レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20091228
- 登録日時
- 2010/02/18 02:13
- 更新日時
- 2010/02/18 16:33
- 管理番号
- C091211150744
- 質問
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解決
永田智章/ブータン王国における経済開発と国民総幸福量/広島経済大学経済研究論集30(3-4)のp207 の注に、「1976年12月スリランカで開催された第5回非同盟諸国会議の記者会見席上、当時のブータン国王は、 "Gross Ntional Hapiness is more important than Gross National Product" と述べ、GNHという概念が注目されるようになった」という記述があり(『ブータンと幸福論』にもコロンボでの会議で演説したと記述があります。またgoogleなどで「~会見席上で述べた」という記述はいくつかありました。)がその裏付けとなる資料(会議録や新聞記事など)をさがしております。
- 回答
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第5回非同盟諸国会議(1976年 コロンボ(スリランカ))での演説又は記者会見の場で、ブータン国王がGNHの重要性について発言したとされることに関して、その裏付けとなる資料を探しましたが、該当の資料は見当たりませんでした。
NDL-OPAC(書誌一般検索、雑誌記事索引)で「国民総幸福」又は「GNH」で検索しヒットした資料について調べましたが、出典が明示されている資料はありませんでした。
また、当館契約のデータベース(ProQuest、JSTOR、EBSCOhost、OCLC ECO、Science Direct、日経テレコン21、ヨミダス歴史館、聞蔵Ⅱビジュアル)で検索しましたが、裏付けとなるような情報は得られませんでした。
アジア経済研究所OPAC(http://opac.ide.go.jp/webopac2/catsrd.do)のほか、ブータン国立ブータン研究センター(Centre for Bhutan Studies)がホームページ上(http://www.bhutanstudies.org.bt/main/index.php)で公開している刊行物(「Journal of Bhutan Studies」や「Gross National Happiness - A Set of Discussion Papers」など)も見ましたが、裏付けとなるような記述は見当たりませんでした。
なお、調査の過程で、以下のような記述がある資料が見当たりましたので、参考までにお知らせいたします。
(1)Acting Asian. -- International House of Japan, c2005 (当館請求記号:GE87-B30)
2004年10月26日(火)・27日(水)に東京の国際文化会館で開かれた「アジア・リーダーシップ・フェロー・プログラム 2004年公開シンポジウム Acting Asian: グローバル化する世界における矛盾と挑戦」の講演集です。
Kinley Dorji氏(ブータンKuensel新聞社専務理事・編集長)の講演「Gross National Happiness」で、GNH(Gross National Happiness)という用語の誕生のいきさつについて言及しています。「GNH is Born」(5頁)の箇所で、GNP(Gross National Product)よりもGNHの方が重要である旨、国王が発言したのは、1979年にJigme Singye Wangchuck第4代国王がインド滞在中にジャーナリストのインタビューを受けたときである旨、記述されています。
(財)国際文化会館のホームページ上にて、全文無料アクセス可能。
(http://www.i-house.or.jp/jp/ProgramActivities/alfp/pdf/2004Report.pdf)
(2)ブータン建国100周年記念特別サイト(Bhutan2008)
・Glimpses of the major contributions of Druk Gyalpo Jigme Singye Wangchuck
(http://www.bhutan2008.bt/en/node/92)
ブータン建国100周年を記念して、ブータン情報省(Depertment of Information Technology and Telecom)が作成した「100周年記念特別サイト」中の記事です。この記事によると、GNHの方がGNPよりも重要であるという発言は、Jigme Singye Wangchuck第4代国王が1979年にインドのメディアからインタビューを受けた際の発言である旨、記述されています。なお、1976年の非同盟諸国首脳会議(Non-Aligned Movement summit)とGNH発言の関連性については言及されていません。
インターネットの最終アクセス日は2009年12月28日です。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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DB:戦後50年朝日新聞見出しデーターベース,Palmer's Index to the Time,The officiak index the time,Proquest、図書:『南アジアを知る事典』、『ブータンと幸福論』、『ブータンの政治』『ブータンにみる開発の概念』『現代ブータンを知るための60章』
- NDC
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- 経済史.事情.経済体制 (332 9版)
- 仏教 (180 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 外国経済事情、国民総幸福、チベット仏教
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000063599