レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020/09/18
- 登録日時
- 2021/12/25 00:30
- 更新日時
- 2021/12/28 14:33
- 管理番号
- 所沢本-2021-027
- 質問
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解決
ほうれん草の野生種が2種類見つかっているが、そのうちの1種で「Spinacia turkestanica スピナキア・ターキスタニカ」という野生種があるが、それがどこで発見されたものなのか知りたい。
- 回答
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以下の資料に記載がありました。
〇『園芸植物大事典 4』 塚本洋太郎/総監修 小学館 1989年
〇『サラダ野菜の植物史』 大場秀章/著 新潮社 2004年
また、インターネット検索したところ、以下のページがありました。
〇CABI(Centre for Agriculture and Biosciences International)内「Spinacia turkestanica」(https://www.cabi.org/isc/datasheet/117297)
- 回答プロセス
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《所蔵資料の内容確認》
(読みは、スピナキア・トルケスタニカの可能性あり)
〇『園芸植物大事典 4』 塚本洋太郎/総監修 小学館 1989年
p407~408「S.oleracea L.」の項に、「栽培品のみが知られている種で、その野生種はまだ発見されていない。しかし、カスピ海南西部沿岸部に、近縁な2種の野生種、すなわちS. tetrandra Steven ex Bieb.(アルメニア地方)とS. turkestanica Iljin(ウズベク地方)が分布しているので、この地域が現在の栽培ホウレンソウの発祥中心地であるとみなされている。(後略)」との記載あり。
〇『サラダ野菜の植物史』 大場秀章/著 新潮社 2004年
p207~210「西洋型と東洋型」の項に以下の記載あり。
p207~208「ホウレンソウは学名を Spinacia oleracea L. といい、アカザ科の植物で、ホウレンソウ属に分類される。この属の植物は四種あって、西アジアから北アフリカにかけて分布している。ホウレンソウの自生地は判明していない。しかし、その起源は西アジアと見られ、特にホウレンソウに類似する Spinacia tetrandra M. Bieb. と Spinacia turkestanica Iljin の分布が重なる、カスピ海周辺地域が原産地ではないかと推測されている。カスピ海に隣接し、かつて文化の中心地であったペルシアで最初に栽培が始まり、そこから各地に伝播していったのだろう。(後略)」
△『野菜園芸大事典』 野菜園芸大事典編集委員会/編 養賢堂 1977年
p1325~1338「9.ホウレンソウ」の項に、以下の記載あり。
p1325「(前略)ホウレンソウ栽培の起源がペルシャにあって、西方はアラビア・アフリカ北部・スペインを経て欧州諸国に分布し、東方は漢の時代に中国に伝わったことから、‘ホウレン’の呼称が残ったと考えられる。現在でもこの種類の野生種は、アルメニアからペルシァにかけて分布している。(後略)」
△『日本大百科全書 21』 小学館 1988年
p420 ホウレンソウの項あり。〔起源と伝播〕に「ホウレンソウの野生祖先種はカフカスからイランの北西部にわたる地域に自生するが、イラン(ペルシア地域)が起源地で、そこで栽培された。(後略)」との記述あり。
×『農業技術大系 野菜編 7』 農山漁村文化協会 1996年
栽培されているホウレンソウに関する記述のみ。
×『地域食材大百科 第2巻』 農山漁村文化協会/編 農山漁村文化協会 2010年
栽培されているホウレンソウに関する記述のみ。
×『野菜の起源と分化』 藤枝国光/著 九州大学出版会 1993年
栽培されているホウレンソウに関する記述のみ。
×『世界の食用植物文化図鑑』 バーバラ・サンティッチ/編 柊風舎 2010年
栽培されているホウレンソウに関する記述のみ。
×『原色園芸植物大図鑑』 北隆館 1984
ホウレンソウ(Spinacia oleracea L.)に関する記述のみ。
×『植物 1』 世界文化社 2004年
