当館所蔵の風土記、逸文に関する資料を確認したところ、次の2点に記述がありましたので紹介した。
・新編日本古典文学全集 5 風土記 小学館 1997.10
p.584
”<讃岐の国>
阿波嶋 屋嶋
アワシマトハ、讃岐国。屋嶋北去百歩許、有嶋。名曰阿波嶋トイヘリ。
(仙覚「万葉集註釈」第四、四・五○九番歌条<仁和寺本>)”
※なお、この資料には巻末p.620-625に「風土記逸文地図」が掲載されており
風土記、逸文で取り上げられている地名などに印がついているが
香川県には印が一切ついてない。
・古風土記逸文 栗田寛/著 大岡山書店 1927.12
P.172-173
”讃岐
阿波島
讃岐国屋島北去百歩許有島。名阿波島。(「仙覚萬葉抄」)
(読み下し:讃岐国屋島の北に去ること百歩許に島あり。阿波島と名づく)”
○他にも次の資料の目次や索引を確認しましたが、讃岐や屋島に関する記述は見当たらなかった。
・風土記逸文注釈 上代文献を読む会/編 翰林書房 2001.2
・国書逸文 和田英松/纂輯 国書刊行会 1995.2
・本朝書籍目録考証 和田英松/著 明治書院 1926.11
・風土記の研究並びに漢字索引 植垣節也/〔著〕 風間書房 1983.5
・風土記の世界と日本の古代 永藤靖/著 大和書房 1991.4
*******
○屋島を紹介した次の2点の資料も確認したが、参考になりそうな記事は見当たらなかった。
(1) 屋島 観光学術読本 高松市商工観光課/編 高松市商工観光課 1962.3
の中には次のような記事がある。
・屋島の歴史(城福勇/著)
・考古学的に見た屋島地区(井上勝之・高島昭一/著)
・屋島城(渡辺時弘/著)
・古典を通して見た源平屋島合戦(砂古口義子/著)
・源平屋島合戦関係の史跡と伝説地(高松妙/著)
・屋島寺(松浦正一/著)
・屋島の神社(蓮井郁子/著)
・屋島神社の建築(梅木正信/著)
・屋島と文学(武田桂吾・宮武利雄/共著)
このうち、
・屋島城(渡辺時弘/著)の記事には、p.12に
参考文献として、次のものが明記されています。
「源平盛衰記」、「平家物語」、「吾妻鏡」、「玉葉」
※その他の記事もさまざまな出典をもとに書かれているようだが
「風土記」、「逸文」に相当するものがあるのかどうかは不明。
(2) 屋島 源平合戦ゆかりの地 市原輝士/著 市原輝士 1979
※この記事の執筆にあたっては、
「木田郡誌」、「古高松郷土誌」、「観光学術読本 屋島」、「香川県の歴史」を
参考にしたと書かれている。