レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年10月20日
- 登録日時
- 2017/10/20 16:47
- 更新日時
- 2018/03/17 17:51
- 管理番号
- 吹-80-2017-007
- 質問
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解決
『源氏物語』の第41帖「幻」の本文中に出てくる「いかに多かる」の注釈にある歌「悲しさぞまさりにまさる人の身にいかに多かる涙なるらむ」の意味をくわしく知りたい。
- 回答
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『伊勢集全注釈』(秋山虔,小町谷照彦,倉田実/著 KADOKAWA 2016.11) p323 に記載。
「一七六 悲しさぞ増さりに増さる人の身にいかに多かる涙なりけり 口訳 式部卿宮が亡くなられて、その四十九日の喪が明けて、人々がそれぞれの家に散り散りになって退出する時に悲しさがいよいよ増さりに増さることだ。人の身にあるのは、何とまあ、たくさんの涙ではあったよ。」
- 回答プロセス
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『源氏物語 6 新潮日本古典集成』(石田穣二,清水好子/校注 新潮社 1982.5)を持参されていた。p147「見たまふに、いかに多かる、などまづおぼし出でらるるに、」部分の注釈に「12「悲しさぞまさりにまさる人の身にいかに多かる涙なるらむ[原文ママ]」(『古今六帖』四、かなしび、伊勢。『伊勢集』)」と出典はあるが訳はなかった。
他の源氏物語を確認したが注釈と全文、作者、出典、大意のみであった。
持参された本の注釈にあった「伊勢集」をキーワードに、当館の検索機で検索したところ、『伊勢集全注釈』が該当したので、この歌が載っているかを確認し、提供した。補説には「諸注、この歌が『源氏物語』「幻」巻の光源氏が亡き紫の上を忍ぶ場面に引歌となっていることを指摘する。」とある。
- 事前調査事項
- NDC
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- 詩歌 (911 8版)
- 参考資料
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秋山虔, 小町谷照彦, 倉田実 著 , 秋山, 虔, 1924-2015 , 小町谷, 照彦, 1936-2014 , 倉田, 実, 1950-. 伊勢集全注釈. KADOKAWA, 2016. (日本古典評釈・全注釈叢書)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I027731428-00 , ISBN 9784044001476
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秋山虔, 小町谷照彦, 倉田実 著 , 秋山, 虔, 1924-2015 , 小町谷, 照彦, 1936-2014 , 倉田, 実, 1950-. 伊勢集全注釈. KADOKAWA, 2016. (日本古典評釈・全注釈叢書)
- キーワード
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- 伊勢(いせ)
- 伊勢集(いせしゅう)
- 源氏物語(げんじものがたり)
- 紫式部(むらさきしきぶ)
- 幻(まぼろし)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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『新編日本古典文学全集 23 源氏物語4』(紫式部/著 阿部秋生/校注・訳 1996.11)は注釈、出典のみ。
『新日本古典文学 28 平安私家集』(佐竹昭弘/ほか編集委員 岩波書店 1994.12)は注釈、大意のみ。
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000223679