調べ方マニュアル詳細
- 調べ方作成日
- 2009/07/10
- 登録日時
- 2009/08/07 02:12
- 更新日時
- 2009/08/13 15:16
- 管理番号
- 埼久-021
- 調査テーマ
-
完成
薬について調べる (埼玉県立久喜図書館 調べ方案内 Milestone No.21)
- 調べ方
-
◆テーマ
2009年6月の改正薬事法の施行により、薬局の店頭やインターネットでの市販薬の販売が変わってきています。今回は、こうした一般用医薬品をはじめ、処方箋に基く医療用の医薬品、ジェネリック医薬品等、私たちにとって身近な薬についての調べ方をご案内します。なお、薬について調べる際は、最新の情報にあたって複数の情報源を比較するようにしましょう。
■キーワード
あらかじめ調べたい内容に関連したキーワードを決めておくと、手際よく情報を集められます。
キーワード:薬 くすり クスリ 処方箋 副作用 ジェネリック OTC プラシーボ(プラセボ) 漢方
■資料・情報の集め方
1 テーマに関連する図書を探す
① 県立図書館にある本を探す
パソコンを使って探す場合、インターネットで県立図書館のウェブサイト左側のメニュー、「蔵書検索・予約」の中の「▼蔵書検索(詳細版)」から検索ができます。「件名」「書名」欄に上記キーワードを入力したり、「分類」欄に〈499(薬学)〉や〈491.5(薬物学)〉を入力し、出版年で絞ったりするなどして検索してみましょう。パソコンは、県立図書館内にも検索用端末を用意しています。
直接本を手に取って選びたい、という場合は来館していただき、〈499(薬学)〉や〈491.5(薬物学)〉の棚をご覧ください。不明な場合は職員にお尋ねください。
また、県立図書館では、館内利用となりますが、調べものをするためにご利用いただく事典、ハンドブックなどを用意しています。これらの本を参考図書といい、一般図書と別に配置してあります。
以下、薬を調べる際の参考図書のうち、比較的新しいものを中心に、「医療用医薬品」「ジェネリック医薬品」「一般用医薬品」「副作用」「その他」に分けてご紹介します。
●A 医療用医薬品について
「医療用医薬品」は、医師の診断後、処方箋により購入する「処方薬」をいいます。
『医者からもらった薬がわかる本 2009年版』(法研 2008)
毎年改訂されるロングセラーで、内服薬、外用薬計8,100品目の他、主要な薬の 写真や「がんに使われる薬」を掲載し、読みやすい事典となっています。
『今日の治療薬 解説と便覧 2009年版』(南江堂 2009)
疾患別の構成で、薬効群ごとの専門医による「解説」と、薬剤の特徴、効能・効果、用法・用量、禁忌などの「便覧」の2部構成となっています。 略号や記号が2色刷で見やすくまとめられており、索引も充実しています。
『JAPIC医療用医薬品集 2009年版(別冊とも)』(日本医薬情報センター 2008)
漢方薬も含めた医薬品の効能・効果や用量・用法、添付文書記載内容などを収録しており、別冊は『薬剤識別コード一覧』となっています。
『治療薬情報集 2005 薬効別 要約と詳細』(じほう 2004)
約18,000品目を収録し、添付文書を基本とした事典で、「対象となる疾患・症状」「使い方と量」「特に注意すべき副作用の症状」など色付きで見やすく表示されています。
●B ジェネリック医薬品について
「後発医薬品」ともいい、医療用医薬品のうち、治験によって効能効果・安全性が認められている「先発医薬品」の特許が切れた後、先発医薬品と同等の治療効果が認められた医薬品です。
『今日のジェネリック医薬品 第3版』(南江堂 2008)
厚生労働省による医薬品の情報と添付文書を基にした『今日の治療薬』の姉妹版で、本文、索引ともに先発・代表品が黒字、該当するジェネリック医薬品が赤字で表記され、見やすい事典となっています。一般名・商品名を併せた50音順索引があります。
『ジェネリック医薬品リスト 平成20年4月版』(じほう 2008)
(以前の書名=『後発医薬品リスト』)
医薬品を内用薬、注射薬、外用薬に区分して収録しています。巻末に一般名、商品名2つの索引があり、後発薬がないものは「後発なし」と表示されています。
●C 一般用医薬品について
処方箋不要で、消費者が薬局などで自由に購入できる「市販薬」(大衆薬)のことです。医療用医薬品と比べ比較的リスクの低いもので、リスクの大きさにより第1類~第3類まで分類されます。
『JAPIC一般用医薬品集 2009年版』(日本医薬情報センター 2008)
