レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2009年03月06日
- 登録日時
- 2009/06/19 02:11
- 更新日時
- 2024/01/05 10:01
- 管理番号
- 埼久-2009-011
- 質問
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解決
北原白秋の「フレップ・トリップ」(樺太紀行)の〈フレップ〉〈トリップ〉という言葉について調べている。どんな植物を指すのか。
- 回答
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以下の資料と情報を紹介した。
1 図書
『フレップ・トリップ』(北原白秋著 岩波書店 2007)
『樺太文学史 第1巻』(荒沢勝太郎著 艸人舎 1986)
『樺太アイヌ語 語彙編』(村崎恭子編 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所 1998)
『樺太の植物』(菅原繁蔵著 菅原繁蔵樺太植物研究後援会 1937)
2 インターネット情報
《北海道大学付属図書館北方資料データベース》
(http://ambitious.lib.hokudai.ac.jp/hoppodb/ 北海道大学附属図書館)
「明治大正期北海道写真目録(明治大正期の北海道・目録編)」に「フレップ(コケモモ)本舗」「豊かな天然資源 醸造原料果実フレップ(コケモモ)」「植物(フレップの 果汁を加味した製品)」「フレップ酒の壜詰」などの写真掲載あり。
備考欄に追記あり。(2023/12/27)
- 回答プロセス
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1 図書を確認する。
『フレップ・トリップ』(北原白秋 岩波文庫 2007)
表題紙裏の序文に「フレップの実は赤く、トリップの実は黒い。いずれも樺太のツンドラ地帯に生ずる小灌木の名である。採りて酒を製する。所謂樺太葡萄酒である。」とあり。
また、同書p399-421所収の山本太郎「『フレップ・トリップ』の文体-その躍動美について-」に記述あり。
『樺太文学史 第1巻』(荒沢勝太郎著 艸人舎 1986)
p89-92にフレップ及びトリップがどの植物を指すのかについて記述あり。
また、「塩漬けにしたフレップの実」、「サハリンの自由市場のフレップやエゾクロウスゴの実の売り場」、「エゾクロウスゴの実」、「フレップワインの広告」の写真掲載あり。
『樺太アイヌ語 語彙編』(村崎恭子編 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所 1998)
「ツルコケモモ、ヤチフレップ」、「黒豆の木の実、アキアジフレップ」、「エゾクロウスゴ、マスフレップ」、「エゾイチゴ、浜苺、フレップ」の語彙が収められている。
『樺太の植物』(菅原繁蔵著 菅原繁蔵樺太植物研究後援会 1937)
p256-257に「ツルコケモモ」の項があり「アイヌ名 フートレップ」とあり。また、「コケモモフレップ」の項あり。
2 《北海道大学付属図書館北方資料データベース》(http://ambitious.lib.hokudai.ac.jp/hoppodb/ 北海道大学附属図書館) を〈フレップ〉で検索する。
〈その他調査済み資料〉
『白秋と茂吉』(飯島耕一著 みすず書房 2003)
『白秋全集 19 詩文評論5』(北原白秋著 木俣修〔ほか〕編 岩波書店 1985)
『北海道文学大事典』(北海道文学館編 北海道新聞社 1985)
『国文学 解釈と鑑賞 第69巻5号』(至文堂 2004.10)
『国文学 解釈と教材の研究 第53巻6号』(學燈社 2008.4)
『原色日本植物図鑑 木本編』(北村四郎[ほか]著 保育社 1987)
『原色日本植物図鑑 草本編』(北村四郎[ほか]著 保育社 1977)
『原色植物観察図鑑』(堀勝著 保育社 1986)
『原色世界植物大図鑑』(北隆館 1986)
『原色樹木大図鑑』(北隆館 2004)
- 事前調査事項
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「Currant:Red Currant & Black Currant」 ヨーロッパ原産 酸塊。「苔桃」は「広辞苑」ではしゃくなげ科、「国語大辞典」ツツジ科となっている。「フレップ」は、手元の俳句関連の資料では〈苔桃〉だが、Web上の情報では〈フレップ=カラント(酸塊)〉、苔桃(ツツジ科)≠酸塊(ユキノシタ科)で迷っている。「トリップ」は全く不明。
- NDC
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- 植物地理.植物誌 (472 9版)
- その他の東洋の諸言語 (829 9版)
- 記録.手記.ルポルタージュ (916 9版)
- 参考資料
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- 『フレップ・トリップ』(北原白秋著 岩波書店 2007) , ISBN 4-00-310487-0
- 『樺太文学史 1』(荒沢勝太郎著 艸人舎 1986)
- 『樺太アイヌ語 語彙編』(村崎恭子編 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所 1998)
- 『樺太の植物』(菅原繁蔵著 菅原繁蔵樺太植物研究後援会 1937)
- キーワード
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- フレップ
- 北原 白秋(キタハラ ハクシュウ)
- 語彙
- 植物
- 樺太
- 苔桃-こけもも
- エゾクロウスゴ
- アイヌ語
- 紀行-日本文学
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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追記(2023/12/27)
回答で紹介されているインターネット情報のURL変更があった。
《北海道大学北方資料データベース》(https://www2.lib.hokudai.ac.jp/hoppodb/ 北海道大学)
また、レファレンス協同データベース事務局を通して情報提供があった。
『樺太、永遠なる大地』(工藤敏行著 牧歌舎 2017)(県内公共図書館所蔵)
p206-211「樺太の懐かしい味、フレップ」の項あり。
p211北原白秋の紀行記『フレップ・トリップ』について記述あり。
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000055821