レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年03月26日
- 登録日時
- 2021/06/09 16:13
- 更新日時
- 2021/06/10 13:30
- 管理番号
- 0000110911
- 質問
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解決
戊辰戦争時、慶応4年(1868年)4月に、奥州鎮撫総督府が岩沼(宮城県)に置かれ、長州藩兵を含む官軍が13日に岩沼南町に駐留したが、その際、長州藩兵が駐留した場所、人数、氏名が知りたい。
- 回答
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下記資料1によると、3月2日に鎮撫使が京都を出立した際の護衛として、長州藩第四大隊第二中隊が付き、隊長桂太郎、小隊長粟屋市太郎、半隊長飯田千蔵など「戦士百六人、雑兵三十人」であった、とある。また、p167に「(引用者注:鎮撫使)一行は古内右近之助の邸を本営」としたとある。
なお、岩沼に駐留した際の第四大隊第二中隊の日誌、記録、名簿等については、活字になったものは見当たらなかった。確認した資料は以下のとおり。(それぞれ、慶応4年4月前後の記事及び長州藩第四大隊に関する部分を確認)
『防長回天史 10 明治元年』(末松謙澄 著,マツノ書店,2009.9)
『山口県史 通史編 幕末維新』(山口県 編集,山口県,2019.12)
『山口県史 史料編 幕末維新6』(山口県 編,山口県,2001.6)
『戊辰戦争出羽戦線記 澤為量・奥羽鎮撫副総督の征討記録から』(澤為量 [著] 神宮滋 編著,無明舎出版,2008.6)
『復古記 第3冊』(東京大学史料編纂所 編集,東京大学出版会,2007.6)
名簿自体は、山口県文書館で所蔵している以下の文書に記載がある。名簿に記載されている人物が、岩沼に駐留したかどうかは定かでない。
「第四大隊日記 奥羽戦略」(請求記号:高津家21)
巻末に「奥羽行之人名」として、三番隊49名、四番隊47名の氏名が記載されている。
「第四大隊弐番中隊戦記草稿」(請求記号:67戊辰戦争一件30)
巻末に「元第四大隊弐番中隊名簿」「戦士名簿」がある。前者は部隊創設時からの名簿と思われる。後者は「戦士」93名の名前を列挙した上、「歩卒十九名」とある。
山口県文書館の所蔵資料は、館内閲覧・写真撮影のみ可能。複写物の郵送や画像の送信には対応していない。
このほか、国立国会図書館の憲政資料室が所蔵する「桂太郎関係文書」中に、「奥州鎮撫総督御宿陣行之次第 総督府」という文書がある。詳細は不明。同文書の目録はインターネット上で確認できる。
桂太郎関係文書目録(PDF直リンク)
「92 奥州鎮撫総督御宿陣行之次第 総督府」
(インターネット情報の最終確認日:2021年6月9日)
- 回答プロセス
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『防長回天史』総合索引で「岩沼」の記述部分を確認。p242に4月13日に岩沼についた旨の記述があるが、場所、氏名等不明。「奥州鎮撫使」の記述部分を確認、目次より、p134「奥州鎮撫使ト仙台藩」を確認すると、「第四大隊二番中隊」が付き、「桂太郎」他が派遣されたことが分かる。
桂太郎の自伝を確認。
「第四大隊」の名簿類等について、山口県文書館の所蔵資料検索で確認(キーワード「第四大隊」で検索)
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本史 (210 9版)
- 参考資料
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1.徳富 蘇峰/編著 , 徳富‖蘇峰. 公爵桂太郎伝 乾巻. 原書房, 2004. (明治百年史叢書 ; 48巻)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I046829832-00 , ISBN 4562100338 (p161,167)
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1.徳富 蘇峰/編著 , 徳富‖蘇峰. 公爵桂太郎伝 乾巻. 原書房, 2004. (明治百年史叢書 ; 48巻)
- キーワード
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- 戊辰の役 (1868-1869)
- 奥州鎮撫使
- 桂, 太郎, 1847-1913
- 照会先
- 寄与者
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- 山口県文書館
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土 人物
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000300080