レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014年12月27日
- 登録日時
- 2015/04/13 12:38
- 更新日時
- 2016/02/25 13:43
- 管理番号
- 吹-50-2015-001
- 質問
-
解決
豊臣秀吉の京都改造によって、寺町通りに京都の寺が集められたとのことだが、当時の様子がわかる地図がほしい。(地図の寺町通りに寺名が並んでいるようなもの。)
- 回答
-
分類216.2(京都市-歴史)、210(日本-歴史)、291.62(京都市-紀行・案内記)を中心に、秀吉の政策について書かれた本や都市計画についての本の内容を確認し、下記参考資料(1)~(5)をご紹介しました。
(1) 『京都時代MAP 安土桃山編』(新創社/編 光村推古書院 2006.6) p.6,17,24,30(地図),p.74-75
(2) 『京都・観光文化時代MAP』(新創社/編 光村推古書院 2006.11) p.36,42(地図)
(3) 『平安京-京都 都市図と都市構造』(金田 章裕/編 京都大学学術出版会 2007.2) p.11-12、口絵p.2-7
(4) 『京の歴史と文化 4 絢』(村井 康彦/編 講談社 1994.6) p.163-200
(5) 『日本の古地図 4 京都』(矢守 一彦/編著,大塚 隆/編著 講談社 1976.11) p.2,3
(1) が質問者の希望された資料に最も近いと思われる。
p.74-75には京都改造について記述があり、「寺町の配置図」もあり。
(2) の地図は、(1)の縮尺違い。
(3) は、p.11-13に近世初期京都図の作製と刊行について記載。
1)「都記」(旧称「寛永平安町古図」)
寛永元年(1624年)から同三年頃の刊行とみられているわが国最古の現存刊行都市地図。口絵2
2)「平安城東西南北町並之図」(慶安5年(1652年)刊行)
3)「洛中絵図」(寛永20年(1643年)頃刊行)口絵3
4)「京大絵図」(貞享3年(1686年)初印本刊行)口絵4
などについて記載あり。1)3)4)については口絵ありだが、寺名まで鮮明には見えない。
(4) は、地図はモノクロで部分的(p.187)。p.163-200に「[検証]秀吉の京都改造」記載あり。
p.186に「たしかに、洛中市街の東端である寺町通には、北は鞍馬口から南は七条まで、市中から移転させられた寺院が軒を並べた。秀吉による寺町造成当時の状況を伝える史料はないが、江戸時代の絵図や地誌類から造成当時に近い寺町の姿を知ることができる。絵図では、宮内庁書陵部蔵の寛永十四年(1637)「洛中絵図」や京都大学蔵「寛永後万治前京都全図」などが、正確でもあり十七世紀前半の状態が判明して参考となる。」との記載。
→「洛中絵図」は国立国会図書館デジタルコレクション、京大電子図書館でも見られる。
拡大して寺名まで確認可能。(参考資料(6)(7)参照)(2014.12.24最終確認)
(5) は当館に所蔵なし。p.2に「寛永平安町古図」(寛永18年(1641年)より以前の刊行とみられる。(4)口絵2「都記」と同図)、p.3に「平安城東西南北北町並之図」(慶安5年(1652年)刊行)の掲載あり。ただし寺名まで鮮明には見えない。
(職員個人本にて掲載を確認しました。質問者は他自治体からの取り寄せは不要とのことで、提供せず。)
- 回答プロセス
-
以下の資料には掲載がありませんでした。
『日本史年表・地図 第18版』(児玉 幸多/編 吉川弘文館 2012.4)
『大迫力!写真と絵でわかる日本史』(橋場 日月/著 西東社 2013.10)
『〈時代順〉京都歩き』(森谷 尅久/監修 PHP研究所 2012.11)
『日本史(新版世界各国史)』(宮地 正人/編 山川出版社 2008.1)
『日本の歴史 8』(小学館 2008.7)
『京都今昔歩く地図帖』(井口 悦男/著 学研パブリッシング 2011.10)
『物語京都の歴史』(脇田 修/著 中央公論新社 2008.1)
『京都歴史地図』(両洋歴史研究会/著 メイツ出版 2012.9)
『京都史跡事典』(石田 孝喜/著 新人物往来社 2001.10)
『わたしたちの京都』(京都歴史教育者協議会/編 地歴社 1981.9)
『京都府の歴史散歩 中』(京都府歴史遺産研究会/編 山川出版社 2011.8)
『通りをひもとくと京都がわかる』(枻出版社 2010.5)
『時代別・京都 2』(蔵田 敏明/著 山と渓谷社 2005.4)
以下の資料には、関連事項の記載はありましたが、質問者の求めておられる地図は掲載されていませんでした。
『地図・年表・図解でみる日本の歴史 上』(武光 誠/監修 小学館 2012.2)
p.132に聚楽第を造営し京の町を整備したことは記載され、地図もあるが寺の記載なし。
