レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012年05月03日
- 登録日時
- 2012/04/06 13:56
- 更新日時
- 2013/08/21 13:08
- 管理番号
- 2012-0001
- 質問
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解決
明治時代の「バター」の広告を探している。何か手掛かりになる資料はないか。
- 回答
-
下記の論文に引用されていた広告を、近代デジタルライブラリーの『食道楽春の巻』で確認することができた。
(2012.05月現在)
●紀要
『學苑』(近代文化研究所紀要 No.803 84~93(2007-09)昭和女子大学)
(http://ci.nii.ac.jp/naid/110007054715)
大橋きょう子 著
『明治の出版物にみる食用油脂及び油脂調理について : 小説『食道楽』を中心として』
―明治期後半に出版された『食道楽』全9巻を資料として調査した。
『増補注釈 食道楽春の巻』(村井弦齋 著、報知社出版部、明治36(1903)、
東京、装丁、緒言、巻末広告)
→p.91 巻末にはバターの価格は、「壱ポンド瓶入り、金七拾五銭」の広告が掲載されている
と記述されている。
●近代デジタルライブラリーの『食道楽春の巻』に
(http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/886113/182)
→ 『農商務省七塚原
新バタ
壱ポンド瓶入り、金七拾五銭』
の広告が掲載されている
- 回答プロセス
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下記、当館所蔵資料から参考となる資料を確認(2012.04.06)したが、バターの広告は見つけられなかった。
5月8日に電話でいただいた上記コメント情報で解決した。
* 明治時代の広告作品の資料は少ないので,インターネットで「バターの歴史」について検索した。
一般社団法人 日本乳業協会のホームページ(http://www.nyukyou.jp/dairy/butter/butter08.html)から
資料の提供は「雪印乳業資料より」
「現在のようなバター製造は明治時代からで、明治18年、東京麹町の北辰舎が
クリーム分離機と回転チャーンを導入してからです。」
1. AdDAS(アドダス:当館所蔵の広告作品資料検索)で検索。
時代を「明治」、キーワードを「バター」、「北辰舎」、「雪印乳業」とを掛け合わせて検索したが
広告作品の手掛かりはなかった。
2. 当館OPACで書名に「バター」で検索
●932-SHU-0003
『続続・値段の明治大正昭和風俗史』(週刊朝日 編、朝日新聞社、1982)
→p.62 「バター」
大正末期の手動製造機(ハンドチャーン)の写真は掲載されているが、広告はない。
値段のうつりかわりの一番最初に登場した年は「大正14年」であった。
次に
3. 当館所蔵資料で明治時代の作品が載っている資料を直接めくって調べた。
●R140-TOK-1~3
『日本の広告美術―明治・大正・昭和:1~3』(東京アートディレクターズクラブ 編、美術出版社、1967~1968)
1:ポスター
2:新聞広告・雑誌広告
3:パッケージ
広告は掲載されてない。
●R182.2-HAJ-0002
『新聞広告美術大系 2:明治編 飲食・嗜好品』(羽島知之 編、大空社、1999)
→目次4p 明治38年(1905)12月 固形ミルク 発売元・鮫島商会―121p
「固形ミルク」の広告で「年末年始御進物用適品」の新聞広告が掲載されていた。
- 事前調査事項
- NDC
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- 広告.宣伝 (674 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- バター
- 北辰舎
- 雪印乳業
- 明治乳業
- 照会先
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- 一般社団法人 日本乳業協会のホームページ(http://www.nyukyou.jp/dairy/butter/butter08.html)2012年05月09日 確認
- 學苑・近代文化研究所紀要 No.803 84~93(2007-09)昭和女子大学(http://ci.nii.ac.jp/naid/110007054715)2012年05月09日 確認
- 近代デジタルライブラリーの『食道楽春の巻』(http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/886113/182)2012年05月09日 確認
- 寄与者
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- 和歌山大学図書館(2012年5月8日)
- 備考
- このレファレンス事例は5月8日いただいたコメント情報を加え、記述を整理して、2012年5月9日に更新しています。
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000104660