レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年02月27日
- 登録日時
- 2018/02/27 13:02
- 更新日時
- 2019/02/06 12:32
- 管理番号
- 20406
- 質問
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浦島太郎や香川県三豊市(旧詫間町)に関係のありそうな「へたて行 八重のしほちの 浦嶋や 箱のみさきの な社しるけれ」という歌はどういう意味か
- 回答
-
「波が幾重にも続く海上を遠ざかってゆく
海岸近くの島々の景は
まさしく玉手箱ならぬ箱のみさきの名が
ぴったりであるよ」
- 回答プロセス
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1 「鹿苑院殿厳島詣記」が収録されている資料
国立国会図書館オンラインを検索し、次の図書に「鹿苑院殿厳島詣記」が含まれていることがわかったが、当館に所蔵はない。
・中世日記紀行文学全評釈集成 第6巻 勉誠出版 2004
2 所蔵館へ照会
「中世日記紀行文学全評釈集成 第6巻」は岡山県立図書館に所蔵あり。照会し、次の2点を確認。
・p.72に次の歌の掲載あり。
「へだてゆく 八重の潮路の 浦島や はこのみさきの 名こそ しるけれ」
・p.73にその歌の解説として次の掲載あり。
「波が幾重にも続く海上を遠ざかってゆく 海岸近くの島々の景は まさしく玉手箱ならぬ箱のみさきの名が ぴったりであるよ」
箱のみさきから浦島伝説の玉手箱を連想したもの。「夏の夜は 浦島の子が 箱なれや はかなくあけて くやしかるらん(拾遺集)」
3 次の資料に歌の説明なし。
・讃岐国野原郷の歴史 佐藤篤/著 佐藤篤 2014
p.345-349「鹿苑院殿厳島詣記」に歌の掲載なし。
・香川県の地名 日本歴史地名大系 平凡社地方資料センター/編 平凡社 1989
p.403「三崎神社 (現)詫間町生里」に次の歌が出てくるが説明はない。
「へたて行 八重のしほちの浦島や 箱のみさきの な社しるけれ」
・角川日本地名大辞典 37 香川県 角川書店 1985
p.762「みさきのしょう 三崎荘<詫間町>」に次の歌が出てくるが説明はない。
「隔て行 八重の潮ぢの浦島や 箱のみさきの なこそしるけれ」
・新修詫間町誌 詫間町誌編集委員会/編 詫間町役場 1971
p.167-168「鹿苑院殿厳島詣記」に次の歌が含まれるが歌の意味の詳しい説明はない
「へだて行 八重のしほぢの うら島や 箱のみさきの なこそしるけれ」
・伝説童話浦島の太郎さん 重野清/著 重野清 1960
p.1に次の歌が掲載されているが意味は載ってない。
「へだてゆく八重の汐路の浦島や 箱の三崎の名こそしるけれ」
・浦島太郎のふるさと さぬき詫間町 詫間町/編・発行 [出版年不明]
p.7に次の歌が掲載されているが意味は載ってない。
「へだてゆく八重の汐路の浦島や 箱の三崎の名こそしるけれ」
・香川県和歌史 福家惣衛/著 香川県文化同好会 1954
p.46「鹿苑院殿厳島詣記に現れた讃岐関係の和歌」に
「へたて行 八重のしほぢの 浦嶋や 箱のみさきの な社(こそ)しるけれ」が出てくるが
意味などは掲載なし。
・詫間町誌 詫間町誌編纂委員会/編 詫間町役場 1952
該当する歌は見当たらなかった。なお、目次などに浦島太郎に関する記述も見当たらなかった。
・讃岐女子郷土読本 福家惣衛/著 香川県立丸亀高等女学校 1937
p.70-72に「鹿苑院嚴嶋詣記(群書類従)」はあるが、該当する歌の収録なし。
- 事前調査事項
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「鹿苑院殿厳島詣記(今川貞世)」に載っている、とのこと。
- NDC
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- 詩歌 (911)
- 伝説.民話[昔話] (388)
- 参考資料
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・群書類従 第18集 日記部 塙保己一/編纂 -- 続群書類従完成会 -- 1987(0810 H1 5-18)
p.573-582「鹿苑院殿厳島詣記」あり。
「22日」のp.581に「へたて行 八重のしほちの 浦嶋や 箱のみさきの な社しるけれ」あり。 -
・群書解題 第11 続群書類従完成会/編 -- 続群書類従完成会 -- 1960.7 -- 081.0 内容:連歌部,日記部,紀行部
p.117-118「鹿苑院殿厳島詣記」の解題あり。
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・群書類従 第18集 日記部 塙保己一/編纂 -- 続群書類従完成会 -- 1987(0810 H1 5-18)
- キーワード
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- 今川貞世
- 「鹿苑院殿厳島詣記」
- ”社" "こそ"
- 詫間町
- 浦島太郎
- 浦島伝説
- 玉手箱
- 鹿苑院義満公厳嶋詣記
- 足利義満公厳島詣記
- 義満公厳島詣記
- 鹿苑院厳島詣記
- 鹿苑院殿厳島詣記
- 厳島詣日記
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土 言葉 地名
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000231502