レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016/09/12
- 登録日時
- 2016/09/13 00:30
- 更新日時
- 2016/09/13 00:30
- 管理番号
- 1000000876
- 質問
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解決
イラブー(うみへび)の薬効について知りたい
- 回答
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①『沖縄大百科事典 上 ア~ク』(沖縄大百科事典刊行事務局、沖縄タイムス社、1983)
p224 「イラブー料理」の項目で、「材料のエラブウミヘビ(イラブー)は久高島・宮古・八重山が主産地。海草を食して生育し、(中略)4~5時間ゆっくり煮ると濃厚なスープができる。このスープ(シンジムン)はイラブーシンジといわれ、強壮料理として珍重されている。」とある。
②『沖縄の民間療法と薬草』(前田光康、医聖社、1990)
p355-356 「12.エラブウミヘビ(エラブウナギ)」の項目で、「2.薬用部位……全体」、「4.薬効……不妊症・のぼせ・扁頭痛・肺結核・視力障害・腰痛・造血・虫くだし・強精」「5.メモ……(4)虫気の血下しを止め、諸悪瘡、リウマチの効果がある」とある。
③『海岸環境民俗論』(野本寛一、白水社、1995)
p474-475 第七章「海蝕洞窟 誕生と再生の籠り処」の中の「一エラブウナギの民俗誌(五)エラブナギの薬餌伝承と食法」において、「エラブウナギは、一般に体力・精力増強の効用を以て語られるが、以下に紹介する薬餌効果や食法も伝えられている。
(1)子供が「ムシチ」(幼児がむやみにゴミを拾って食べ、爪を噛み、鼻の下がただれるような症状を示す病気)になった時、「ナーチラ」という海藻とともにエラブウナギを煎じて飲ませる。
(2)産後にエラブウナギを煎じて飲ませると古い血が全部出て産婦の体に良い。
(3)家族が長旅から帰った時などに作る。
(4)エラブウナギの血は人間と同じだから貧血に効くと伝えられている。また、ナマ肉は神経痛に効くと言われる。
(6)神経痛の薬になると言われた。
(7)肺病・肋膜炎の薬として、血を飲んだ。肉も結核・肋膜・神経痛に効くと伝えられた。
(8)脳神経から失明に至る病気や、「カタガラ」と呼ばれるノボセにエラブウナギの血が効く。生きているエラブウナギを頭に巻きつけることで血液の循環がよくなり偏頭痛が治る。」とある。
④『てぃーあんだ 山本彩香の琉球料理』(山本彩香、沖縄タイムス社、1998)
p74 「イラブーの汁 最高級の滋養料理」の項目で、「イラブーの汁は、暑い夏を乗り切る『うじにーむん』(滋養もの)であり、『くすいむん』(薬)だったのです。」とある。
⑤『沖縄食の大百科 健康をつくる 第4巻』(外間ゆき、沖縄出版、1991)
p76 「えらぶうみへび〔イラブー〕」の項目で、「煮込んだ汁が滋養強壮、疲労回復に効果があるとされています。」とある。
⑥『沖縄の食文化』(外間守善、沖縄製粉、2010)
p62-63 「エラブウミヘビ(イラブー)」の項目で、「滋養になるというのでイラブー汁はイラブーシンジ(煎じ汁)と呼ぶことが多い。」とある。
- 回答プロセス
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当館レファレンスDBの類似事例をもとに、参考文献の調査と
- 事前調査事項
- NDC
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- 薬学 (499 8版)
- 参考資料
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- 1 沖縄大百科事典 上 ア?ク 沖縄大百科事典刊行事務局∥編 沖縄タイムス社 1983.5 K03/O52/1
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2 沖縄の民間療法と薬草 前田 光康∥著 医聖社 1990.9 K499/MA26 -
3 海岸環境民俗論 野本 寛一∥著 白水社 1995.6 K38/N94 -
4 てぃーあんだ 山本彩香の琉球料理 山本 彩香∥著 沖縄タイムス社 1998.11 K59/Y31 -
5 沖縄食の大百科 健康をつくる 第4巻 外間 ゆき∥編著 沖縄出版 1991.4 K59/O52/4 -
6 沖縄の食文化 外間 守善∥著 沖縄製粉 2010.3 K383/H82
- キーワード
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- ウミヘビ 薬 効用 沖縄 民間療法 料理
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000196827