漢方も含めた医薬品約12,000品目について、添付文書に基づきリスク区分、添加物、適応症、用法、包装単位など収録しています。50音及び会社別製品索引があります。
『大衆薬事典 2004-'05 第9版』(じほう 2004)
主な大衆薬約3,000品目を収録し、成分、効能、用法・用量、包装の単位と価格を掲載し、写真から見る「製品紹介」の他、症状別、50音順、会社名別、成分索引があります。
●D 副作用について
薬を服用する場合はその副作用が気になりますが、副作用を調べる参考図書を紹介します。
『投薬禁忌リスト 平成19年版 付重大な副作用』(医薬情報研究所2007)
医療用医薬品の添付文書に警告や禁忌等の記載のあるものを収録し、禁忌、原則禁忌、併用禁忌、原則併用禁忌、重大な副作用等を略号により表示しています。
『簡潔!くすりの副作用用語事典 英語対訳付き』(第一メディカル2003)
若干古いですが、添付文書の副作用用語を対象とし、関連語も多く収載したコンパクトな事典で、逆引き索引、英文索引があります。
『今日の治療指針 私はこう治療している 2009年版』(医学書院 2009)
疾患別に専門医の実践的治療法を解説したものですが、巻末に「薬物の副作用と相互作用」を掲載しています。本文に処方例を掲載している他、「新薬、医薬品等安全性情報」をはじめ、薬に関する巻末付録が充実しています。
●E その他
薬に関するその他の事典を紹介します。
『薬の事典』(朝倉書店)
2001年発行の若干古いものですが、薬全般に関する情報を解説した総論と、薬を疾患別に分類した各論から成り、一般から専門家までを対象とした基本的な事典です。
『薬剤識別コード事典 平成20年改訂版』(医薬ジャーナル社)
薬物本体や包装 材料の数字から薬を識別する事典で、製薬会社のロゴマークからも調べられるようになっています。
『医薬品添加物事典 2007』(薬事日報社)
医薬品に添加されている物質約1,200品目について、英名、構造式(分子式・分子量)、概要、用途、投与経路・最大使用量等を品目の50音順に掲載したものです。巻末に用途別索引、成分名・別名・商品名索引、英名索引があります。
『病名適応医薬品集 2008 病名から薬がわかる本』(日本医薬情報センター)
記載は簡潔ですが、サブタイトルのとおり、病名別に医療用医薬品の一般名、商品名、関連する効能効果を表にまとめたものです。巻末に一般名別商品名リスト、類似薬選定のための「薬効別薬剤分類表」があります。
*漢方薬は、動物・植物・鉱物などの生薬を、服用する人の症状・体質により組み合わせたものをいいますが、大部なものとしては、いずれも1980年代刊行の、『図説漢方医薬大事典 全4巻』(講談社)、『中薬大辞典 全5巻』(小学館)があります。最近のものでは2007年に刊行された『和漢薬の事典』(朝倉書店)があります。
*薬剤会社を調べるハンドブックとしては、『日本医薬品企業要覧 平成21年版』(ドラッグマガジン)や『医薬品企業総覧 2007』(じほう)があります。いずれも会社の概要や直近の業績、売上高等を掲載しており、前者は製薬業編、卸売業編の2冊から成っています。
② 県立図書館にない本も含め、インターネットで探す
《NDL-OPAC》(http://opac.ndl.go.jp/ 国会図書館)
国立国会図書館の所蔵資料検索ができるウェブサイトで、納本制度により国内で出版された図書が収集されているため、市販されていないものを含め、網羅的な検索が可能です。
《Webcat Plus》(http://webcatplus-international.nii.ac.jp/ 国立情報学研究所)
思いついた言葉で全国の大学等の所蔵資料を検索できます。
《Books.or.jp》(http://www.books.or.jp/Index.aspx 日本書籍出版協会)
現在書店や出版社で入手可能な図書が調べられます。
《くすり本NAVI》(http://www.okusuri110.com/book/book_100_top.html ファーマフレンド)
NPO団体のファーマフレンドが運営し、薬関係の図書を紹介しているウェブサイトで、新着の他、テーマ別、購入ベスト30などのページがあります。
2 テーマに関連する雑誌記事・論文を探す
①インターネット上のサイトで検索する
《NDL-OPAC》(http://opac.ndl.go.jp/ 国会図書館)
雑誌記事の検索も可能です。
《Web患者図書館》(http://www.jhpla.jp/opac.htm 日本病院患者図書館協会)
