レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2008/11/05
- 登録日時
- 2009/04/23 02:11
- 更新日時
- 2009/04/27 14:40
- 管理番号
- 埼熊-2008-104
- 質問
-
未解決
「熊谷」の読みに関して、地名の「クマガヤ」と人名の「クマガイ」の違いをどう考えればよいのか。資料や研究者を紹介してほしい。
- 回答
-
読みの違いを確定できる資料は見あたらなかった。諸説を含む以下の資料を紹介する。
地名の読みについての資料
『熊谷市史 通史編』『角川日本地名大辞典 埼玉県』『埼玉県の地名 日本歴史地名大系11』『熊谷のあゆみ』『熊谷地名考 1 大字篇』『さいたまの地名』
荻原竜夫「熊谷は「クマガヤ」か「クマガエ」か」(『日本歴史 208号』 1965.9)
人名についての資料
『埼玉の苗字』『日本の苗字読み解き事典』『埼玉苗字辞典』『熊谷家伝記のふるさと』
市立図書館に調査依頼し、いただいた回答。
研究者で紹介できる人物はいない。読みについて「人名としての熊谷を「熊加屋」「くまかや」と表すものもあり、地名が「クマガヤ」で人名が「クマガイ」であるとは言い切れない」との回答を得る。
- 回答プロセス
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〈熊谷〉の地名の読みには、諸説があり主なものは以下のとおり。( )内が出典。
荒川が曲がった湿地帯で氾濫源だったことからの説(『埼玉県地名誌』)
高城明神の鎮座から起こった説(『埼玉県地名誌』)
熊谷直貞が大熊を退治したことから起こった説(『新編武蔵風土記稿』)
その読みは、
曲谷(クマカヤ)小沢国平 (『熊谷市史 通史編』)
神谷(クマケヤ)野々口正隆(『熊谷市史 通史編』)
熊加屋(クマガヤ *熊谷家相伝より)渡辺世祐(『熊谷市史 通史編』)
総じて「クマガヤ」としているが、はっきりしたことはわからない。
山と山の間(カイ)窪地からと起こり、「クマガイ」と読むという説(『熊谷市史』林有章、『角川日本地名大辞典』)
〈熊谷〉の人名の読みでは、
直実の生国では、「クマガイ」と呼ばれていたが、「クマガヤ」と読むことが正しく、「クマガイ」は地方の訛かもしれないとしている。(『熊谷家伝記のふるさと)
谷だから、駅では「カイ」でなく、「ヤ」と勝手に読んでいておかしいという説(『日本の苗字読み解き事典』)
「クマガヤ」か「クマガイ」(「クマガエ」は訛った読み方)かが論議されてきたが、『熊谷家文書』や『吾妻鏡』には「クマガヤ」とある。(『さいたまの地名』)
現在、熊谷次郎直実のように姓は、「クマガイ」が使われているが、市や駅名など公的な名称は「クマガヤ」に統一されている。(『さいたまの地名』)
- 事前調査事項
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『熊谷史話』(林有章 国書刊行会 1981)『埼玉県地名誌』(韮塚一三郎 北辰図書 1969)『熊谷の地名と旧跡』(熊谷市立図書館1993)『新編熊谷風土記』(日下部朝一郎 熊谷市郷土文化会 1965)
- NDC
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- 日本 (291 9版)
- 貴重書.郷土資料.その他の特別コレクション (090 9版)
- 参考資料
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- 『熊谷市史 通史編』(熊谷市 1984)
- 『角川日本地名大辞典 埼玉県』(角川書店 1980)
- 『埼玉県の地名 日本歴史地名大系11』(平凡社 1993)
- 『熊谷のあゆみ』(熊谷市 1952)
- 『熊谷蓮生坊文書』(埼玉県立図書館 1969)
- 『熊谷地名考 1 大字篇』(熊谷市立図書館 1977)
- 『さいたまの地名』(埼玉県 1983)
- 『埼玉の苗字』(さきたま出版会 1983)
- 『日本の苗字読み解き事典』(柏書房 1994)
- 『埼玉苗字辞典』(茂木和平 2006)
- 『熊谷家伝記のふるさと』(富山村教育委員会 愛知県 1992)
- 『日本歴史 208号』
- キーワード
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- 熊谷市-埼玉県
- 熊谷(氏)
- 地名
- 姓
- 郷土資料
- 照会先
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- 熊谷市立図書館
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000054111