レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017/06/09
- 登録日時
- 2017/06/24 00:30
- 更新日時
- 2017/06/24 00:30
- 管理番号
- 6001024797
- 質問
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解決
以前、大学の法学部の教員を何年か経験すれば、司法試験を受けなくても、弁護士の資格を取ることができると聞いたが、それは何年か。また教授だけでなく、准教授等でもよいのか。
- 回答
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法務省のwebサイトで確認できるが、所蔵する図書からも該当部分を案内する。
【webサイト】
Googleで「司法試験」「法学部」「教員」をキーワードとして検索してみると、「法務省:弁護士資格認定制度」(平成29年4月3日)というwebサイトが見つかる。
http://www.moj.go.jp/housei/gaiben/housei07_00004.html
(平成29年6月7日確認)
この法務省のサイトによると、
「弁護士となる資格(弁護士資格)は,原則として,司法試験に合格し,司法修習を終了した者に付与されますが(弁護士法(昭和24年法律第205号。以下「法」といいます。)4条),その特例として,法務大臣の認定を受けた者に弁護士資格が付与される制度が『弁護士資格認定制度』です(法5条)。」
とあるが、法学部(法律学)の教員については、
「司法修習生となる資格を得た(=司法試験に合格した(以下『司法試験合格』といいます。))後に,法5条1号に規定する職(簡易裁判所判事,衆議院議員又は参議院議員,内閣法制局参事官,大学の法律学の教授・准教授等)のいずれかに在った期間が通算して5年以上になること(法5条1号)」
とあり、司法試験に合格していることが前提であるように記載されている。(司法試験に合格し、法務大臣に認定を申請し、日本弁護士連合会の行う法務大臣が指定する研修を受講すれば、司法修習は免除されると読み取られる図が掲載されている。)
しかし、補足として次のようにも記載されている。
「弁護士法一部改正法附則3条2項により,平成20年3月31日までの間に,学校教育法又は旧大学令による大学で法律学を研究する大学院の置かれているものの学部,専攻科若しくは大学院の法律学の教授又は准教授の職に在った期間が通算して5年以上になる者は,司法修習生となる資格を得たか否かにかかわらず,研修の受講と法務大臣の認定を要件として,弁護士となる資格が与えられます。ただし,平成16年3月31日以前に既に在職期間が5年に達している者は,改正前の法律により弁護士となる資格が付与されますので,研修の受講と法務大臣の認定は要件とされず,直ちに弁護士となる資格が付与されます。」
よって、ここから、平成16年3月31日以前に既に在職期間が5年に達している者は司法試験、司法修習、研修の受講と法務大臣の認定とも免除され、それ以降、平成20年3月31日までの間に在職期間が5年以上になる者は、研修の受講と法務大臣の認定を要件として、司法試験と司法修習が免除されると読み取ることができる。
【図書】
<1>
『弁護士白書 2016年版』 日本弁護士連合会‖編著 (日本弁護士連合会 2016.11)
p.151「弁護士となる資格付与のための指定研修(弁護士法第5条の規定による研修)」にも、上記の法務省のwebサイトと類似のことが記載されている。
「弁護士の資格の特例に関する経過措置」についても記載がある。
<2>
『弁護士業界大研究』 伊藤/歩∥著 (産学社 2009.10)
p.24-25 1章-7「ヤメ検、ヤメ判、無試験弁護士とは : 長年問題視されてきた無試験弁護士は、2003年の改正でついに新規登録不可に」に、「大学や大学院の法学部の教授・助教授を5年以上務めた人にも、司法修習なしでの弁護士登録を認めていた。(中略)2003年の弁護士法改正で、法学部の教授・准教授にも司法試験に合格していることが条件に加えられた」とある。
<3>
『条解弁護士法 第4版』 日本弁護士連合会調査室∥編著 (弘文堂 2007.5)
(大阪府立中央図書館所蔵)
p.31-89「第2章 弁護士の資格」
p.37-77「第5条 法務大臣の認定を受けた者についての弁護士の資格の特例」
p.45-59「【4】 司法修習生となる資格を得た後、5年以上簡易裁判所判事等の職にあった者(本条1号)」
p.48-59「10 法律学の教授又は准教授」に詳細な解説がある。
p.49-50に「但し」として [弁護士の資格の特例に関する経過措置] についての記載もある。
[事例作成日:平成29年6月9日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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- 弁護士白書 2016年版 日本弁護士連合会‖編著 日本弁護士連合会 2016.11 (p.151)
- 弁護士業界大研究 伊藤/歩∥著 産学社 2009.10 (p.24)
- 条解弁護士法 第4版 日本弁護士連合会調査室∥編著 弘文堂 2007.5 (p.37-77)
- http://www.moj.go.jp/housei/gaiben/housei07_00004.html (「法務省:弁護士資格認定制度」(平成29年4月3日) (平成29年6月7日確認))
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 法律
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000217836