レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年11月09日
- 登録日時
- 2018/03/08 10:57
- 更新日時
- 2019/07/12 11:39
- 管理番号
- 京歴-374
- 質問
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解決
京都市右京区京北地域で、昔から納豆を食べていたことがわかる資料はないか。また、京北地域には、納豆が出てくる子守唄もあるそうだが、それについても知りたい。京北にある常照皇寺に、藁苞納豆が描かれた絵が残されているのは把握している。
- 回答
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資料①のpp.200-217に、中村治「雑煮と納豆餅」という章があり、そのうちpp.209-210に「納豆と京北」という節があった。そこでは、南北朝の政争の犠牲となって出家した光厳上皇(1313-1364)が、常照皇寺で修行していた際に、村人から藁に包んだ煮豆を献上されたこと、それを毎日少しずつ食べていたところ、残った煮豆が糸を引き始め、これを食べたのが納豆のはじまりであるという京北における納豆誕生の伝説が紹介されていた。
p.213には、「納豆餅」が登場する京北地域に伝わる子守唄も掲載されている。
なお、東北や関東地方でも、前九年の役と後三年の役における源義家に関わる納豆誕生伝説があることが紹介されている。
また、納豆が文献上登場するのは、『薩戒記』等の15世紀からで、特に「糸引き納豆」であることが確実にわかる記述は、『御湯殿上日記』の文明9年(1477年)にあるとされている。
- 回答プロセス
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当館で開催のセミナー「洛北のお正月―雑煮と納豆餅―」がこの質問に関連したテーマであり、このセミナーの関連本を記憶していたので、まず①を確認した。
また、OPACで「納豆」を検索しヒットした資料②のp.61のコラム「納豆は京生まれ?」と、京の記憶アーカイブ内の雑誌記事検索で「納豆」を検索しヒットした資料③pp.62-70「納豆餅と鯖街道」を確認したが、納豆の歴史については簡単な記述しかなかった。
そのほかに、Googleで「納豆△京北」を検索すると、京都新聞のウェブページ④もヒットした。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本 (291)
- 農産物製造.加工 (619)
- 参考資料
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① 京都学研究会 編 , 京都学研究会. 京都を学ぶ 洛北編. ナカニシヤ出版, 2016.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I027785823-00 , ISBN 9784779511165 (当館請求記号:K0||291.62||Ky6||) -
② 知恵の会 編 , 知恵の会. 京の歴史・文学を歩く. 勉誠出版, 2008.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009491365-00 , ISBN 9784585051602 (当館請求記号:K1||291.62||C42||) -
③ 湊友三郎. 研究ノート 納豆餅と鯖街道. 丹波. (15), 2013, pp.62-73.
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I024940880-00 (当館請求記号:||タンハ||K) -
④ "(232)納豆発祥の伝説(京都市右京区京北)".京都新聞.
https://www.kyoto-np.co.jp/info/sightseeing/mukasikatari/080311.html
(最終確認日:2019-7-12.)
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① 京都学研究会 編 , 京都学研究会. 京都を学ぶ 洛北編. ナカニシヤ出版, 2016.
- キーワード
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- 納豆
- 京北
- 納豆餅
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000232276