レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016年04月13日
- 登録日時
- 2016/04/29 14:05
- 更新日時
- 2016/05/12 14:03
- 提供館
- 岐阜県図書館 (2110001)
- 管理番号
- 岐県図-2269
- 質問
-
解決
小原鉄心が明治2年以前に詠んだ詩に、「明月蘆花秋一般」という語を含む詩はあるか。
- 回答
-
『亦奇録 中』(小原鉄心著・刊 1867年発行)に、「附録」として「読萬國公法三首」との題があり、一首目に下記の詩が記載されている。
---(引用始め)--------------------------
五洲治道有何異 明月芦花秋一般 美國書生優弄舌 無為天法落人間
---(引用終わり)------------------------
上記の詩は以下の資料でも確認ができる。
・『鉄心遺稿』(小原鉄心著 岡安慶介刊 1873年発行)
… 「鉄心遺稿巻之八」に上記と同様の詩が掲載されています。
・『紀行日本漢詩4』(富士川 英郎、佐野 正巳編 汲古書院刊 1993年発行)
… p.102『亦奇録 中』の複製が掲載されている。
なお、この詩がいつ詠まれたものか、明確に記載している資料は見つけられなかった。
参考までに以下の情報を紹介。
・『小原鉄心傳 口語体解説書』(中村 規一著 三輪 広吉解読 小原鉄心顕彰会刊 1997年発行)
… p.82「鉄心の著述」に「「亦奇録」は慶応二年春三月から六月の間に鉄心ほか三者が江戸に務め、「本書はこの期間に輪記された日録である」」との記載がある。
・『木戸孝允文書 三(日本史籍協会叢書 79)』(日本史籍協会編 東京大学出版会刊 1971年発行)
… p.398「97 伊藤博文宛書翰 明治二年七月二十三日」 伊藤博文宛の手紙で、小原鉄心について説明しており、「此翁之句に明月蘆花秋一般と申七字有」との記載がある。
国立国会図書館デジタルコレクションで公開。http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1075397 217コマ目 2016年4月確認
・『明治大学教養論集 通巻464号』(2011年発行)
… 「菱田海鴎と大垣詩壇(四)」(徳田武著)44p 「万国公法を読む三首」がいつ詠まれたかについて考察されており、「実際に作ったのはこの慶応二年四月十二日から程遠からぬ日であったろう」との記載がある。当館では所蔵していないが、「明治大学学術成果リポジトリ」でPDFファイルが公開されている。
明治大学学術成果リポジトリ「菱田海鴎と大垣詩壇(四)」 http://hdl.handle.net/10291/14843 2016年4月確認
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 漢詩文.日本漢文学 (919 9版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 小原鉄心 … 文化14年11月3日生まれ。美濃大垣藩士。斎藤拙堂にまなぶ。天保13年城代となり,以後3代の藩主につかえる。戊辰戦争では,一時幕府軍にしたがった藩を新政府に帰順させた。明治5年4月15日死去。56歳。名は忠寛。字は栗卿。通称は二兵衛。別号に是水,酔逸。著作に「改革十則」「錬卒訓語」など。(『談社日本人名大辞典』より)
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000191754