レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年01月01日
- 登録日時
- 2018/04/30 11:56
- 更新日時
- 2018/04/30 11:56
- 管理番号
- 市川20180101-03
- 質問
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『朝霧』(永井龍男/著 講談社 1992)にモーパッサンの短編小説の書き出しが引用されているが、この作品名は何か。
- 回答
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『朝霧』p.200-201に「モーパッサンという人の、短篇小説の書き出し」として「タイユ老人には娘が三人あった。アンナというのが、総領だが、家の中では誰もアンナの名前を口にしないことになっていた。(後略)」とある。
国会図書館サーチでモーパッサンの短編集を特定し冒頭文を調査したところ、国立国会図書館の図書館送信参加館内公開デジタル化資料『酒樽 他六篇』(モーパッサン/作 水野亮/訳 岩波書店 1950)に所収されている短編「呪ひのパン」の冒頭文が『朝霧』に引用されている内容と一致した。
なお、同じ内容の短編が、国立国会図書館の図書館送信参加館内公開デジタル化資料『モーパッサン全集 第二巻』(春陽堂書店 1965)p.530に「いまわしきパン」(桜井成夫/訳)というタイトルで掲載されていた。
ただし、冒頭文が「タイユじいさんには、娘が三人あった。総領はアンナというのだが、うちわでは、アンナのことはほとんど口にしないことにしている」とあるため、永井氏が『朝霧』を著するにあたり引用した作品は、桜井氏訳の「いまわしきパン」ではなく、水野氏訳の「呪ひのパン」であることがわかった。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 小説.物語 (953 8版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000235094