レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2019/02/24 16:02
- 更新日時
- 2019/04/23 19:08
- 管理番号
- 若林2017-事例01
- 質問
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解決
君が代のもととなった歌は万葉集に載っているのか。
- 回答
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〇『日本大百科全書6』…歌詞の原型は『古今和歌集』賀の部に「わがきみは」、『和漢朗詠
集』には「きみがよは」の初句で、いずれもよみ人知らずで登載されている。
〇『世界大百科辞典7』…歌詞は≪古今和歌集≫に由来するが、その初句は<我が君は>で
あり、<君が代は>となったのは、≪和漢朗詠集≫の一写本に始まったといわれる。
〇『国史大辞典4』…『古今和歌集』の読み人知らずの古歌に始まり、『和漢朗詠集』にと
られ、その後筑紫流筝曲や流達の小唄、琵琶歌「蓬莱山」、浄瑠璃、常盤津、さらには門付
け唄などにも歌われていた。
〇『日本国語大辞典 第4 巻』…「古今-賀・三四三」の「わが君は千世にやちよにさざれ
石のいはほとなりてこけのむすまで」〈よみ人しらず〉という長寿祝福の歌が、後世もては
やされ、「隆達節歌謡」「和漢朗詠集」などの流布板本や浄瑠璃などになって、初句が「君が
代は」として伝えられた。
その他に、『君が代史料集成 全5 巻』、『君が代の歴史』、『日の丸・君が代の成り立ち』
の3 冊を確認したが、いずれも上記4 冊と同様の記述があった。よって、「君が代」は、『古
今和歌集』賀歌三四三「わが君は」を初句とする歌がそのルーツとなっており、『和漢朗詠
集』になって初句が「君が代は」に変化したという説が定説とみられる。ただし、『古今和
歌集』も『和漢朗詠集』も写本のため、どの本を底本にしたかによって和歌の語句には異同
がある。
『「君が代」の起源「君が代」の本歌は挽歌だった』では、「君が代」の起源を万葉集に収
載された挽歌とする説が提唱されているが、定説とは言い難く、諸説あるうちの一つと考え
られる。
- 回答プロセス
-
まず『日本大百科全書』等のレファレンスブック数冊を当たり、「君が代」の概要を確認
した。次に、蔵書検索システムで「君が代」をキーワードに検索し、関連のありそうな資料
を確認した。また、レファレンス協同データベースで「君が代」を検索し、類似の記事を参
照した。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本語 (031)
- 声楽 (767 9版)
- 詩歌 (911)
- 参考資料
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- 『日本大百科全書6』 小学館 1985 年
- 『世界大百科事典7』 平凡社 1988 年
- 『国史大辞典4』 吉川弘文館 1984 年
- 『日本国語大辞典 第4 巻』 小学館 2001 年
- 『君が代史料集成 全5 巻』 繁下和雄・佐藤徹夫/編 大空社 1991 年
- 『君が代の歴史』 山田孝雄/著 宝文館出版 1979 年
- 『日の丸・君が代の成り立ち』 暉峻康隆/著 岩波書店 1991 年
- 『「君が代」の起源「君が代」の本歌は挽歌だった』 藤田友治/編著 明石書店 2005 年
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レファレンス協同データベース(2018 年2 月14 日アクセス)
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000189853
- キーワード
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- 君が代
- 天皇
- 万葉集
- 挽歌
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査 所蔵調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000252093