レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2007/07/15
- 登録日時
- 2007/12/01 02:10
- 更新日時
- 2007/12/28 15:27
- 管理番号
- 埼浦-2007-070
- 質問
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解決
陸軍広島師団にいた師団長・佐伯中将の裁判記録がみたい。B級戦犯で懲役25年の刑となっている。
- 回答
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①『日本陸軍将官辞典』(扶養書房出版 2001)p327から師団長経験者は「佐伯文郎(歩兵 宮城)明23/1/13~昭42/6/10」のみ。昭和18/4/8から第26師団長、昭和19/7/28から船舶司令官兼運輸本部長であることがわかる。
②インターネットから、《ヒロシマ新聞》昭和20年8月6日号「暁舞台、懸命の消火活動 患者輸送・消火・給水」の中に佐伯文郎司令官(陸軍船舶司令部)の記述あり(http://www.hiroshima-shinbun.com/ 2007/09/07最終確認)。
①・②より、質問の人物は佐伯文郎氏と推定。
③『BC級戦犯横浜裁判資料』(茶園義男 不二出版 1985)のp126-239に資料(9)横浜裁判一覧表中、p219事件番号307として船舶司令部・中将・本籍宮城「●伯●郎」の名あり、刑23年とあり。
④『BC級戦犯横浜裁判資料』p20上段の注32に、「BC級裁判は、その管轄する軍の所属国家対日本人被告個人の形をとっているので、日本政府は全く局外におかれる。従って、一般になんとなく信じられているような正式な裁判記録は、日本政府にはない。」とあり。あわせて、法務省が昭和30年以降に被告人や弁護人、当事国への紹介によって調査記録したものが「戦争犯罪裁判概史」(原稿4000枚・未刊)であり、これを要約したものが「戦争犯罪裁判概史要」であることが記述されている。
⑤「戦争犯罪裁判概史要」は国立公文書館に所蔵あり、米横浜裁判に関するものは第10冊。請求番号「本館-4A-021-00・平11法務06320100」とあり。
- 回答プロセス
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参考図書の棚から『日本陸軍将官辞典』『日本陸海軍人名辞典』『帝国陸軍編制総覧』を確認。
《Google》で〈佐伯文郎〉で検索、《ヒロシマ新聞》の情報あり、記述を探すことができた。
自館目録を書名〈BC級〉で検索、45件ヒット。うち『BC級戦犯横浜裁判資料』から回答③・④の内容を確認。
参考までに国立公文書館の所蔵を確認した。
- 事前調査事項
- NDC
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- 国際法 (329 9版)
- 個人伝記 (289 9版)
- 陸軍 (396 9版)
- 参考資料
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- 『日本陸軍将官辞典』(芙蓉書房出版 2001)
- 『日本陸海軍人名辞典』(芙蓉書房出版 1999)
- 『帝国陸軍編制総覧』(芙蓉書房出版 1987)
- 『再考「世紀の遺書」と東京裁判』
- 『新聞資料に見る東京裁判・BC級裁判』
- 『日本BC級戦犯資料』
- 『BC級戦犯横浜裁判資料』(不二出版 1985)
- 『GHQ日本占領史 2』
- 『BC級戦犯』(筑摩書房 2002)
- 『BC級戦犯裁判』(林博史 岩波書店 2005)
- キーワード
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- 戦争犯罪
- BC級戦犯
- 裁判
- 軍人-陸軍-太平洋戦争
- 広島
- 佐伯 文郎(サエキ フミオ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 所蔵調査
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000039856