レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016/02/18
- 登録日時
- 2016/04/13 00:30
- 更新日時
- 2016/04/13 00:30
- 管理番号
- 6001014469
- 質問
-
解決
鏡の磨き方についての本はありますか。
ガラス鏡ではなく、金属製の古い鏡の「鏡面」の磨き方についての本を探しています。
- 回答
-
当館の蔵書から、青銅で出来た「和鏡」の鏡面の磨き方についての資料をご紹介します。
『日本の古鏡: 女装美のプロデューサー 展覧会目録』(大阪市立博物館 1985序)当館請求記号【946/149/#】個人貸出不可
III 鏡をつくる
和鏡の制作工程の復元: 鏡の鋳造(p.64-65)、鏡の研磨(p.66)
p.66 「鋳はなされた金属の鏡は、・・・・・ ガラス鏡と変らない程よく写るようにするためには、研磨し、さらに錫メッキが施される。」に続けて、「鏡背面」と「鏡面」の作業工程と道具の説明があります。
「鏡面は、切削、研磨、錫アマルガムを経て仕上げられる。切削は、荒目、羽二重目の鑢(やすり)をかけ、、荒目(荒けずり用)、中目(ならし用)、細目(なで用)の繊(せん:資料では「糸」偏ではなく「金」偏)で鏡面を平らに削る。研磨は、まず砥石による石研ぎ。使用される砥石は、対馬砥石(浄見寺)または名倉砥石がよいといわれる。つづいて硬質の朴炭、軟質の駿河炭を用いての炭砥ぎが行われる。砥ぎの最後は泥砥ぎである。砥の粉、明ばん、梅酢が使用される。鏡面が整えられ、平面の粒子を緻密にするとようやく顔が写るようになる。泥砥ぎの最終段階で錫アマルガムが施され研磨の工程が終わるが、なぜか寒中が適しているといわれる。」
写真1: 鏡面を鑢(やすり)により切削する。
写真2: 鏡面を繊(せん:資料では「糸」偏ではなく「金」偏)による切削する。
写真3: 鏡面を炭で研ぐ。
「写真は、1977年12月、京都市下京区・山本凰龍氏工房におけるものである。山本家は江戸時代からつづく鏡砥ぎ師の家系で現当主の凰龍氏は、文化庁よりその鋳鏡研磨の技術が記録作成をこうすべき(ママ)無形文化財に選択されており、魔境の復元制作は著名である。」
p.67
写真4: 鏡面に錫アマルガムを施す。
当館では所蔵していませんが、次のDVDが発売されています。(2016/2/18現在)
http://homepage3.nifty.com/ytt/w/various/den.007.html
『極める 匠の世界 金工1: 鋳鏡研磨 神器を磨く』
「記録作成等の措置を講ずべき無形文化財 山本凰龍(京都府)」
販売会社ホームページより「おのれを磨くことで、良い鏡ができる」と、神器とあがめられてきた御神鏡をつくって60年。 鋳型の造形、鋳造、研磨の過程を経て、鏡が神の光を放つ。」
また、次のサイトから山本凰龍氏の動画をご覧いただけます。(2016/2/18現在)
情報処理推進機構 教育用画像素材集「鋳鏡研磨 山本凰龍」
検索結果16件
https://www2.edu.ipa.go.jp/%E7%B4%A0%E6%9D%90/%E7%A4%BE%E4%BC%9A/%E6%96%87%E5%8C%96/%E5%8C%A0%E3%81%AE%E6%8A%80%E3%81%A8%E5%BF%83/%E9%87%91%E5%B7%A5%EF%BC%88%E3%81%8D%E3%82%93%E3%81%93%E3%81%86%EF%BC%89/%E9%8B%B3%E9%8F%A1%E7%A0%94%E7%A3%A8%EF%BC%8D%E5%B1%B1%E6%9C%AC%E5%87%B0%E9%BE%8D%EF%BC%88%E3%81%A1%E3%82%85%E3%81%86%E3%81%8D%E3%82%87%E3%81%86%E3%81%91%E3%82%93%E3%81%BE%EF%BC%8D%E3%82%84%E3%81%BE%E3%82%82%E3%81%A8%E3%81%8A%E3%81%86%E3%82%8A%E3%82%85%E3%81%86%EF%BC%89/
本人紹介から各作業工程ごとのうち、次の4つが参考になると思われます。
・鏡面をセンで削る
・セン
・鏡面を磨く(石研ぎ・炭研ぎ)
・鏡面を磨く(水銀研ぎ)
[事例作成日: 2016年2月18日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 金工芸 (756 8版)
- 参考資料
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- 日本の古鏡 大阪市立博物館 1985序 (66-67)
- http://homepage3.nifty.com/ytt/w/various/den.007.html (平凡社出版販売株式会社『極める 匠の世界 金工1: 鋳鏡研磨 神器を磨く 』 記録作成等の措置を講ずべき無形文化財 山本凰龍(京都府)(2016/2/18現在))
- https://www2.edu.ipa.go.jp/%E7%B4%A0%E6%9D%90/%E7%A4%BE%E4%BC%9A/%E6%96%87%E5%8C%96/%E5%8C%A0%E3%81%AE%E6%8A%80%E3%81%A8%E5%BF%83/%E9%87%91%E5%B7%A5%EF%BC%88%E3%81%8D%E3%82%93%E3%81%93%E3%81%86%EF%BC%89/%E9%8B%B3%E9%8F%A1%E7%A0%94%E7%A3%A8%EF%BC%8D%E5%B1%B1%E6%9C%AC%E5%87%B0%E9%BE%8D%EF%BC%88%E3%81%A1%E3%82%85%E3%81%86%E3%81%8D%E3%82%87%E3%81%86%E3%81%91%E3%82%93%E3%81%BE%EF%BC%8D%E3%82%84%E3%81%BE%E3%82%82%E3%81%A8%E3%81%8A%E3%81%86%E3%82%8A%E3%82%85%E3%81%86%EF%BC%89/ (情報処理推進機構 教育用画像素材集「鋳鏡研磨 山本凰龍」(2016/2/18現在))
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000191054