レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017/08/16
- 登録日時
- 2017/09/13 00:30
- 更新日時
- 2021/01/10 12:52
- 管理番号
- 6000035641
- 質問
-
未解決
次の2つの漢詩について、読み下し方と意味を知りたい。
1. 陸游
蘭亭酒美逢人醉,花塢茶新滿市香
2. 惲格「遠眺」
暮雲千里乱呉峰
落葉微聞遠寺鐘
目尽長江秋草外
美人何処採芙蓉
- 回答
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1.読み下し方と意味が掲載されている図書は見つけられなかった。
なお、検索エンジンでこの漢詩の題名「蘭亭道上」を検索すると、個人のブログで、英訳をみることができた。
後日、唐宋詩詞作者及作品分佈地理資訊系統 http://cls.lib.ntu.edu.tw/TSPL/TS_Index.aspx (2021.1.7確認)に当該漢詩の掲載があること、下記論文に書き下し文の掲載があることをご教示いただいた。
「白居易の茶と陸游の茶 : 茶詩の対偶表現をてがかりとして」
高橋 忠彦
東京学芸大学紀要. Ⅰ = 人文社会科学系. 66, 98-80, 2015-01
https://ci.nii.ac.jp/naid/110009877701
http://hdl.handle.net/2309/137657
https://core.ac.uk/download/pdf/33467956.pdf
p.87
2.詩は『欽定国朝詩別裁集』に掲載されていることを確認した。(早稲田大学古典籍総合データベースで閲覧可能)。読み下し文と意味は『墨場必携 清詩選』で確認できる。
- 回答プロセス
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どちらも『漢詩大鑑』にはなし。
1.陸游の詩について、市内所蔵の陸游の詩集を探したが見つけられず。
検索エンジンで「陸游 蘭亭酒美逢人酔」と検索すると、中国語のサイトがヒットする。ここで、この詩が「蘭亭道上 四首 其三」という七言絶句の後半部分だということが分かった。
国立国会図書館デジタルコレクションで「蘭亭道上」を検索すると「陸放翁詩集6」がヒット。しかし、違う箇所が掲載である。
大阪府立図書館所蔵の『評伝陸放翁』、『陸放翁鑑賞 上巻』、『陸放翁詩解 上・中・下』を借用して内容を確認するが、なし。
『陸放翁詩解 下』のpp.1127-1128に「蘭亭道上」が掲載されているが題解として、「蘭亭にあそびにでかけた途中の作。原作四首、(一)は原作の第一、(二)は原作の第四。」とあり、全四首のうち二首しか取り上げられていない。
国立国会図書館にレファレンスを依頼したが読み下し文と意味が掲載されている図書は見つけることができなかった。
2.市内所蔵の図書を調査するとともに検索エンジンで「惲格 遠眺」と検索すると、
Yahoo!知恵袋でのQ&Aがヒットした(2017.8.16確認)。
この回答によると、出典は『清詩別載集』となっている。
しかしこのタイトルに当てはまるものがなく国立国会図書館サーチで「清詩別」まで入力して検索したところ『清詩別裁集』であることが判明した。
近畿大学中央図書館のレファ協事例として「『清詩別裁集』と『国朝詩別裁集』について知りたい。」があがっており、早稲田大学古典籍総合データベースで『欽定国朝詩別裁集』第十四巻の22ページ目に「遠眺」の掲載を確認した。
また、当館所蔵の『墨場必携 清詩選』(二玄社)を確認したところ、p91に惲寿平「遠眺」の書き下し文と意味の掲載があり。なお、『中国書道辞典』(木耳社)p33「うんじゅへい」に、名は格・字は寿平との記載がある。またコトバンク https://kotobank.jp/word/%E6%83%B2%E6%A0%BC-442522 ((2021.1.10確認)にも惲格についての解説があり。
- 事前調査事項
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『墨場必携』(清雅堂)に載っているが、読み下し文と意味が載っていないとのこと。
- NDC
- 参考資料
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- 『墨場必携 清詩選』 林田 芳園/編 二玄社 (91)
- 『中国書道辞典』 中西 慶爾/編 木耳社
- キーワード
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- 漢詩(カンシ)
- 陸游(リクユウ)
- 惲格(キカク)
- 陸放翁(リクホウオウ)
- 蘭亭道上(ランテイドウジョウ)
- 墨場必携(ボクジョウ ヒッケイ)
- 漢文(カンブン)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000221835