×『原色世界植物大図鑑』 林弥栄/監修 北隆館 1986年
×『野菜園芸大百科 9』 農文協/編 農山漁村文化協会 1989年
×『遙かなる野菜の起源を訪ねて』 池部誠/著 ナショナル出版 2009年
×『就農準備副読本 2』 全国農村青少年教育振興会/編 農山漁村文化協会 2001年
×『はじめての西洋野菜の手帖』 メディアパル/編集 メディアパル 2014年
×『青葉高著作選 3』 青葉高/著 八坂書房 2008年
×『菜の辞典』 長井史枝/テキスト 雷鳥社 2019年
×『世界食文化図鑑』 メアリ・ドノヴァン/原著監修 東洋書林 2003年
×『世界たべもの起源事典』 岡田哲/編 東京堂出版 2005年
×『たべもの植物記』 能戸忠夫/著 山と溪谷社 2008年
×『世界科学大事典 16』 講談社出版研究所/編集 講談社 1977年
×『野菜の科学』 高宮和彦/編 朝倉書店 1993年
×『野菜』 青葉高/著 法政大学出版局 1981年
×『栽培植物発祥地の研究』 N・ヴァヴィロフ/著 八坂書房 1980年
×『原色牧野和漢薬草大圖鑑』 三橋博/旧版監修 北隆館 2002年
p54 ホウレンソウの項あり。ホウレンソウ(Spinacia oleracea L.)に関する記述のみ。
×『新牧野日本植物圖鑑』 牧野富太郎/原著 北隆館 2008年
p107 ホウレンソウの項あり。ホウレンソウ(Spinacia oleracea L.)に関する記述のみ。
×『原色牧野植物大圖鑑 離弁花・単子葉植物編』 牧野富太郎/著 北隆館 1997年
p424 ホウレンソウの項あり。ホウレンソウ(Spinacia oleracea L.)に関する記述のみ。
×『原色日本野菜図鑑』 高島四郎/著 保育社 1982年
p13 ホウレンソウの項あり。ホウレンソウ(Spinacia oleracea L.)に関する記述のみ。
《インターネット検索》
参考論文
〇CABI(Centre for Agriculture and Biosciences International)内「Spinacia turkestanica」のページあり。(https://www.cabi.org/isc/datasheet/117297)
「Distribution Table」(分布表)の項があり、イラン、カザフスタン、トルクメニスタン、ベラルーシの国名の表記あり。
×『育種学研究』 育種学研究 2009年
巻:11号: 別冊2 ページ:343
国会サーチ、CiNii、j-stageで検索も所蔵なし。
【https://jglobal.jst.go.jp/detail?from=API&JGLOBAL_ID=201002296031387387】
《他館所蔵資料》
△「食の科学 2003年1月号」 光琳 2003年
p64~65「ホウレンソウ」の項に、「「ホウレンソウ」はアカザ科ホウレンソウ属の植物で、原産地はイランです。今でもイランからアフガニスタンにかけての一帯に野生種が分布しています。(後略)」との記載あり。
- 事前調査事項
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スピナキア・オレラケアというのが現在一般に流通しているほうれん草の学名だが、これは野菜として栽培されているものの学名で、野生種の学名は別にある。野生種は、西アジアに生息していたらしいのだが、正確な記述があれば知りたい。
- NDC
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- 園芸 (620 9版)
- 蔬菜園芸 (626 9版)
- 参考資料
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- 園芸植物大事典 4 塚本洋太郎/総監修 小学館 1989.7 620.33 4-09-305104-6
- サラダ野菜の植物史 大場秀章/著 新潮社 2004.5 626 4-10-603537-5
- Spinacia turkestanica https://www.cabi.org/isc/datasheet/117297 2021/12/23 (全文英語)
- キーワード
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- ホウレンソウ
- 蔬菜
- 野生種
- 発見地
- 発祥
- 野菜
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000309507