レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014年05月02日
- 登録日時
- 2019/08/22 16:05
- 更新日時
- 2019/12/15 14:03
- 管理番号
- 兵尼2019-4
- 質問
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解決
昔(戦国~近世)の城の縄張の中には、どんな木が植えられていたのか?
- 回答
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城の縄張の中の樹木は、御殿の庭園を除いてほとんど軍事用に植えられていた。松と杉が主であり、その他、竹や果実が食用となる樹木などが植えられていたとのこと。
(1)『図説「城造り」のすべて 決定版』p.64~70の「植生」の項及び、(2)『城のつくり方図典 改訂新版』p.184~185のコラム「城を守る仕掛け 【樹木を植える】」より質問の時代の城郭内部の植生が分かる。
資料(1)には中世と近世それぞれの植生、資料(2)には江戸時代の樹木について記載あり。
◆〈中世〉
木があることで視界が遮られ、寄せ手(攻城軍)の取り付きや盾ともなるため、城内の樹木はすべて切り倒されていた。
◆(近世)
資料(1)には、「近世城郭の植生については、正保年間(1644~1648)に幕府の指示のもと描かれた「正保城絵図」で判明する。本丸・二の丸主要部に樹木が確認される城は極めて少ない。大部分の城は、木のない視界が広がる姿であった。」とあり、また、資料(1)(2)ともに、曲輪(くるわ)の中心部には視界を遮るような高木は存在せず、周縁部には城内を城外から目隠しする目的で松や杉が植えられたことが記述されている。そして、これらの樹木はただ目隠しとしてだけではなく、万が一の際の食糧、薬、燃料となるものが選ばれたとのこと。
- 回答プロセス
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「城」や「城造り」の本で内容を確認し、回答。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本の建築 (521 10版)
- 参考資料
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三浦 正幸/監修 , 小和田 泰経/〔ほか〕執筆 , 三浦‖正幸(1954〜) , 小和田‖泰経. 図説「城造り」のすべて : 決定版. 学研, 2006. (歴史群像シリーズ)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I010943087-00 (当館資料番号 130447001) -
三浦正幸 著 , 三浦, 正幸, 1954-. 城のつくり方図典 改訂新版. 小学館, 2016.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I027108459-00 , ISBN 9784096263273 (当館資料番号 130707192)
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三浦 正幸/監修 , 小和田 泰経/〔ほか〕執筆 , 三浦‖正幸(1954〜) , 小和田‖泰経. 図説「城造り」のすべて : 決定版. 学研, 2006. (歴史群像シリーズ)
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000260387