・「朝鮮通信使の饗応について-大坂における饗応」『日本家政学会誌 第49巻第9号』(高正晴子/著 1998)【P59/7N】中央図書館蔵
1011-1019頁に記載されていました。明暦度と天和度の献立が1013頁に記載されています。
この雑誌は大阪府立中央図書館の所蔵ですが、CiNii《NII学術コンテンツ・ポータル》でオープンアクセスとなっています。
高正晴子「朝鮮通信使の饗応について-大坂における饗応」
http://ci.nii.ac.jp/naid/110003168650使われた史料は「対馬国宗家文書記録類」(国史編纂委員会蔵)、『宗家記録』(慶応義塾図書館蔵)、宗家文庫文書等、で1019頁に記されています。
このうち、「朝鮮通信使の大坂における饗応献立」で参照された史料は以下のとおりです。
・1643年:寛永20年度『寛永二十癸未年朝鮮通信使記録 巻五』(宗家文庫蔵)
・1655年:明暦度『明暦元乙未年明暦信使来聘記従壱州大坂迄所々御振廻献立』(国史編纂委員会蔵:韓国)
・1682年:天和度『宗家記録壬戌信使記録三十一』(慶應義塾大学図書館蔵)
・1711年:正徳度『宗家記録辛卯信使記録下書 六十二』(慶應義塾大学図書館蔵)
・1748年:延享度『宗家記録延享五戊辰年信使記録』 (慶應義塾大学図書館蔵)
『明暦元乙未年明暦信使来聘記従壱州大坂迄所々御振廻献立』を除いた各史料はゆまに書房からマイクロフィルムで出版されており、近畿圏の大学図書館(例えば大阪経済法科大学、京都学園大学など)はこれを所蔵されているようです(NACSIS Webcatより)。
NACSIS Webcat
http://webcat.nii.ac.jp/※「朝鮮通信使記録」で検索しました。
また、京都大学の人文科学研究所には「朝鮮通信使関係資料目録(データベース版)」がありました。
宗家文書もお持ちのようです。
http://www.zinbun.kyoto-u.ac.jp/~mizna/tsushinshi/〔経過〕
当館OPACで「朝鮮通信使」<を含む>で検索したところ、
・『朝鮮通信使の饗応』(高正晴子/著 明石書店 2001.3)
・『朝鮮通信使をもてなした料理』(高正晴子/著 明石書店 2010.6)
がヒットしましたが、いずれも調査済で、かつもっと史料が必要とのこと。
・『国史大辞典 9』(国史大辞典編集委員会/編 吉川弘文館 1988.8)
707-708頁「通信使」の項目の「朝鮮王朝通信使一覧」(「一覧」は706-707頁)には「随員記録」の書名と著者が書かれていますが、これらについても調査は済んでいるとのことでした。
GeNii《NII学術コンテンツ・ポータル》で「朝鮮通信使 饗応」で検索すると、CiNii《NII論文情報ナビゲータ》で12件がヒットします。
このうち、「下関市における江戸時代の朝鮮通信使饗応料理の再現」『山口県立大学学術情報 1』(神田知子/著 高正晴子/著 2008.3)はオープンアクセスとなっており、PDFで内容を確認できます。
http://ci.nii.ac.jp/naid/110006650353参考文献を確認すると『辛卯信使記録』という史料を慶応義塾大学図書館が所蔵しています。
・『大系朝鮮通信使:善隣と友好の記録』(辛基秀/[ほか]編 明石書院 1993.1-1996.8)全8巻は1607年から1811年までの各朝鮮通信使について記されており、図版の他、通信使が各地の寺院などに遺した遺墨、随員記録である「使行録」、旅程、主要論文が収められています。
遺墨、使行録については、本に収められていないものの書名と所蔵も記されていました。
中之島図書館の方が朝鮮通信使関係の資料が多く、また
・『天和二年朝鮮之信使来聘記』【325.5/26】(『大阪府立図書館蔵書目録 第3巻』で確認)
なども所蔵していますので(『大系朝鮮通信使』に記載された遺墨、使行録についても「大阪府立中之島図書館蔵」がありました)ので、朝鮮通信使が大坂で供された食事について記された資料の調査については、中之島図書館への来館もお薦めしました。
あわせて、大阪歴史博物館も紹介しました。