レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年9月9日
- 登録日時
- 2019/02/07 11:54
- 更新日時
- 2019/07/05 14:40
- 管理番号
- 埼久-2018-100
- 質問
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未解決
延原謙は 河野峯子、小日向逸蝶、大井六一、天岡虎雄などの複数のペンネームを使っていたということだがこれらの名前の読み方を知りたい。
- 回答
-
ペンネームのうち、「天岡虎雄」については、「アマオカ トラオ」と読むことがわかった。
- 回答プロセス
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1 自館目録を検索する。
(1)〈河野峯子〉〈小日向逸蝶〉〈大井六一〉〈天岡虎雄〉で検索する。
『古城の怪宝』(コナン・ドイル著 天岡虎雄訳 博文館 1939)
訳者の読みは「アマオカトラオ」
(2)延原謙評伝著者の〈中西裕〉で検索する。
『中西裕書誌選集 延原謙・青山霞村・書誌年鑑 文献探索人叢 20』(中西裕編著 金沢文圃閣 〔2014〕)
p33-80「延原謙著作目録稿(第2版)」大井六一の名前が見られるが読みなし。
2 参考図書を確認する。
3 商用データベースを〈延原謙〉〈河野峯子〉〈小日向逸蝶〉〈大井六一〉〈天岡虎雄〉で検索する。
《ジャパンナレッジlib》(ネットアドバンス)、《聞蔵IIビジュアル》(朝日新聞社)、《Web OYA-bunko》(大宅壮一文庫)、《WHOPLUS》(日外アソシエーツ)
「延原謙」2件該当したが、ペンネームについての記載なし。
4 《WHOPLUS》に記載のあった資料を確認する。
長谷部史親著「昭和翻訳者列伝(特集・証言!昭和の翻訳 昭和二十年代・三十年代の翻訳家と翻訳界)」(『翻訳の世界 1989年1月 14-114』 p28-35 バベル・プレス 1989.1)
『現代人名情報事典』(平凡社教育産業センター編集・制作 平凡社 1987)
『講談社日本人名大辞典』(上田正昭〔ほか〕監修 講談社 2001)
『日本近代文学大事典』(日本近代文学館編 講談社 1978)
『日本人名大事典 現代』(平凡社 1986)
5 《国会図書館レファレンス協同データベース》(https://crd.ndl.go.jp/reference/ 国会図書館)を〈延原謙〉で検索する。
「古城の怪寶」(コーナン・ドイル著 天岡虎雄訳 博文館 1939)p307 奥付(http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1037396 国会図書館)157コマ 国立国会図書館/図書館送信参加館内公開
6 《国会図書館リサーチ・ナビ》(http://rnavi.ndl.go.jp/rnavi/ 国会図書館)にあたる。
(1)調べ方案内「出版人の履歴を調べる」(https://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/entry/post-699.php)にあたる。
『出版文化人物事典 江戸から近現代・出版人1600人』(日外アソシエーツ株式会社編 日外アソシエーツ株式会社 2013)
p304「延原謙 のぶはら・けん」
「[別名等]筆名=小日向逸蝶、河野峯子、大井六一」読みなし。
(2)リサーチ・ナビ内の《日本人名情報索引(人文分野)データベース》(https://rnavi.ndl.go.jp/jinmei/index.php)を〈延原謙〉で検索する。
7 《国会図書館オンライン》(https://ndlonline.ndl.go.jp/#!/)を〈延原謙〉(雑誌記事)で検索する。
中西裕著「翻訳家延原謙の筆名について」(『学苑 773』 p67-77 昭和女子大学 2005.3)
p68「二 河野峯子」の項あるが、「河野峯とは延原の最初の夫人の旧姓名である。」とあり。
p69-71「三 小日向逸蝶」の項、p71-72「四 大井六一」の項、p72-75「五 天岡虎雄」の項、
p75「六 XYZ」の各項あり。読みなし。
8 4の資料『学苑 773』に記載されていたペンネームの出典を確認する。
「探偵趣味 三年三号」(探偵趣味の會 1927年3月)(県内公共図書館未所蔵)
『創作探偵小説選輯第3輯1927年版』(探偵趣味の会編 春陽堂書店 1994)
「「探偵趣味」傑作選」(ミステリー文学資料館編 光文社 2000)
《国会デジタルコレクション》「古城の怪寶」(コーナン・ドイル著 天岡虎雄訳 博文館 1939)
p307 奥付(http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1037396 国会図書館)157コマ 国立国会図書館/図書館送信参加館内公開
