レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年12月05日
- 登録日時
- 2017/12/06 11:28
- 更新日時
- 2019/12/24 16:30
- 管理番号
- 20171205-1
- 質問
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解決
やむを得ず「孫引き」をする場合の引用作法を知りたい。
- 回答
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著作物を引用する際には、原則として出所の明示が求められる。(著作権法第48条)
引用された文献を原典にあたることなしに、引用することは孫引きと呼ばれ、本来行うべきではない。
しかし、原典が絶版や入手困難、入手不能など、合理的な事由がある場合、やむを得ず「孫引き(資料の二次使用)」をおこなう場合について、以下の資料に、記載があった。
<日本語での引用の場合>
北村行夫, 雪丸真吾編『Q&A引用・転載の実務と著作権法』 中央経済社 ,2016.10 ISBN:9784502204012
本館請求記号;021.2 - Ki68
p.76-77 Q69 孫引き
p.80-81 Q72 孫引き引用と出所明示の方法
「孫引き引用の出所明示の方法を教えてください」
「孫引き引用した部分の直後に原本・原典の出所を明示し、その部分を含む節や章の末尾に一次引用した著作物の出所を明示します。」
宮田昇著『学術論文のための著作権Q&A : 著作権法に則った「論文作法」』東海大学出版会 , 2008.2 ISBN:9784486017820
本館請求記号:021.2 - Mi84
p.12-13 「Q1-1 孫引き引用の出所明示」
「学術論文では原則として、一次文献にあたるべきです。
(略)また一次文献にあたらずとも、信頼のおける二次文献資料があれば、それをもとに引用できる場合もあります。
その場合は、引用の箇所の直後に一次文献の出所明示をし、そこに注の表記をしておきます。
そして文節の後か章節の後の注に二次文献を明記するというのが、望ましいのではないでしょうか。」
その例示方法あり。
斉藤孝, 西岡達裕著『学術論文の技法』日本エディタースクール出版部 , 2005.5 ISBN:4888883521
本館請求記号:816.5 - Sa25
p.115-118 孫引きについて記述あり。(引用作法はナシ)
<英語の引用の場合>
吉村富美子著『英文ライティングと引用の作法 : 盗用と言われないための英文指導』
研究社 , 2013.6 ISBN:9784327410841
本館請求記号:836.5 - Y91
英語の引用方法について、各形式ごとの例示がある。
「孫引き」という言葉は使わず、「二次情報源から情報をとった場合」と表記されている。
p.124 二次情報源から情報をとった場合(B.APA(6th edition)に則った引用のルール)
著者名のラストネーム(as cited in 二次情報源の著者名, 年)“引用内容”(文の最後に二次情報源のページ番号)
p.133 二次情報源から情報をとった場合(C. MLA Handbook(7th edition)に則った引用のルール)
“引用内容”(qtd.in 一時情報源の著者のラストネーム;ページ番号)(qtd in は、quoted in の略)
p.143 二次情報源から情報をとった場合(D. CMS (16th editon)に則った引用のルール)
それぞれ、参考文献リストと本文中の記載について、引用方法(英語)について例示されている。
- 回答プロセス
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<コトバンク>
孫引き マゴビキ デジタル大辞泉の解説
まご‐びき【孫引き】
https://kotobank.jp/word/%E5%AD%AB%E5%BC%95%E3%81%8D-633975#E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.9E.97.20.E7.AC.AC.E4.B8.89.E7.89.88 (2017/12/05 確認)
[名](スル)直接に原典から引くのではなく、他の本に引用された文章をそのまま用いること。「論文の引例をそのまま孫引きする」
プログレッシブ和英中辞典(第3版)の解説
requotation
孫引きする|quote ((a passage)) at second hand; requote
https://kotobank.jp/jeword/%E5%AD%AB%E5%BC%95%E3%81%8D (2017/12/05 確認)
- 事前調査事項
- NDC
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- 文章.文体.作文 (816)
- 著作.編集 (021)
- 文章.文体.作文 (836)
- 参考資料
- キーワード
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- 孫引き
- requotation
- 二次使用
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 定番
- 調査種別
- 文献紹介 その他
- 内容種別
- 質問者区分
- 学生
- 登録番号
- 1000225927