レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017/06/04
- 登録日時
- 2017/12/29 00:30
- 更新日時
- 2018/01/19 12:37
- 管理番号
- 北方 17-0036
- 質問
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解決
エゾウコギとアイヌ民族との関係について
学名はELeutherococcus senticosus Maxim
中国語では「刺五加」
アイヌ語では「ニたッソコニ」
美幌では「悪疫流行の際にこの木で杖をつくって持ち歩いた」との伝承があるそうだ。
『あいぬ医事談』などを見てみたが、エゾウコギとアイヌ民族との関係を示す資料が見つからなかった。
①アイヌ民族がエゾウコギをどのように使っていたか。
②アイヌ民族とエゾウコギの関係を示す伝承や資料などはあるか。
- 回答
-
①アイヌ民族のエゾウコギ利用を記録する資料について
以下の文献に記述あり
『知里真志保著作集 別巻1 分類アイヌ語辞典 植物編・動物編』(回答資料1)
(知里真志保∥著 平凡社 1976)
p70「(参考)悪疫流行の際この木で杖を作って持って歩く(美幌)」
②アイヌ民族とエゾウコギの関係を示す伝承や資料について
上記の資料以外、アイヌと「エゾウコギ」の関係が記述されているものは見つからず。
なお、近縁種の「ミヤマウコギ」について記述あり
『コタン生物記Ⅰ 樹木・雑草編』(回答資料2)
(更科源蔵・更科光∥著 法政大学出版局 1976)
p97~98「身体のふくれる病気というから壊血病かと思われるが、そのときにこの実を食べるとよいといわれ、また下剤にしたという。知里辞典によればエネンケニ(エン・エン・ケ・ニで、とげとげした木)という地方もあり、十勝足寄では阿寒のエゾウコギと同じセタ・シケレペ(イヌのカラフトキハダの実)という名で呼び、果実を煎じて淋病の薬にした」
「北海道博物館」ホームページより、アイヌ関係のレファレンスに対応している。
アイヌ民族文化研究センター>旧北海道立アイヌ民族文化研究センター
http://www.hm.pref.hokkaido.lg.jp/about/ainu-center/(最終確認日:2017.6.4)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 民族学.文化人類学 (389 7版)
- 参考資料
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- 1 知里真志保著作集 別巻 1 分類アイヌ語辞典 平凡社 1976 ア.08/C/ベツ1-イ
- 2 コタン生物記 1 樹木・雑草篇 更科 源蔵∥著 更科 光∥著 法政大学出版局 1977 ア.4/SA/1
- 3 アイヌと植物 樹木編 アイヌ民族博物館∥編 アイヌ民族博物館 1993.3 ア.4/A
- 4 アイヌ植物誌 福岡 イト子∥著 草風館 1995.7 ア.4/A
- 5 アイヌの薬草 津田 晴美∥著 [北海道出版企画センター] 1988.6 ア.49/A
- 6 アイヌと植物 薬用編 アイヌ民族博物館∥編 アイヌ民族博物館 2004.2 ア.4/A
- 7 アイヌ民族の有用植物 全道版 北海道立衛生研究所薬理毒性部[ほか]編 北海道立衛生研究所 1996.3 ア.4/A
- キーワード
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- アイヌ
- エゾウコギ
- ミヤマウコギ
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事項調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 団体
- 登録番号
- 1000227864