)
また、以下の資料に記載があります。
〇『児童文学論 上』 瀬田貞二/著 福音館書店 2009年
〇『マザー・グースのうた 第3集』 谷川俊太郎/訳 草思社 1976年
〇『もうひとつのマザー・グース』 中山克郎/訳 小学館スクウェア 2006年
〇『マザー・グース 3』 谷川俊太郎/訳 講談社 1985年
〇『ターシャ・テューダーのマザー・グース』 ターシャ・テューダー/絵 フェリシモ 2000年
〇『完訳マザーグース』 W.S.ベアリングールド/解説と注 鳥影社 2003年
〇『マザー・グース』 谷川俊太郎/訳 講談社インターナショナル 1996年
- 回答プロセス
-
1.質問事項の「伝承童謡」を確認
『バビロンまではなんマイル』 ポーラ・フォックス/作 富山房 1976年
p3「バビロンまではなんマイル」の歌詞及び「伝承童謡」であると記載されている。
p214「訳者あとがき」に 「この作品の作者ポーラ・フォックスは、スペイン人の母と、アイルランド系イギリス人の父との間に、ニュー・ヨーク市で生まれました。」と記載されている。
『英語圏諸国の児童文学 Ⅰ』 日本イギリス児童文学会/編 ミネルヴァ書房 2013年
p37「7 マザーグースと子どものための詩(Nursery Rhymes and Poetry for Children)」に「英語圏の伝承童謡を総称して、イギリスではNursery Rhymes、アメリカではMother Gooseと呼ぶことが多い。(中略)日本で英語圏の伝承童謡が、「ナーサリー・ライム」ではなく「マザーグース」と呼ばれるのは、主にアメリカを経由して入ってきたためだろう。」と記載されている。
『よもう うたおう!マザーグース』 鷲津名都江/著 講談社 2004年
p17「マザーグースって?」に「マザーグースは、英語圏の子どもたちが読んだり、遊んだり、歌ったりする伝承童謡の、アメリカや日本での総称で、イギリスではナーサリー・ライムと呼ばれています。」と記載されている。
2.所蔵資料の内容確認
〇『児童文学論 上』 瀬田貞二/著 福音館書店 2009年
p334-337 「3 書評など」「3-2〈「こどもの館」書評欄から〉」「『バビロンまではなんマイル』 ポーラ・フォックス作」あり。
p337 「「バビロンまではなんマイル」とは、扉に掲げてあるように、イギリス伝承童謡、いわゆるマザー・グースの唄の題である。」と記載されている。また「この唄の遊びは、私たちの「天神様の細道」(とおりゃんせ)と似ていて、歌いおわると、輪くぐりの番の手にひとを捕らえるゲームであることが、モチーフの隠喩となっている。(後略)」と歌詞の解釈や作品中での用いられ方について考察が記載されている。
〇『マザー・グースのうた 第3集』 谷川俊太郎/訳 草思社 1976年
p22 「バビロンまではなんマイル?」の日本語訳歌詞が記載されている。
また巻末Ⅲに原詩が記載されている。
3.後日調査の追加事項
〇『もうひとつのマザー・グース』 中山克郎/訳 小学館スクウェア 2006年
p31 「バビロンまで何マイル?」の日本語訳歌詞と原詩が記載されている。
〇『マザー・グース 3』 谷川俊太郎/訳 講談社 1985年
p57 「Ⅵひろいせかいへ」のⅥ-3に「バビロンまではなんマイル?」の日本語訳歌詞が記載されている。
また、巻末の「原詩と解説」p18に原詩及び遊び唄の由来について「「元来は「オレンジとレモン」の遊び(中略)に似た唄遊びで、英米共に広く行われていた」と記載されている。また語句の解説について記載されている。
〇『ターシャ・テューダーのマザー・グース』 ターシャ・テューダー/絵 フェリシモ 2000年
p62 「バビロンまではどのくらい?」の日本語訳歌詞が記載されている。
〇『完訳マザーグース』 W.S.ベアリングールド/解説と注 鳥影社 2003年
p217-218 「第七章 ハバード婆さんとそのほかの「わらべ歌」」の146に「バビロンまでは何マイル」の日本語訳歌詞と語句の解説について記載されている。
〇『マザー・グース』 谷川俊太郎/訳 講談社インターナショナル 1996年
p30-31 「第1章 あそばせうた/Baby Games」に「バビロンまではなんマイル?」の日本語訳歌詞と原詩、語句の解説について記載されている。
△『バビロンまでは何マイル 下』 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ/著 東京創元社 2011年
p129-132作中に「バビロンまでは何マイル」の意訳を含めた日本語訳歌詞が記載されている。
4.記載が無かった資料
×『オフ・オフ・マザー・グース』 和田誠/訳 筑摩書房 2006年
×『バビロンまでは何マイル 上』 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ/著 東京創元社 2011年
×『ようこそ「マザーグース」の世界へ』 鷲津名都江/著 日本放送出版協会 2007年
×『オーウェルのマザー・グース』 川端康雄/著 岩波書店 2021年
×『大人になってから読むマザー・グース』 加藤恭子/著 PHP研究所 1999年
×『マザー・グースをたずねて』 鷲津名都江/著 筑摩書房 1996年
×『マザー・グースのイギリス』 楠本君恵/著 未知谷 2010年
×『マザーグースのミステリー』 藤野紀男/著 ミネルヴァ書房 2009年
×『不思議の国のマザーグース』 夏目康子/著 柏書房 2003年
×『マザー・グースをくちずさんで』 鷲津名都江/監修・文 求竜堂 1995年
- 事前調査事項
- NDC
-
- 児童文学研究 (909 9版)
- 詩 (931 9版)
- 参考資料
-
- 児童文学論 上 瀬田貞二/著 福音館書店 2009.5 909 978-4-8340-2384-8
- マザー・グースのうた 第3集 谷川俊太郎/訳 草思社 1976 931 4-7942-0042-0
- もうひとつのマザー・グース 中山克郎/訳 小学館スクウェア 2006.9 931 4-7979-8422-8
- マザー・グース 3 谷川俊太郎/訳 講談社 1985.2 931 4-06-201363-0
- ターシャ・テューダーのマザー・グース ターシャ・テューダー/絵 フェリシモ 2000.10 726.6 4-89432-200-5
- 完訳マザーグース W.S.ベアリングールド/解説と注 鳥影社 2003.11 931 4-88629-787-0
- マザー・グース 谷川俊太郎/訳 講談社インターナショナル 1996.6 931 4-7700-2078-3
- キーワード
-
- バビロンまではなんマイル
- マザーグース
- ナーサリー・ライム
- 伝統童謡
- あそびうた
- わらべうた
- 英語圏
- イギリス
- アメリカ
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000318772