レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2008/08/02
- 登録日時
- 2016/03/18 00:30
- 更新日時
- 2016/03/18 00:30
- 管理番号
- 町田-125
- 質問
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解決
黒川炭について知りたい。どんな炭だったのか。
- 回答
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黒川村あたりで作られていた炭を総称するようである。農作業の余業に主に男性が行い(女性は蚕桑)、江戸などに出荷していたようで、以下の資料に記述がある。
『川崎市史 別編 民俗』(川崎市役所/編 川崎市役所)
『武蔵風土記稿第4巻』(蘆田 伊人/校訂 雄山閣出版)
『稲城市史 上巻』(稲城市/編 稲城市)
『津久井街道』(川崎市立稲田図書館/編 川崎市立稲田図書館)
『かわさき「地名」散歩』(前川 清治/著 多摩川新聞社)
『興趣赴くままに』(村田文夫/著 村田文夫)
- 回答プロセス
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『川崎市史 別編 民俗』P187-191 原料、作成方法(図、写真もあり)や値段の記述あり。
『武蔵風土記稿第4巻』P161都筑郡の項や、P233黒川村の項に「黒川炭」の欄あり。元は黒川村由来だが、「多摩郡にも及べり」とあり。同じく、P316本町田村・P317原町田村の項に余業として出てくる。
『稲城市史 上巻』P815~824 南多摩丘陵の木炭生産について記述あり。そのなかでは、黒川炭は、千葉県佐倉の「佐倉炭」の技術が伝播したようだとある。また「その生産実態を明らかにし得るだけの文献資料は発見されていない」とある。
『町田市史 下巻』P1404 「炭焼き」の記述があり、成瀬の釜焼きの方法を解説している。ただし、黒川炭の言及はない。これによると「炭材は、サクラ、クヌギがよい」とある。
東京都都立図書館のホームページ、東京都関係記事検索(2015年現在使用できず)で「炭焼き」で検索
『多摩郷土研究』45巻P18~32 「山上茂樹翁郷土話聞書覚 西多摩地方の炭焼き」に図版入りで詳しく説明ががるが、黒川炭の記述なし。
『津久井街道』P10 この路を通って江戸に炭と絹を運んだという記述あり。
P167~170 川崎市の黒川炭のことや、炭問屋の藤屋の記述あり。
『かわさき「地名」散歩』P193~194 黒川炭の名前の由来、作り方あり。クヌギやカシを使ったようである。
国立国会図書館サーチで黒川炭を検索
『興趣赴くままに』P403多摩丘陵産・黒川炭の歴史と民俗誌 ※当館所蔵なし
黒川炭(黒皮炭)の製造方法や炭焼釜について、市川祐氏の聞き取り調査。生産地域や佐倉炭との関連について詳しい記述あり。
『川崎市民ミュージアム紀要6』上記と同じ内容。
- 事前調査事項
- NDC
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- 風俗習慣.民俗学.民族学 (380 8版)
- 林業 (650 8版)
- 参考資料
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- 稲城市史 上巻稲城市/編稲城市
- 新編武蔵風土記稿 第四巻蘆田 伊人/校訂雄山閣出版
- 町田市史 下巻町田市史編纂委員会/編町田市
- 津久井街道川崎市立稲田図書館/編川崎市立稲田図書館
- かわさき「地名」散歩前川 清治/著多摩川新聞社
- 川崎市史 別編 民俗川崎市役所/編川崎市役所
- 多摩郷土研究 複製版第2期第4巻多摩郷土研究複製版刊行会/編百水社(星雲社)
- キーワード
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- 炭(スミ)
- 黒皮炭(クロカワスミ)
- 黒川炭(クロカワスミ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000189563