レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年06月09日
- 登録日時
- 2022/05/28 10:41
- 更新日時
- 2022/09/23 14:59
- 管理番号
- 埼熊-2022-011
- 質問
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解決
親が子どもに、「お前は橋の下で拾った子どもだ」「川で拾ってきた」と言うことがあるが、橋の下や川が民俗学的にどういう意味を持つのか、また、そのような場所から子どもを拾うことの民俗学的な意味を知りたい。
- 回答
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以下の資料と情報を提供した。
1 図書
『現代民俗学入門』(佐野賢治[ほか]編 吉川弘文館 1996)
p127-137「III 人と人との絆 2「家」と血縁幻想」
p128-130 橋の下から拾われることについて民俗学的解釈あり。
『子供の民俗学 子供はどこから来たのか』(飯島吉晴著 新曜社 1991)
p42-63「二 異物としての子供 1出産をめぐる儀礼と伝承」
p42-44に、川と子どもの関係性についての記述あり。
p45「「お前は川から拾われてきたんだ」という伝承は、桃太郎や瓜子姫などの昔話との関連も指摘されており、生命や魂の原郷としての水界といった民衆の霊魂観や世界観、さらには子供の自我の確立などさまざまな問題をはらんでいるのである。」とあり。
『老人と子供の民俗学』(宮田登著 白水社 1996)
p177-185「結語「老人と子供」の境界性」
p177-179 該当記述あり。
p182「川があってそこに橋が架かっている。その場所は空間を区切る境界にあたっており、古来より、そこには霊的な力が集中すると信じられていた。」とあり。
p184-185 該当記述あり。
2 インターネット情報
《神戸海星女子学院大学リポジトリ》(https://kaisei.repo.nii.ac.jp/ 神戸海星女子学院大学)中田尚美著「老人と子どもの民俗学に関する一考察-高齢者と子どもの境界性を中心に-」(『神戸海星女子学院大学研究紀要 48』p63-80 神戸海星女子学院大学 2010.3 https://kaisei.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=106&item_no=1&page_id=13&block_id=21)
p67-70「2章「橋の下(あるいは川岸)で拾われた子ども」という伝承」」に該当記述あり。
- 回答プロセス
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1 参考図書を調べる。
2 自館目録を〈児童 & 民俗〉で検索する。
3 《Google》(http://www.google.co.jp/ Google)を〈橋の下で拾ってきた & 由来〉 〈橋の下 & 子ども & 民俗学〉で検索する。
《日本財団図書館》(https://nippon.zaidan.info/index.html 日本財団図書館)
田中基著「ヒスイと鮫と巨大木柱[寺地遺跡=他界からのパースペクティブ]」(「『自然と文化 第61号 特集「アジアの柱建て祭り」』p58-62(https://nippon.zaidan.info/seikabutsu/1999/00239/contents/061.htm)
p62捨て子幻想の由来について、「ほとんどの人が幼少時に体験した自己の貴種流離譚だったのだ。」とあり。
《日本海学推進機構》(http://www.nihonkaigaku.org/ 日本海学推進機構)
「日本海学研究機関等連携事業 利賀サマー・アーツ・プログラム2002」
佐野賢治著「あの世への架け橋-アジア諸民族の他界観-」(http://www.nihonkaigaku.org/library/research/i020823.html#i1)
民俗学的にみて2つの意味があり、「その1つは、民俗学でいう水神少童ということ、水の神と子どもの関係です。」とあり。
《神戸海星女子学院大学リポジトリ》(https://kaisei.repo.nii.ac.jp/ 神戸海星女子学院大学)中田尚美著「老人と子どもの民俗学に関する一考察」(『神戸海星女子学院大学研究紀要 48』p63-80 神戸海星女子学院大学 2010.3 https://kaisei.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=106&item_no=1&page_id=13&block_id=21)
p67-70「2章「橋の下(あるいは川岸)で拾われた子ども」という伝承」」に「北見俊夫によると、川の橋の下あるいは川岸で拾われて育ったという口碑は全国的であり、」、「宮田登は、この伝承の内容を構成している橋の下または川という要素に注目して、残酷性の道具立てに一つの意味が与えられていることを指摘している。」とあり。
4 《Google》を〈貴種流離譚〉〈水神少童〉で検索する。
5 自館目録を〈田中基〉〈佐野賢治〉〈北見俊夫〉〈宮田登〉で検索する。
6 《CiNii Articles》(http://ci.nii.ac.jp/ 国立情報学研究所)を〈橋の下 & 子〉で検索する。
《愛知県立芸術大学リポジトリ》(https://ai-arts.repo.nii.ac.jp/ 愛知県立芸術大学)二瓶浩明著「捨て子/ 捨てられた子の物語 : 佐伯一麦のファミリーロマンス」(『愛知県立芸術大学紀要 45』p165-178 愛知県立芸術大学 2015 https://ai-arts.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=538&item_no=1&page_id=13&block_id=21)
p165に、「小説家・佐伯一麦に「「橋の下の子供」考」(「日本経済新聞」一九九四年九月四日)と題するエッセイ」の紹介あり。
7 6の論文で引用されている新聞記事を確認する。
ウェブサイト・データベースの最終アクセス日は2020年6月9日。
- 事前調査事項
- NDC
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- 社会.家庭生活の習俗 (384 9版)
- 参考資料
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- 『現代民俗学入門』(佐野賢治[ほか]編 吉川弘文館 1996) , ISBN 4-642-07482-1
- 『子供の民俗学 子供はどこから来たのか』(飯島吉晴著 新曜社 1991) , ISBN 4-7885-0390-5
- 『老人と子供の民俗学』(宮田登著 白水社 1996) , ISBN 4-560-04056-7
- キーワード
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- 民俗学-日本
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 民俗
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000316619