レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015/01/29
- 登録日時
- 2015/12/02 16:36
- 更新日時
- 2016/01/17 14:19
- 管理番号
- 埼久-2015-102
- 質問
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解決
NHK第二ラジオで写楽の「ヤッコエドベエ」について解説しているのを聴いた。
1 その作品が見たい。
2 写楽の人物像について書かれている資料が見たい。
- 回答
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写楽の人と作品に関する資料を調査、以下の資料が該当しこれを紹介した。
1、2の両方について記述がある資料
『写楽の全貌』(東洲斎写楽〔画〕 山口桂三郎編著 東京書籍 1994)
p33に「三世大谷鬼次の奴江戸兵衛」のカラー図版、p49に8行の解説あり。
p189-193に「謎の絵師東洲斎写楽」(山口桂三郎〔著〕)が掲載されている。
『写楽実像』(瀬木慎一著 美術公論社 1985)
口絵に「二代目大谷鬼次の奴江戸兵衛」の白黒図版が載っている。(「三代目」ではなく「二代目」)
「写楽の人間像」(p48-54)「写楽別人説」(p139-151)があり。
『写楽 その隠れた真相』(田中穣著 芸術新聞社 1995)
p9に「二代目大谷鬼次の奴江戸兵衛」の白黒図版(「三代目」ではなく「二代目」)、p7-8に解説あり。
歌麿説、斎藤十郎兵衛説、蔦屋重三郎説等について記載されているが、本著は歌麿説を採用している。
『写楽 カラーブックス』(内田千鶴子著 保育社 1999)
p27に「三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛」のカラー図版、p135に解説あり。
p172-184「写楽は誰か」で、さまざまな説を紹介している。p172「斎藤十郎兵衛が写楽である可能性が大」との記述あり。
1.作品について記述があった資料
『浮世絵大系 7 写楽』(座右宝刊行会編集制作 集英社 1975)
図版21「二代大谷鬼次の奴江戸兵衛」のカラー図版、p120に解説あり。
『浮世絵を読む 3 写楽』(浅野秀剛、吉田伸之編 朝日新聞社 1998)
図版11「三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛」のカラー図版が掲載されており、3行の解説もあり。
『東洲斎写楽 原寸大全作品』(浅野秀剛、諏訪春雄、山口桂三郎著 小学館 2002)
図版20に「三世大谷鬼次の奴江戸兵衛」のカラー図版、p267に解説あり。
2.写楽の人物像について記述があった資料
『写楽 江戸人としての実像 中公新書』(中野三敏著 中央公論新社 2007)
カバーの袖の部分に「本書はまず、江戸文化のなかで浮世絵が占める位置を再考した上で、残された数少ない手がかりを丁寧に考証し、写楽が阿波藩士斎藤十郎兵衛であることを解き明かす。」とあり、諸説を紹介しているが、「第6章 大団円」で、写楽=斎藤十郎兵衛の結論を出している。
『写楽 よみがえる素顔』(定村忠士著 読売新聞社 1995)
諸説を紹介しているが、写楽=斎藤十郎兵衛説を採用している。
p216「あとがき」の中に、「「写楽は斎藤十郎兵衛、能役者である」という結論にたどりつき、その場所にしっかりと立ってみると、本当の写楽研究は、これから始まるという気がする。」とあり。
『写楽 まぼろしの天才』(榎本雄斎著 新人物往来社 1969)
諸説について考察・批判し、写楽=蔦屋重三郎としている。p219「跋」の中では「これまでに提示の史的資料によって、「写楽は蔦屋重三郎なり」の論旨に固執するつもりはない。だがつよい信念だけはもっている。」とあり。
- 回答プロセス
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質問中のラジオ番組は、「カルチャーラジオ 芸術その魅力」の「「三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛」-「手」に関して」(2015/01/28放送)。
《NHKラジオ第2文化番組》(http://www.nhk.or.jp/r2bunka/ch03/1501.html 日本放送協会 2015/01/29最終確認)
自館目録を〈写楽〉で検索、該当資料を調査する。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本画 (721 9版)
- 参考資料
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- 『写楽の全貌』(東洲斎写楽〔画〕 山口桂三郎編著 東京書籍 1994) , ISBN 4-487-79075-1
- 『写楽実像』(瀬木慎一著 美術公論社 1985) , ISBN 4-89330-054-7
- 『写楽 その隠れた真相』(田中穣著 芸術新聞社 1995) , ISBN 4-87586-209-1
- 『写楽 カラーブックス』(内田千鶴子著 保育社 1999) , ISBN 4-586-50908-2
- キーワード
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- 浮世絵
- 東洲斎 写楽(トウシュウサイ シャラク)
- 三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000184946