レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年03月11日
- 登録日時
- 2021/05/26 14:20
- 更新日時
- 2021/12/13 16:16
- 管理番号
- 埼久-2021-004
- 質問
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解決
江戸期に「今上皇帝」という語が使用されていたかを知りたい。
- 回答
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以下の資料と情報を紹介した。
『日本国語大辞典 第2版 第4巻』(日本国語大辞典第二版編集委員会編 小学館 2001)
p678「キンジョウコウテイ「今上皇帝」」現在の皇帝。当代の天皇。
用例として、「故実拾要」(1720頃)「今上皇帝・当今、是当時御在位の間を奉申也」とあり。
《国立国会図書館デジタルコレクション》『帝室制度史 6巻 第2巻』(帝国学士院編 1937-1945)p134「陽復記 下」の項に、「(前略)今上皇帝まで傳はりたまふ事(後略)度會延佳 慶安四年刊」とあり。(https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1444614 国立国会図書館)73コマ 国立国会図書館/インターネット公開
《国立国会図書館デジタルコレクション》『帝室制度史 6巻 第3巻』(帝国学士院編 1937-1945)p521 「槐記 享保十七年九月五日参候」に、「東山院御護位アリテ、程ナク崩御ナリタル故ニコソ、當今上皇帝ハ、天皇元服ニテマシマス由ナリ(後略)」とあり。(https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1444632/268 国立国会図書館)268コマ 国立国会図書館/インターネット公開
《国立公文書館デジタルアーカイブ》『続日本王代一覧 下』(佐野郷成編)33コマ 「百十五代」の章に、「今上皇帝 諱ハ慶仁新■(こざとへんに光)第四皇子ナリ(後略)」とあり。(https://www.digital.archives.go.jp/das/image/M2014111319562093044 国立公文書館)国立公文書館/インターネット公開
《国立公文書館デジタルアーカイブ》『続日本王代一覧 1』(片山柳撫斎編)3コマ目「今上皇帝享和三年癸亥共十巻」、「文化元年甲子夏五月下弦之日武陵城南穏士片山氏柳撫斎圓然」とあり。(https://www.digital.archives.go.jp/das/meta/M2017050109071829629 国立公文書館)国立公文書館/インターネット公開
《東京大学史料編纂所》『大日本維新史料 類纂之部 井伊家史料 二十六』p5「萬延元年庚申」中に、「今上皇帝聰明絶倫千載不出世之(後略)」とあり。「今上天皇」が示すものとして、「孝明天皇」の補記あり。(https://clioimg.hi.u-tokyo.ac.jp/viewer/view/idata/850/8500/08/0126/0001?m=all&n=20 東京大学史料編纂所)東京大学史料編纂所/インターネット公開
- 回答プロセス
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1 《Japan Knowledge》(ネットアドバンス)を〈今上皇帝〉で検索する。
「今上皇帝 きんじょうこうてい」(注)『日本国語大辞典』
「故実拾要」(1720頃)の用例あり。
2 参考図書を調べる。
『国史大辞典 2 う-お』(国史大辞典編集委員会編 吉川弘文館 1980)
p5「上」「「いまのうえ」「「今上」はともに当代の天皇の意であり、(後略)」とあり。
用例として、『増鏡』と『東大寺献物帳』あり。参考文献あり。
3 2の参考文献『帝室制度史 第6巻』(日本学士院編 吉川弘文館 1979)を調べる。
4 《国立国会図書館デジタルコレクション》(https://dl.ndl.go.jp/ 国立国会図書館)を〈帝室制度史 & 今上皇帝〉で全文検索する。
5 《近世史編纂支援データベース》(https://wwwap.hi.u-tokyo.ac.jp/ships/shipscontroller 東京大学史料編纂所)を〈今上皇帝〉で検索する。
6 《Google》(http://www.google.co.jp/ Google)を〈江戸期 & 今上皇帝〉で検索する。
《岩手大学リポジトリ》(https://iwate-u.repo.nii.ac.jp/ 岩手大学図書館)
藤原暹著「続日本王代一覧の研究」
(https://iwate-u.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=13819&item_no=1&page_id=13&block_id=21)
p19『日本王代一覧』が寛文3年(1663)に上梓されたとあり。
「この『日本王代一覧』の後を受け継ぎ107代後陽成天皇以降の歴史を記述しようという意図でなされた『続日本王代一覧』という書がある」という記述あり。『続日本王代一覧』という本が、佐野郷成(さの さとなり 国学者)著のものと片山松斎(蘭学者)著のものの2種類ある旨記述あり。
p20「1.『続日本王代一覧』の2人の著者」の章に、松斎は片山円然の通称とあり。
佐野郷成著の『続日本王代一覧』が、内閣文庫所蔵の写本にあり、宝永6年(1709)から享保5年(1720)年の間に執筆されたとあり。
片山松斎著の『続日本王代一覧』が文化元年(1804)年に執筆されたとあり。
p21-23「2.『続日本王代一覧』の執筆動機と状況」の章
p21 片山松斎著の『続日本王代一覧』の序文として「(前略)丁亥至今上皇帝享和三年癸亥共十巻 名曰続日本王代一覧(後略)」の記述あり。
p23-25「3.両書の内容」の章
p24「(前略)佐野は天皇即位の記事に附して、(中略)104代今上皇帝の部分では、父仙洞 政務ヲ聞食ス 然レドモ何事モ関東ヨリノ計ヒ也 と言って(後略)」とあり。
7 《Google》を〈内閣文庫〉で検索する。
8 《国立公文書館デジタルアーカイブ》(https://www.digital.archives.go.jp/ 国立公文書館)を〈続日本王代一覧〉で検索する。
ウェブサイト・データベースの最終アクセス日は2021年3月11日。
- 事前調査事項
- NDC
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- 辞典 (813 9版)
- 参考資料
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- 『日本国語大辞典 第2版 第4巻』(日本国語大辞典第二版編集委員会編 小学館 2001) , ISBN 4-09-521004-4
- キーワード
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- 日本語-歴史-江戸時代
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 歴史 言葉
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000299315