アガサ・クリスティ著 河野峯子訳「ポワロの頭 (Ⅰ)メンタルテスト」(『新青年 五巻六号』本の友社 1916.1)
小日向逸蝶「西洋笑話」(『新青年 8巻12号』p174-175 本の友社 1927.10)
小日向逸蝶「西洋笑話」(『新青年 8巻14号』p166-167 本の友社 1927.12)
小日向逸蝶「西洋笑話」(『新青年 9巻1号』p286-287 本の友社 1928.1)
小日向逸蝶「グロリア・スコット号事件」(『新青年 10巻3号』 p152-171 本の友社 1929.2)
小日向逸蝶「感激の場面」(『新青年 10巻4号』p155 本の友社 1929.4)
『新青年』には、巻ごとに総目次があり、著者名検索が所収されている。8、9、10巻の総目次をそれぞれ調査したが、著者名索引に振り仮名なし。
(注)「こ」の節に掲載されていた。
9 中西裕著「翻訳家延原謙の筆名について」(『学苑 773』2005年3月 p67-77)の注にあった資料を確認する。
水谷準著「翻訳家の覆面」(『探偵作家クラブ会報 81』p1 1954.2)
延原謙に「河野峯子」「小日向逸蝶」があるが読みなし。
雑誌「探偵趣味」(県内公共図書館未所蔵)
雑誌「月刊探偵」(県内公共図書館未所蔵)
10 《国会図書館典拠データ検索・提供サービス》(http://id.ndl.go.jp/auth/ndla/ 国立国会図書館)を〈河野峯子〉〈小日向逸蝶〉〈大井六一〉 〈天岡虎雄〉で検索する。
天岡虎雄あり。読みは(アマオカ、トラオ)出典:「人猿タアザン」(エグダア・バアロー著 天岡虎雄訳 博文館 1921)
11 《Google ブックス》(http://books.google.co.jp/ Google)を〈小日向逸蝶〉〈河野峯子〉で検索する。
『近代文学研究叢書 第30巻』(昭和女子大学近代文学研究室著 昭和女子大学 1973)
p430 小日向逸蝶の名はあるが、読みはなし。
『都市文学と少女たち 尾崎翠・金子みすゞ・林芙美子を歩く』(寺田操著 白地社 2004)
p127 河野峯子の名はあるが、読みなし。
〈その他調査済み資料〉
『作家のペンネーム辞典』(佐川章著 創拓社 1990)
『作家・小説家人名事典』(日外アソシエーツ株式会社編 日外アソシエーツ 1990)
『戦後初期の出版社と文化人一覧 第4巻』(大久保久雄監修 福島鑄郎監修 金沢 金沢文圃閣 2005)
『岡山県大百科事典 下 た~ん』(岡山県大百科事典編集委員会編 山陽新聞社出版局編 山陽新聞社 1980)
『人物書誌索引 78/91』(深井人詩共編 渡辺美好共編 日外アソシエーツ 1994)
中西裕著「ホームズの翻訳家延原謙とその周辺」(『書誌調査1991』p164-167 私立大学図書館協会書誌調査研究分科会 1991)」
『出版書籍商人物事典 第1巻、第2巻』(帆刈芳之助著 大久保久雄監修 金沢 金沢文圃閣 2010)
『出版人物事典 明治-平成物故出版人』(鈴木徹造著 出版ニュース社 1996)
『翻訳家列伝101』(小谷野敦編著 新書館 2009)
『日本近代文学大事典 第3巻 (人名 にーわ)』
『出版文化人物事典 江戸から近現代・出版人1600人』
『新青年読本 昭和グラフィティ』(『新青年』研究会編 作品社 1988)
ウェブサイト・データベースの最終アクセス日は2018年9月9日。
- 事前調査事項
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『ホームズ翻訳への道 延原謙評伝』(中西裕著 日本古書通信社 2010)
p88「初期の翻訳」の節に、「(延原)謙の場合はどうかといえば、すくなくとも二つのペンネームを用いたことが知られている。「河野峯子」と「小日向逸蝶」とである。河野峯とは謙の最初の夫人の旧姓名であり、小日向逸蝶の小日向とは当時謙が住んでいた小石川小日向一丁目の地名から取られたものである」とあり。
p89 ある座談会の記録として、p89に「河野みね子と云ふのもあるやうだが。」「あれは奥さんのお名前だっていふぢゃありませんか」というやり取りがあるが、振り仮名はない。後述『学苑 773』に所収されている座談会と同じものと推測できるが、両方の資料とも、何の座談会かは記述がない。
p103-105 「大井六一という人物」
- NDC
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- 英米文学 (930 9版)
- 個人伝記 (289 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 延原 謙(ノブハラ ケン)
- 翻訳家
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000251460