レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2007/3/30
- 登録日時
- 2007/10/30 02:11
- 更新日時
- 2021/02/25 10:08
- 管理番号
- 中央-2007-13
- 質問
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富山藩が幕府に鮎鮨を献上していたと聞いたが、そのことが確認できる資料はあるか。
- 回答
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資料1、3から「大名武鑑」中に諸藩から献上された産物が、「時献上」として記載されていることがあると判明する。
資料4、5等の武鑑を調査して回答する。
※武鑑では、藩名ではなく藩主から調査することになるため、資料6などで藩主の官名や藩主就任期間などを確認しておく必要がある。
資料1:「献上品」の項目中に、「大名武鑑」のなかに「時献上」として記載されていることがあるとの記載がある。
資料2:「時献上」の説明がある。
資料3:各藩の献上品が網羅的に記載された資料はないこと、献上品を調べる際の資料として「大名武鑑」や内閣文庫所蔵史料の「朝献上」があるとの記載がある。
資料4:所収の武鑑を年代別に確認すると、安永2年(1773)の武鑑の「松平出雲守利與」の項に、「十月鮎鮓」の記載があり、10月に鮎鮨を献上したことがわかる。ただし、資料4所収のその他の年の武鑑では鮎鮨の記載は見当たらなかった。
資料5:明和2年(1765)の『明和武鑑』、明和7年(1770)の『大成武鑑』、安永4年(1775)の『安永武鑑』の松平出雲守利與の項に「時献上」として「十月鮎鮓」の記載あり。
ただし、資料5を含む『江戸幕府大名武鑑編年集成』は冊数も多い上、影印版のため網羅的な調査は困難である。なお、資料7所収の論文「近世の献上儀礼にみる幕藩関係と村役 時献上・尾張藩蜂屋柿を事例に」(大友一雄執筆)によると、「一部の活字本には記載を省略したものもある。」「橋本博編の『大武鑑』では、安永2年の武鑑以外から時献上に関する記載をおとしている。」とあった。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本史 (210 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】 徳川幕府事典 / 竹内誠∥編 / 東京堂出版 , 2003.7 <R/210.50/5133/2003>
- 【資料2】 江戸町方の制度 / 石井良助∥編集 . 増補新訂版 / 新人物往来社 , 1995.8 <T/0・250/12/95>
- 【資料3】 日本近世国家の権威と儀礼 / 大友一雄∥著 / 吉川弘文館 , 1999.12 <210.50/5013/1999>
- 【資料4】 大武鑑 中巻 / 橋本博∥編 . 改訂増補版 / 名著刊行会 , 1965 <R/2813/78/2A>
- 【資料5】 江戸幕府大名武鑑編年集成 11 明和2年-安永4年 / 深井雅海∥編 / 東洋書林 , 2000.4 <R/281.03/5010/11>
- 【資料6】 藩史大事典 第3巻 中部編 1 北陸・甲信越 / 木村礎∥[ほか]編 / 雄山閣出版 , 1989.7 <R/2150/3007/3>
- 【資料7】 金鯱叢書 : 史学美術史論文集 第16輯 / 大石慎三郎∥編集 / 徳川黎明会 , 1989.10 <2150/195/16>
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000038528