レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013/12/22
- 登録日時
- 2014/01/08 00:30
- 更新日時
- 2014/01/30 13:10
- 管理番号
- 6000014101
- 質問
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解決
1981年にイギリスで出版された「The Penguin book of Zen poetry」という洋書に「Niten」という人物の、烏が松の木に止まっている水墨画の図版(Formerly Viscount Matsudaira Collectionとあり)が載っている。この作者はどのような人物かがわかる本はあるか。またこの図版は部分との記載があるので、全体の図版が見られるとなおよい。
- 回答
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宮本二天(剣豪宮本武蔵)の「枯木烏図」が該当。宮本武蔵の絵画については『芸術家 宮本武蔵』などに記載があり。「枯木烏図」の図版は『宮本武蔵遺墨集』(豊中市未所蔵、国会図書館デジタル化資料などあり)で見ることができる。
- 回答プロセス
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721(日本美術)、281(列伝-日本)の書架を探す。
『古書家画家雅号索引』(日本地域社会研究所)で「ニ」を調べる。「にてん」と読む可能性が高いと思われるのはp250の「二天」のみで、代表雅号は武蔵、姓は宮本とあり。
『名前から引く人名辞典』(日外アソシエーツ)でも、「にてん」はp765の「宮本二天」のみ。1584~1645、江戸初期の剣豪とあり。
『号・別名辞典 古代~近世』(日外アソシエーツ)の「に」を調べると、p431に「二天」について、宮本武蔵、1584~1645、徳川初期の剣道達人で二天流祖とあり。
次いで宮本武蔵の絵画についての本を探す。
『日本絵画史図典』(福武書店)p289「宮本二天と松花堂昭乗」に、宮本二天すなわち剣豪宮本武蔵は著名な武人でありながら優れた画家でもあったとの記載があり。宮本武蔵の画として重要文化財の「鵜図」「枯木鳴鵙図」の図版があり。
『新版 宮本武蔵のすべて』(新人物往来社)p77-96「宮本武蔵の書画」には、禅宗絵画と武蔵との関わりなどの記載があり、「布袋図」「蘆雁図」の白黒の図版があり。
『剣豪 宮本武蔵とその周辺 -書画を中心として-』(日本書芸院)には「枯木鳴鵙図」「葡萄栗鼠図」「鷺図」「午眠布袋図」「寒山拾得図」「梅之図」「布袋図」があり。
『芸術家 宮本武蔵』(人文書院)には武蔵が描いた鳥の絵画についての章もあり、おおむね白黒の小さい図版だが「野馬図」「面壁達磨図」「紅梅に鳩図」「蓮池翡翠図」「柳枝鳴鵯図」「鍾馗図」「枯木鳴鵙図」「芦雁図屏風」「芦雁図」「鵜図」「柏に木菟図」「竹雀図」「芦葉達磨図より浮鴨図」「鷲図」「芦葉達磨図」「正面達磨図」「布袋見闘鶏図」「捫腹布袋図」「布袋図」「午眠布袋図」「騎牛布袋図」「葡萄栗鼠図」「牧童吹笛図」「天神図」「周茂叔図」「月之図」「雲竜図」があり。
しかしいずれも利用者の求めるものではない。
『日本美術作品レファレンス事典』絵画編近世以前、第Ⅱ期絵画編(日外アソシエーツ)で宮本武蔵の絵を調べるが、やはり烏の登場すると思われる絵は発見できず。
国会図書館サーチで「宮本武蔵」を検索すると、デジタル化資料の「宮本武蔵遺墨集」http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/967552 がヒット。目次に「枯木烏図 子爵松平保男君蔵」とあり、第31コマを確認したところ、利用者の求めている絵であると判明。
『宮本武蔵遺墨集』(民友社)は大阪府立中之島図書館に所蔵があり、豊中市内の図書館に取り寄せて館内で閲覧可能。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本画 (721 9版)
- 参考資料
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- 『古書家画家雅号索引』小笠原 長則/編(日本地域社会研究所)
- 『名前から引く人名辞典』日外アソシエーツ株式会社/編集(日外アソシエーツ)
- 『号・別名辞典』日外アソシエーツ株式会社/編集(日外アソシエーツ)
- 『日本絵画史図典』(福武書店)
- 『宮本武蔵のすべて』岡田 一男/編(新人物往来社)
- 『芸術家宮本武蔵』宮元 健次/著(人文書院)
- キーワード
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- 宮本二天(ミヤモトニテン)
- 宮本武蔵(ミヤモトムサシ)
- 日本画
- 桃山時代(モモヤマジダイ)
- 美術
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000143061