レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年01月18日
- 登録日時
- 2018/01/18 19:04
- 更新日時
- 2018/01/23 10:16
- 管理番号
- 県立長野-17-132
- 質問
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未解決
深田久弥の『日本百名山』の「鷲羽岳」(長野県と富山県境にある山)の部分に、鷲羽岳は以前龍池ヶ岳と呼ばれていたとある。
音訳CDを作成しているのだが、読み方が分からないので教えてほしい。
- 回答
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不明。
『日本百名山』では中島正文氏が『山岳』第32~34年に発表した「黒部奥山と奥山廻り役」を紹介している。同氏の『北アルプスの史的研究』 桂書房 1986年 当館図書請求記号【N786/100】には、これと「二つの鷲羽嶽」などが収録されており、いずれにも龍池ヶ嶽が加賀藩の奥山廻り役が残した記録に見える名称として記載しているが、読み方はない。
これらの絵図の一部は富山県立図書館の古絵図・貴重書ギャラリーで閲覧でき、「竜池岳」と書かれているものをいくつか見ることができるが、それらの図でも振り仮名はない。
『北アルプス大紀行」 一草舎出版 2008年 【N290/224】の第2章が長澤武氏による「北アルプス山名考」となっており、p51の鷲羽岳に関する記載のなかに「越中の古称は『東鷲ノ羽ヶ岳』または『竜池岳』」とあるが、読み方はない。
他に当館の資料を調査したが、龍池ヶ岳の名称に触れているものは見つからなかった。
大町市の市立大町山岳博物館様へ照会したところ、鷲羽岳付近にある鷲羽池を「りゅうがいけ」とも呼ぶとの回答をいただく(当館が確認したいくつかの図書に鷲羽池の旧称が「龍池」との記載はあったが読み方は記載されていなかった。文献上ではなく、地元での呼称とのことではあるが、「たついけ」ではないことは確からしい。ただし、『日本百名山』のように「龍池ヶ嶽」だと、「りゅうがいけがたけ」となってしまい、こういう呼び方はしないのではないか、とのこと)。
「りゅうがいけがたけ」、「りゅうがいけだけ」の可能性が考えられるが、富山県(加賀藩)側の呼称のようなので同県の図書館等へお尋ねになることを勧める。
- 回答プロセス
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長野県側は大町市に位置するので、大町市や北安曇郡の地誌に関する以下の資料を調査。
『長野県町村誌 南信編』長野県編 長野県町村誌刊行会 1936年 【N290/33/3】
『大町市史 第1~第5巻』大町市史編纂委員会編 大町市 1984~1986年 【N231/36/1-1~5-2】
『北安曇誌 第1~第5巻』北安曇誌編纂委員会編・発行 1971年~2005年 【NN231/13/1~5】
『北安曇郡志』北安曇郡役所編・発行 1923年 【N231/1】
また、北アルプス、山名に関する以下の資料を確認。
『北アルプス博物誌1~3』市立大町山岳博物館編・発行 1972~1973年 【N231/17/1~3】
『山と人 北アルプスと人とのかかわり』市立大町山岳博物館編・発行 2014年 【N786/284】
『北アルプス登山史資料1~3』市立大町山岳博物館編・発行 2010~2017年 【N786/229/1~3】
『日本山岳志』高頭式編 博文館 1906年 【291/85】
このほか回答欄記載資料や、「国立国会図書館デジタルコレクション」で「奥山廻り」「鷲羽岳」などをキーワードとして調査。
読み方を記載した資料はなく、市立大町山岳博物館様へ調査を依頼。上記回答をいただく。
- 事前調査事項
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『日本歴史地名大系』(平凡社)や、『角川日本地名大辞典』(角川書店)などは確認した。
- NDC
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- 日本 (291)
- 戸外レクリエーション (786)
- 参考資料
- キーワード
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- 鷲羽岳
- 龍池ヶ嶽
- 照会先
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- 市立大町山岳博物館様
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土 地名
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000228726