レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年08月16日
- 登録日時
- 2018/08/19 12:23
- 更新日時
- 2019/12/24 14:38
- 管理番号
- 1881
- 質問
-
解決
芥川龍之介著「我輩も犬である(仮)」は題名に(仮)が付いており、本文は(以下次号)で締められている。
別のタイトルや本文の続きは存在するのか。
- 回答
-
存在しない。
「我輩も犬である(仮)」は表題、署名がないため、冒頭の一文「我輩も犬である」をもって仮題とされている。
(以下次号)とあるとおり、続稿は考えられていたようだ。
- 回答プロセス
-
・質問者が持参した『芥川龍之介全集21巻 初期文章・草稿』(芥川龍之介/著、岩波書店)p.66-67に「我輩も犬である(仮)」が収録されていた。
確かに表題末が(仮)、本文末は(以下次号)で締められている。
p.476の後記には「表題も署名もなく、文頭の一文を採って仮題とした」とある。
芥川龍之介関連の参考図書を調査。
・『芥川龍之介大事典』(志村有弘/編、勉誠出版)p.756…「我輩も犬である(仮)」の項目あり。
「『我輩も犬である 名前は勿論ない 何処で生れたか忘れて仕舞つた』という書き出しになっている。
(中略)表題、署名はないため、冒頭の一文をもって仮題とした。三枚半ほどの短文で末尾には『(以下次号)』とある。
(中略)夏目漱石の『吾輩は猫である』を模して、自己の戯画化をした文章と推定され」
と書かれている。
・『芥川龍之介全作品事典』(関口安義/ほか編、勉誠出版)p.603-604…項目「我輩も犬である(仮)」にも
「表題、署名はない。(中略)末尾に『(以下次号)』とあり、続稿を考えていたようである」。
2冊とも後に表題が付けられたことや続号が執筆されたことについては書かれていない。
現時点でそれらは存在しないと思われる。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本文学 (910 10版)
- 参考資料
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- 芥川龍之介全集21巻 初期文章・草稿
- 芥川龍之介大事典
- 芥川龍之介全作品事典
- キーワード
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- 芥川 龍之介
- 我輩も犬である
- 吾輩は猫である
- 夏目 漱石
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000240935