日本病院患者図書館協会加盟館の図書と、対象誌は少ないですが、雑誌や新聞記事の情報が検索できます。
《PubMed(パブメド)》(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/ 米国国立医学図書館)
英語の医学関係データベースで、無料で検索が可能です。日本語による利用方法については、下記の図書を参照してください。
『図解PubMedの使い方』(日本医学図書館協会 2003)
『上手な情報検索のためのPubMed活用マニュアル』(南江堂2005)
『若葉マークのPubMed 初心者のための検索マニュアル』(情報科学技術協会 2005)
なお、ウェブサイトにもいくつか有用なものがありますが、ここでは代表的なものを1つ紹介します。
《PubMedの使い方》(http://www.mnc.toho-u.ac.jp/mmc/pubmed/ 東邦大学医学メディアセンター)
②オンラインデータベースで検索する
《MAGAZINEPLUS》(日外アソシエーツ)
一般誌、専門誌の他、大学紀要等も対象とした雑誌記事索引データベースです。
《J-Dream2》(科学技術振興機構)
医学・薬学関係の学術論文情報の検索が可能なデータベースで、抄録(論文の簡単な紹介)も掲載しています。
3 テーマに関連する新聞記事を探す
縮刷版やオンラインデータベースで関連する出来事について調べることができます。新聞のオンラインデータベースについて、詳しくはカウンターでご相談ください。
4 テーマに関連するウェブサイトを見る
公的なものや団体を中心に、ウェブサイトのURLと参考となるコンテンツを掲載しました。
《おくすりe情報》
(http://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/okusuri/ 厚生労働省)
医薬品の法令・通知、統計、報道発表資料など。
《埼玉県医療機能情報提供システム》
(http://www.iryo-kensaku.jp/saitama/ 埼玉県医療整備課・薬務課)
医療機関をさがす、薬局をさがすなど。
《日本薬剤師会》
(http://www.nichiyaku.or.jp/)
広報資料、医薬分業Q&Aなど。
《医薬品・医療機器情報提供ホームページ》
(http://www.info.pmda.go.jp/ 独立行政法人医薬品医療機器総合機構)
医薬品添付文書情報検索ページ、おくすりQ&Aなど。
《iyaku Search 医薬品情報データベース》
(http://database.japic.or.jp/nw/index 日本医薬情報センター)
医薬文献情報、添付文書情報など。
《おくすり110番》
(http://www.jah.ne.jp/~kako/ NPO団体ファーマフレンド)
病気別の薬フォルダー、くすり本NAVI、副作用リストなど。
《くすりのしおり》
(http://www.rad-ar.or.jp/siori/ くすりの適正使用協議会)
医療用医薬品7,000種類の検索が可能。
《上手なセルフメディケーション》
(http://www.jsmi.jp/index.html 日本OTC医薬品協会)
おくすり検索、おくすりQ&A、おくすりハンドブックなど。
《かんじゃさんの薬箱》
(http://www.generic.gr.jp/ 日本ジェネリック医薬品学会)
ジェネリック医薬品の検索、ジェネリック利用医療機関など。
《日本漢方生薬製剤協会》
(http://www.nikkankyo.org/)
漢方の解説、生薬の解説、お問い合わせコーナーなど。
《日本臨床漢方医会》
(http://www.mmjp.or.jp/kampo-ikai/)
全国臨床漢方医リスト、漢方Q&Aなど。
また、埼玉県薬務課では、
《医薬品等に係る注意喚起》
(http://www.pref.saitama.lg.jp/A04/BD00/kanki/kanki1/kanki1.html)
《薬物乱用防止啓発サイト》
(http://www.pref.saitama.lg.jp/A04/BD00/taisaku/web-content/keihatsu1.html)
などの有用な情報を提供しています。どうぞご活用ください。
- NDC
-
- 内科学 (493 9版)
- 薬学 (499 9版)
- 参考資料
- キーワード
-
- 薬
- くすり
- クスリ
- 処方箋
- 副作用
- ジェネリック
- OTC
- プラシーボ(プラセボ)
- 漢方
- 備考
- 登録番号
- 2000011881