レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010/06/11
- 登録日時
- 2010/10/28 02:03
- 更新日時
- 2010/11/16 14:29
- 管理番号
- 埼熊-2010-037
- 質問
-
解決
図書館の理想的な設置数について次のことを知りたい。
1 「ポストの数だけ図書館を」と言った人は誰か。
2 「中学校区」に一つ図書館をと言い出した人は誰か。
- 回答
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1 「ポストの数だけ図書館を」と言った人は誰か。
『子どもの図書館』(石井桃子著 岩波新書 1965)
p210に「ポストの数ほど図書館を」という章があります。この中で著者は、アメリカ・カナダ・イギリスの大きな市では子どもが歩いていける距離にひとつの分館というのが目標になっていると述べている。
『子どもの図書館の運営』(小河内芳子著 日本図書館協会 1986)
p47 施設について
「(ポストの数ほど子どもの図書館を)という標語は『子どもの図書館』(石井桃子著)の小見出しとして書かれたものを借用して、児童図書館のPRのため、読書運動の中で使われて今日に至っている」と書かれている。
『児童サービス論』(赤星隆子著 理想社 1998)
p40 第4節 1 公共図書館における児童サービス
「石井桃子が提唱し、児童図書館研究会のモットーでもある「ポストの数ほど図書館は(後略)」 とある。
以上から「ポストの数ほど図書館を」の言葉は石井桃子氏が言い始め、児童図書館発展のスローガンとして用いられたと想われる。
2 「中学校区」に一つ図書館をと言い出した人は誰か。
『図書館を遊ぶ―エンターティンメント空間を求めて-』(渡部幹雄著 新評論 2003)
p70 中学校区に図書館を
「もし図書館を住民の書斎なみの機能をもった場所にするならば、家から適当な距離に位置していることが条件として浮かぶことになる。そうなると、財政面やコミュニティの限界を考慮すると中学校区を基礎単位にすることがきわめて説得力をもつことになる。つまり、学校制度並みに図書館を整備していけば理想的な環境ができ上がるのである。分館が必要であれば小学校区に配置することを基準にすればいいし、中央館を整備するのであれば高校の学区制を基準にすればよいのである。それ以上に高度な専門図書や保存機能を考えれば、国立大学の配置を参考として設置していけばよいのではないかと考える。」
とあり、渡部幹雄氏ではないかと思われる。
また、
『地域と図書館-図書館の未来のために-』(渡部幹雄著 慧文社 2006)
p221 中学校区図書館建白書
中学校区図書館建白書として、地域ごとに設置すべき場所、専門職を配置すべきであること、述べ床面積など具体的な提案が書かれている。
- 回答プロセス
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1 図書館史に関する図書等を調査する。
2 《Google》を〈中学校区 & 一つ & 図書館〉で検索した結果から、新評論社の『図書館を遊ぶ』(渡辺幹雄著)の書評がヒットする。
著者の他の著作を調査する。
- 事前調査事項
- NDC
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- 各種の図書館 (016 9版)
- 参考資料
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- 『子どもの図書館』(石井桃子著 岩波新書 1965)
- 『子どもの図書館の運営』(小河内芳子著 日本図書館協会 1986)
- 『児童サービス論』(赤星隆子著 理想社 1998)
- 『図書館を遊ぶ-エンターティンメント空間を求めて-』(渡部幹雄著 新評論 2003)
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『地域と図書館-図書館の未来のために-』(渡部幹雄著 慧文社 2006)
- キーワード
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- 図書館
- 石井 桃子(イシイ モモコ)
- 渡辺 幹雄(ワタナベ ミキオ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000072972