レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013/07/30
- 登録日時
- 2013/07/30 15:39
- 更新日時
- 2013/10/03 09:46
- 管理番号
- 埼久-2013-035
- 質問
-
未解決
『悪童日記』(アゴタ・クリストフ著 堀茂樹訳 早川書房 1991)の「解説(訳者あとがき)」の出典資料が見たい。
「「悪童日記」は、1991年に初めて日本に紹介された折り、人びとをして「思いもかけないところから思いもかけない衝撃的な小説があらわれた」(川本三郎氏)とか、「読後感は震駭(ふるえおどろくこと)の一語につきる」(塩野七生氏)、とかいった言葉を吐かせた稀有の作品である。」とある。
- 回答
-
川本三郎氏の書評については、以下の書誌事項が判明した。
塩野七生氏については、「悪童日記」出版後半年以上過ぎてから「連載中のある書評コラム」に書いたもの、という記述は見つかったが掲載誌を特定することはできなかった。
「GENDAI LIBRSRY 小説 アゴタ・クリストフ「悪童日記」少年の目を通して淡々と描かれる"戦時下"の極限状況」(『週刊現代 1991年2月9日』 p120 講談社 1991)
p120「思いもかけないところから思いもかけない衝撃的な小説があらわれた。」との記述あり。
- 回答プロセス
-
【著者の他作品の調査】
『悪童日記』とともに三部作である他二作『ふたりの証拠』『第三の嘘』を確認。
『ふたりの証拠』(アゴタ・クリストフ著 堀茂樹訳 早川書房 1991)
p233「訳者あとがき」によると、「評論家の川本三郎氏が、「思いもかけないところから思いもかけない衝撃的な小説があらわれた」と言って、《週刊現代》と《文学界》の誌上で同作品を熱心に推された(後略)」との記述あり。
p233-234「あの塩野七生氏が、出版後半年以上を経た時点で同書を発見されたらしく、「読後感は震駭(中略)」と絶賛したうえ、(中略)連載中のある書評コラムに書いておられる。」との記述あり。
『第三の嘘』(アゴタ・クリストフ著 堀茂樹訳 早川書房 1992) あとがきには該当する記述なし。
【インターネットの調査】
《Google》を〈悪童日記 & 川本三郎〉〈悪童日記 & 塩野七生〉で検索する。
同様の引用記事はあるが、出典は見あたらず。
以下の資料に川本三郎関係で〈悪童日記〉関係の記事が所収されているとの情報があり確認したが、該当する記述なし。
『本のちょっとの話』(川本三郎著 新書館 2000)
【書評資料の調査】
『書評年報 文学・芸術・児童編 1991年』(書評年報刊行会 1992)
p116「悪童日記」川本三郎 文学界3月号」との情報あり。このため、『文学界 1991年3月』を確認したが、該当する記述なし。
『書評年報 文学・芸術・児童編 1992年』(書評年報刊行会編纂 書評年報刊行会 1993)
p121-122「悪童日記」では4件書評が掲載されているが、該当する記事なし。著者索引では〈川本三郎〉〈塩野七生〉で該当する記事なし。
『書評年報 文学・芸術・児童編 1993年』(書評年報刊行会編纂 書評年報刊行会 1994)
作品名索引および著者索引では該当なし。
【雑誌記事の調査】
《CiNii》および《NDL-OPAC(雑索)》の調査
〈(出版年)1991-1993 & (著者)塩野七生〉で検索しヒットしたのは次の1件のみ。該当する記述なし。
塩野七生著「観客席にいて出来ること (湾岸戦争の嵐<特集>)」(『文藝春秋 69巻3号 1991年3月』p119-123 文藝春秋 1991)
〈(雑誌名)週刊現代 & (著者)川本三郎〉で検索したが、該当する記事はヒットせず。
《MAGAZINEPLUS》(オンラインデータベース 日外アソシエーツ 2013/04/25最終確認)
〈(出版年)1991-1995 & (著者)塩野七生〉で検索しヒットした記事は、記事名からは〈悪童日記〉の書評と分かる記事なし。
〈(雑誌名)週刊現代 & (著者)川本三郎〉で検索したが、該当する記事なし。1992年以降の記事しかヒットせず。
〈(全文検索)川本三郎 & (雑誌名)週刊現代 & (期間)1991.01-1991.12〉で検索したが、ヒットせず。
〈悪童日記〉で検索したが、川本三郎氏関係は『文学界』のみ。塩野七生氏関係なし。
《新聞記事(聞蔵2ビジュアル・毎日NEWSパック・ヨミダス歴史館・日経テレコン21)》(オンラインデータベース 2013/04/25最終確認)
〈悪童日記〉〈悪童日記 & 川本三郎〉〈悪童日記 & 塩野七生〉〈悪童日記 & アゴタ・クリストフ〉〈悪童日記 NOT クリストフ〉で検索したが、該当する記事はヒットせず。
『大宅壮一文庫雑誌記事索引総目録 1988-1995 人名編 2』(紀伊国屋書店 1997)
〈クリストフ・アゴタ〉で検索し、ヒットした記事に川本三郎氏の該当記事あり。また、〈塩野七生〉で検索したが該当する記事なし。
川本三郎「GENDAI LIBRSRY 小説 アゴタ・クリストフ「悪童日記」少年の目を通して淡々と描かれる”戦時下”の極限状況」(『週刊現代 1991.2.9』p120 講談社 1991)
p120「思いもかけないところから思いもかけない衝撃的な小説があらわれた。」との記述あり。
《MAGAZINEPLUS》(オンラインデータベース 日外アソシエーツ 2013/04/25最終確認)
〈(出版年)1991-1995 & (著者)塩野七生〉で検索しヒットした記事は、記事名からは〈悪童日記〉の書評と分かる記事なし。
しかし出版後(1991)半年・連載中のある書評コラムとあることから、書評でなくても評した可能性もあるので1991年に塩野七生氏が連載していた雑誌『Foresight』の1991年6月から1992年6月、および『人びとのかたち』(塩野七生著 新潮社 1995)を調査したが、雑誌、単行本ともに該当する記述なし。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 読書.読書法 (019 9版)
- 参考資料
-
- 『週刊現代 1991年2月9日』(講談社 1991)
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000134783