レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011年11月16日
- 登録日時
- 2012/03/07 19:20
- 更新日時
- 2012/08/03 17:33
- 管理番号
- 相大-H23-0059
- 質問
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解決
赤羽末吉の絵本『鬼のうで』の原作が読みたい。
- 回答
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『日本古典文学全集 36 御伽草子集』の「酒呑童子」、
『新編日本古典文学全集 57 太平記 4 巻第31~巻第40』の「鬼丸鬼切りの事」、
『新潮日本古典集成 第47回 平家物語 下』 の「渡辺の源四郎綱鬼切る事」、
を提供した。
- 回答プロセス
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利用者からの事前情報を確認する。
『子どもと本 第100号』 子ども文庫の会/著 子ども文庫の会 2005 【s24152639 909】 を見ると、
p7に「この話は、「羅生門」という題で読んでいた」
「広辞苑で調べてみると、この話は「今昔物語集」という、日本最古の説話集の一篇」と記載あり。
『広辞苑 第6版』 新村出/編 岩波書店 2008 【s25265364 R813.1】 のp2926の「羅生門」の項目には
「③能の一曲。(中略)渡辺綱が羅生門にすむ鬼神と闘って、その腕を斬り落とす」
「④短編小説。芥川竜之介作。(中略)今昔物語から材をとり」と記載あり。
「今昔物語」を基にしたのは芥川龍之介の「羅生門」で、『鬼のうで』の基となっているのは、能の「羅生門」である。
自館OPACでキーワード“オニノウデ”で検索する。
『鬼のうで』 赤羽末吉/著 偕成社 1977 【s03687720 E】
登場人物は、酒呑童子、源頼光、渡辺綱で、羅生門も登場する。
見返し部分に
「切られた腕を取りかえしにくる鬼の話は、「御伽草子」「太平記」などの古典にあり、
歌舞伎などでも演じられて、つとに有名です。」
と記載あり。
自館OPACでキーワード“オトギゾウシ”で検索する。
『日本古典文学全集 36 御伽草子集』 大島建彦/校注 小学館 1977 【s07183759 918】
p444-474に「酒呑童子」の記載あり。原文と現代語訳あり。
自館OPACでキーワード“タイヘイキ”で検索する。
『新編日本古典文学全集 57 太平記 4 巻第31~巻第40』 長谷川端/校注 小学館 1998 【s21972633 918】
p57-63に「鬼丸鬼切りの事」の記載あり。原文と現代語訳あり。
次に、「羅生門」を調べる
自館OPACでキーワード“ラショウモン”で検索する。
『らしょうもんのおに』 馬場のぼる/著 こぐま社 1994 【s11853710 E】
作者のことばに「渡辺綱と羅生門の鬼の伝説が元になっている」とあり。
『羅生門の鬼』 島津久基/著 平凡社 1995 【s00003079 080】
p3-6に羅生門の伝説について諸説記載あり。
p5に「先ず羅生門伝説に関する代表的文献として、謡曲「羅生門」を挙げなければならない」とあり。
『解註 謡曲全集 巻5』 野上豊一郎/編 中央公論社 2001 【s20319901 R768】
羅生門の記載あり。
インターネットGoogleでキーワード“羅生門 鬼”で検索する。
「渡辺綱が羅生門で鬼を退治する物語があったと思うのだが、正式な書名等を知りたい。」という
栃木県立図書館レファレンス事例がヒットする。
http://www.lib.pref.tochigi.jp/reference_ex/allr/r063.htm (最終確認2012年3月20日)
参考資料としてあげられていた以下の資料を自館OPACで検索する。
『新潮日本古典集成 第47回 平家物語 下』 水原一/校注 新潮社 1998 【s08787814 918】
p274-27947に「渡辺の源四郎綱鬼切る事」の記載あり。
注:【 】内は自館の資料コードと請求番号
- 事前調査事項
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利用者から、今昔物語に入っている、羅生門の鬼退治の話だと何かで読んだ。
『子どもと本』第100号 子ども文庫の会/著 に『今昔物語』に記載があるとの情報を得る。
- NDC
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- 作品集 (918)
- 叢書.全集.選集 (080)
- 辞典 (813)
- 参考資料
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- 『日本古典文学全集 36 御伽草子集』 大島建彦/校注 小学館 1977
- 『新編日本古典文学全集 57 太平記 4 巻第31~巻第40』 長谷川端/校注 小学館 1998
- 『新潮日本古典集成 第47回 平家物語 下』 水原一/校注 新潮社 1998
- キーワード
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- 羅生門
- 鬼
- 渡辺綱
- 源頼光
- 酒呑童子
- 御伽草子
- 太平記
- おにのうで
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000103202