レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016年09月22日
- 登録日時
- 2016/11/25 17:53
- 更新日時
- 2016/12/15 19:59
- 管理番号
- tr439
- 質問
-
解決
栃木県(下野)の江戸時代の時計師や時間の管理、時計に関する情報が知りたい。
- 回答
-
江戸時代の時間に関する情報について、当館の地域資料を中心にお調べしたところ、黒羽藩に「鐘撞」という職があったことを確認しました。
また、時計に関する記述がある資料を確認しました。
1 鐘撞
黒羽藩に「鐘撞」という職があったことが分かりましたが、「鐘撞」についての詳細な記述は確認できませんでした。
・『藩史大事典 第2巻(関東編)』(木村礎/〔ほか〕編 雄山閣出版 1989)
下野国(栃木県)の藩について「藩の職制」の項(p.138-139)のみ確認したところ、「黒羽藩」に「鐘撞」の記載がありました。
「鐘撞」は「中老」の下に記載されています。(「中老」の下には「代官」「馬使」「牢守」等、「鐘撞」以外にも多数記載があります。)
この情報の出典は『創垂可継』諸職条約上・中・下巻です。
・『黒羽藩政史料 創垂可継』(黒羽町教育委員会/著 柏書房 1968)
『創垂可継』の一部を翻刻した資料です。
「諸職条約」の「中老勤め方」の項(p.455-458)に「鐘撞」の記載があります(p.458)。
「鐘撞」に関する詳細な記述は確認できませんでした。
・『栃木県史 史料編 10.近世(4)』(栃木県史編さん委員会/編 栃木県 1975)
黒羽藩部分のみ確認しましたが、鐘撞や時計・時間に関する情報は確認できませんでした。
確認した項は「寛永十九年 家中分限帳」(p32-39)、「万治三年 家中分限帳」(p39-44)です。
なお、黒羽藩に関する以下の資料について目次を中心にお調べしましたが、お尋ねの情報は確認できませんでした。
・『黒羽町誌』(黒羽町誌編さん委員会/編 黒羽町 1982)
・『大田原市史』(大田原市史編さん委員会/編 大田原市 1975) 前編、後編
・『新黒羽町史 文(松尾芭蕉)武(那須余一)両道にかがやく』(平野直義/編、発行 1975)
2 時計 ・時間
・『栃木縣史 第14巻(文化編)』(田代善吉/著 臨川書店 1972)
p.191-198「第17章 時計」に、明治時代までの時計に関する記述があり、江戸時代における記述も以下のとおり確認できます。(p.195-196の一部引用)
「本縣などに時計の傳はつたのは徳川末期」
「文久年代には樓時計の本縣に傳へられた」
「黒羽藩の如きは他藩に先んじて西洋の文明を採用したれば、時計なども早くより使用したことであらう」
「樓時計は徳川中世より佐久山福原公の家臣所持せるは本縣最初に時計を購入したる者であらう」
・『栃木県史 史料編 近現代1』(栃木県史編さん委員会/編 栃木県 1976)
p.799-800「暦・報時鐘・干支ノ改正及廃止」の項に、史料が掲載されています。
(明治6年からの太陽暦の採用に関わる内容です。)
「報時鐘改正ノ儀」には「時刻之儀是迄昼夜長短ニ隨ヒ十二時ニ相分チ候処、(略)」とあります。
この史料や当時の社会に関する解説が「解説」のp.44にあります。
江戸時代の時計師等の情報は確認できませんでした。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 関東地方 (213)
- 参考資料
- キーワード
-
- 栃木県
- 下野国
- 時計
- 時間
- 江戸時代
- 近世
- 黒羽藩
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000200418