レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2003/03/14
- 登録日時
- 2004/12/28 02:10
- 更新日時
- 2007/02/09 18:08
- 管理番号
- 都立図事-2004000011
- 質問
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「お疲れ様でした」と「ご苦労様でした」の語源と使われ方の違いを知りたい。『広辞苑』は見たが、その情報より、もう少し詳しく知りたい。
- 回答
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「挨拶」「敬語」等の語で検索したもの及び、分類番号814(語彙)、8158(敬語)の開架書架から抽出した十数冊を調査し、資料1~3を紹介。
資料1:p.78-81 「おつかれさん」の項に、江戸期以前の「ご苦労」の用法あり。「お疲れ」「ご苦労」とも明治以降の用法の変遷に少し触れているが、語源はなし。
資料2:p.82~ 「目上へのおつかれさま」アンケート結果あり。現在の用法が本来の使われ方から変化していることが指摘されている。p.78~79 「職種による違い」にも午後の挨拶としてねぎらい語が使われているという指摘あり。この本では、「お疲れ」「ご苦労」の区別はしていない。現在の用法のみで語源なし。
資料3:p.46~47 「[問19]目上の人に「御苦労様」や「お疲れ様」と言ってはいけない…」という項目で扱われているが、ねぎらうという行為に基く表現であるとの考え方や言い換えについて触れているものの、この二語の使い分けや語源はなし。
回答後、発見した資料4では、「ご苦労さま」は上位者から下位者に使うのは「正しい」が、逆は「間違い」、下位者からは「お疲れさま」がよいという使い分けの事例発見。語源についてはなし。
さらに、追加資料として資料5: 『敬語の用法』(R8158/3002/91) p.228「ごくろうさま」の項、資料6: 『状況分類別敬語用法辞典』(R8158/3015/99) p.29「お疲れ様」、p.49「御苦労様」に用法の解説発見。資料5では、資料4と同様、「お疲れさま」の方は対等以上の相手に用いることができるとしているが、資料6では、いずれの語も上位者から下位者に対して言う語で、その逆は失礼としている。資料5、6とも、文学からの用例が豊富。どちらにも語源はなし。
2004年度追加資料7:『乱れているか? テレビの言葉』(810.4/5108/2004) p.62「『ご苦労様』に上下関係?」では、下から上へ使う江戸時代の用例はあるが目上からの例は見つからず、かつては公的な職務へのねぎらいとして上下に関係なく使われていたのではないかという。語源はなし。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本語 (810 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】 ごきげんよう : 挨拶ことばの起源と変遷 / 小林多計士∥著 / MBC21 , 1991.4 /8140/3017/91
- 【資料2】 日本語の現在(いま) : 揺れる言葉の正体を探る / 陣内正敬∥著 / アルク , 1998.11 ( アルク新書 ) /8104/3171/98
- 【資料3】 言葉に関する問答集 敬語編 2 / 文化庁∥編集 / 大蔵省印刷局 , 1996.4 ( 新「ことば」シリ-ズ 4 ) /8158/3010/2
- 【資料4】 敬語の誤典 / 奥秋義信∥著 / 自由国民社 , 1994.4 ( J.K books ) /8158/3005/94
- 【資料5】 敬語の用法 / 辻村敏樹∥編 / 角川書店 , 1991.2 ( 角川小辞典 6 ) R/8158/3002/91
- 【資料6】 状況分類別敬語用法辞典 / 奥山益朗∥編 / 東京堂出版 , 1999.4 R/8158/3015/99
- 【資料7】 乱れているか?テレビの言葉 : 新日本語の現場 第2集 / 橋本五郎∥監修 / 中央公論新社 , 2004.4 ( 中公新書ラクレ 129 ) /810.4/5108/2004
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000012994