レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年01月21日
- 登録日時
- 2020/03/02 00:30
- 更新日時
- 2020/03/14 09:49
- 管理番号
- 秋田-2434
- 質問
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解決
新潟県では雪除け屋根の事を「雁木(ガンギ)」というが、秋田県や青森県では「こみせ」というと聞いた。その由来が分かる資料はあるか。
- 回答
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以下の資料から記載を確認。
①『秋田民俗語彙事典』(稲 雄次/編著、無明舎出版、1990、R382.1/イア/郷)資料番号:124016205
⇒p237 「コミセ」の記述あり。
②『語源探究秋田方言辞典』(中山 健/編著、語源探究秋田方言辞典刊行委員会、2001.12、818/ナゴ/郷)資料番号:124282021
⇒p587 「こみせ」「こもせ」「こめせ」の記述あり。
- 回答プロセス
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・NDC分類382(風俗史・民俗誌)の郷土資料書架をブラウジング→該当資料①から記述を確認。
①『秋田民俗語彙事典』(稲 雄次/編著、無明舎出版、1990、R382.1/イア/郷)資料番号:124016205
⇒p237より「小店。小見世。雪の季節に人の通行を許している軒下。(中略)コミセは本来は店の入口の土間のことらしいが現在はもとの意味を忘れるくらいに公然たる道路となっており、平鹿・鹿角両地方などではこれをコモセ、コモヘと呼んでいる。」との記述。
・NDC分類818(方言)の郷土資料書架をブラウジング→該当資料②から記述を確認。
②『語源探究秋田方言辞典』(中山 健/編著、語源探究秋田方言辞典刊行委員会、2001.12、818/ナゴ/郷)資料番号:124282021
⇒p587より「東北地方で、雪の季節に人の通行を許している軒下。雁木。(中略)ひさしの下の通路を隔てて店と向かい合わせに棚を造り、これに商品の一部を陳列することがあったので、店に対して小店といったものだという。(中略)〔コミセ→コメセ→コモセ〕と転じたもの。」との記述。
以下の資料も調査し、記載を確認。
・『秋田市史 第17巻 索引』(秋田市/編、秋田市、2006.3、214.5/アア/17-2郷)資料番号:124368143
⇒索引から「小見世」を探し、記載の巻数とページ数を確認。
『秋田市史 第16巻』(秋田市/編、秋田市、2003.3、214.5/アア/16郷)資料番号:124309634
⇒p27 二 雪国の暮らしより「また軒先から庇が一間半ほども長く張り出している。積雪期にはその下が通路となり、(中略)これを雁木、コモセ、コミセなどといい雪国の地域では近年まで見られた。」との記述。
p103より「雪国の町家の特徴の一つは、道路に面した商店が軒先から庇を長く出していることである。これはコミセ、コモセ、雁木などと称された。(中略)また通路となるばかりでなく小見世―小店として商品を並べ置いたり、町内に図りさしさわりがない場合は、そこを他の人に貸しつけたりもした。」との記述。
・『秋田県史 民俗・工芸編』(秋田県/編、秋田県、1978.3、210/アア/8郷)資料番号:111327409
⇒p512より「町家では、その庇をコモセとしたことも想像される。コモセは雪国の町の特長であって、いわばアーケードの役割をなし、大積雪中でも買い物と歩行のための便宜である。」との記述。
・『日本の家 3 風土・歴史・ひとが築いた町並みと住まい 北海道・東北・関東』(藤井 恵介/監修、講談社、2004.9、521.8/フニ/3)資料番号:122284235
⇒p24 東北地方の住まいの特徴と歴史より「コミセとは、青森県や秋田県などの町家において、表通りの正面に設けた深い庇を指す呼称で、積雪時などの人の通行に使用される。青森県津軽地方や秋田県平鹿郡地方・同県鹿角市付近などではコモセやコモヘなどの呼称もある。」との記述。
- 事前調査事項
- NDC
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- 社会科学 (3)
- 技術 (5)
- 言語 (8)
- 参考資料
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- 秋田民俗語彙事典稲 雄次/編著無明舎出版
- 秋田市史第16巻秋田市/編集秋田市
- 秋田県史民俗・工芸編秋田県/編秋田県
- 語源探究秋田方言辞典中山 健/編著語源探究秋田方言辞典刊行委員会
- 日本の家3藤井 恵介/監修講談社
- キーワード
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- 雁木(ガンギ)
- こみせ(コミセ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 一般,郷土
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000274841