『京都府の歴史 第2版』(朝尾 直弘/著 山川出版社 2010.10)
p.177-180に京都改造の話、「平安城東西南北町並の図」(寛永年間に刊行)もあるが、
図が小さすぎて字は読めない(寺名まで見えない)。
『京都歴史アトラス』(足利 健亮/編 中央公論社 1994.9)
p.68に寺町について触れているが、寺の図はなし。
『時代別・京都を歩く 改訂第3版』(蔵田 敏明/〔著〕 山と渓谷社 2003.2)
p.100-101に京都大改造について記載あるが、地図はなし。
『近世京都の都市と社会』(杉森 哲也/著 東京大学出版会 2008.8)
p.24-41に京都大改造について記載あるが、寺の図はなし。
『京都の歴史がわかる事典』(五島 邦治/編著 日本実業出版社 2005.5)
p.178-179に寺町造成について記載があるが、求めておられるような地図はなし。
『京都古地図散歩(別冊太陽 日本のこころ86)』(平凡社 1994.7)
「京都明細大絵図」(正徳4(1714)年~享保6(1721)年頃の状況を表すもの)が
掲載されている(p.44,56)が、 江戸時代の古地図なので秀吉時代とは変化。
『京都学を楽しむ』(知恵の会/編 勉誠出版 2010.7)
p.135~「通り」の項あり、寺町通のところに京都大改造のことが出てくるが地図なし。
- 事前調査事項
-
下記資料に京都改造については記述あり、地図もありますが小さくてお寺まで具体的に書き込まれてはいません。(質問者はこの本を持って「寺の名前までわかる地図がほしい」とお尋ねでした。)
『地図と写真から見える!京の都歴史を愉しむ!』(川端 洋之/著 西東社 2012) p.110-111
- NDC
-
- 近畿地方 (216 8版)
- 参考資料
-
-
(1) 新創社 編 , 新創社. 京都時代map 安土桃山編. 光村推古書院, 2006. (Time trip map)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000008225432-00 , ISBN 4838103697 -
(2) 新創社 編 , 新創社. 京都・観光文化時代map. 光村推古書院, 2006. (Time trip map)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000008571447-00 , ISBN 4838103778 -
(3) 金田章裕 編 , 金田, 章裕, 1946-. 平安京-京都 : 都市図と都市構造. 京都大学学術出版会, 2007.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000008477944-00 , ISBN 9784876986965 -
(4) 村井康彦 編 , 村井, 康彦, 1930-. 京の歴史と文化 4(戦国・安土桃山時代). 講談社, 1994.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002340579-00 , ISBN 4062519542 -
(5) 矢守 一彦/編 , 大塚 隆/編 , 矢守‖一彦 , 大塚‖隆. 日本の古地図 4 : 京都. 講談社, 1976.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I024550613-00 -
(6) 国立国会図書館デジタルコレクション「洛中絵図・洛外絵図[2]」.
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2589694 (2014.12.24最終確認) -
(7) 京都大学附属図書館所蔵 古地図コレクション「洛中絵図」.
http://edb.kulib.kyoto-u.ac.jp/exhibit/maps/map070/lime/map070.html (2014.12.24最終確認)
-
(1) 新創社 編 , 新創社. 京都時代map 安土桃山編. 光村推古書院, 2006. (Time trip map)
- キーワード
-
- 寺町通(てらまちどおり)
- 豊臣秀吉(とよとみ ひでよし)
- 京都改造
- 京都大改造
- 京都府
- 京都市
- 照会先
- 寄与者
- 備考
-
参考資料(1)(2)の地図は
「京都市街については基本図として花園大学文学部教授山田邦和氏制作の「戦国期京都市街地復元図」を使用し、御土居堀と寺町、長方形街図については佛教大学非常勤講師中村武生氏の研究成果を使用」
「作成した安土桃山時代地図は資料に基づく推定であることをご了承下さい」
との注記あり。
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000170791