ハスとスイレンについて記述がある、以下の図書を紹介した。
①『生物学辞典』の「スイレン【睡蓮】[water lily, pond lily]」の項目に、「双子葉植物、スイレン科の7属90種を含む水生の多年草。属名Nymphaea L.」と記載されており、ハス【蓮[Indian lotus,Egyptian lotus, sacred lotus, Chinese water lily]の項目に、「双子葉植物、ハス科ハス属の池や水田、堀などに栽培される多年生水草。学名Nelumbo nucifera Gaertn.」と記載されている。
②『蓮への招待 文献に見る蓮の文化史』の「蓮は蓮科・蓮属の植物である」の項目に「蓮と睡蓮は長い間同じ仲間の水生植物と考えられて「スイレン目、スイレン科」に属してきた。しかし、DNA(デオキシリボ核酸)の塩基配列の比較研究、ミトコンドリアや花粉構造の研究の結果、蓮と睡蓮は従来考えられていた進化とは、まったく異なった進化をしてきたことが解ってきた。」と記載されている。また、図6に植物分類表が記載されている。
③『スイレンハンドブック』の「スイレンとは」の項目に、「漢字でみるとスイレンとハスは同じ仲間のように考えがちだが、分類上は、それぞれスイレン科とハス科に属する別の植物である。」と記載されている。
④『新特産シリーズ レンコン――栽培から加工・販売まで』の「ハスとスイレンは同じ植物?」の項目に「ハスはスイレンと姿や繁殖地がたいへん似ていることから、かつてはスイレン科ハス属と分類されていた。しかし近年遺伝子の研究が進んで、ハスとスイレンがかなり異なった進化をたどり、早い時期に分化したことがわかり、現在スイレンはスイレン科スイレン属に分類され、ハスはハス科ハス属に分類されることが多い。」と記載されている。
⑤『蓮100の不思議』の「蓮と睡蓮」の項目に「最新の植物分類学で、蓮は蓮科(Nelumbonaceae)、蓮属(Nelumbo)であり、睡蓮は、睡蓮科(Nymphaeaceae)、睡蓮属(Nymphaea)に属します。両者はまったく異なる植物に分類されています。だが、多くの書物はいまだに、睡蓮科・蓮属という旧説を採用していて残念です。」と記載されている。