レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010
- 登録日時
- 2013/05/10 11:40
- 更新日時
- 2016/11/29 14:47
- 管理番号
- 市民2010-事04
- 質問
-
解決
「大清国人奥州ニ漂着 松平政千代殿領分陸奥国仙台本吉郡十三濱」という文章を古文書で読んだ。
清国人が漂着したということだと思うが、これは何年の事件なのか?
- 回答
-
寛政8年(1976年)6月7日。
仙台領本吉郡大室浜(現石巻市北上町)へ広東漁船が漂着し、14人が助けられた。
翌日、医師と筆問筆答し、広東省広州の出身だとわかる。
村の旅館に泊めて、蚊帳や布団、てぬぐいなどを与え、藩の役人が面倒を見た。
同年10月28日に海路で長崎に護送し、長崎から帰国した。
伊達家の家紋である九曜の星印の旗を立てて石巻河口を出発したときには見物客が集まり、前代未聞の騒ぎだったという。
漂客たちは夏以来の大恩に深く感謝して、礼状を一通役人に送った。
『北上町史 通史編』p.464、『異国漂流奇譚集』p.345
『北上町史 通史編』によると、広東船の漂着の顛末を記した史料が二つあり、日付について「広東漂船襍記」では7日、「広東船漂着船問答日記」では4日になっている。
ただし、大室浜の山神社にのこされた船材の銘文には6月7日とあり、「広東漂船襍記」の日付と一致している。
- 回答プロセス
-
大体の年代を知るために松平政千代について『仙台人名大辞書』の異名別号索引を調べると、政千代が九代仙台藩主伊達周宗の幼名とわかり、p.675で伊達周宗の項をみると、生没年が寛政8年(1796)~文政9年(1826)だとわかった。
この辺りの時代に絞って探すことにする。
十三浜は現在の石巻市北上町なので、『北上町史 通史編』を探すと記載があった。
さらに、「漂着」、「広東船」をキーワードに検索すると、『異国漂流奇譚集』が見つかった。
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
-
- 『北上町史』通史編(北上町史編さん委員会/編 北上町 2005年)
- 『異国漂流奇譚集』(石井研堂/編 新人物往来社 1971年)
- 『仙台人名大辞書』(菊田定郷/著 仙台郷土研究会 2000年)
- キーワード
-
- 松平政千代
- 十三浜
- 広東船
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査 所蔵調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000131138