レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2006年09月16日
- 登録日時
- 2006/10/11 09:18
- 更新日時
- 2007/05/01 15:50
- 管理番号
- 福井県図-20060916-2
- 質問
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解決
『経典余師』について知りたい。江戸時代の書物らしい。
- 回答
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『鳥取藩史』など、参考資料に挙げた資料を紹介しました。
【回答後補足情報】
『江戸の読書熱:自学する読者と書籍流通』鈴木俊幸/著 2007.2 平凡社 平凡社選書227
は、『経典余師』について非常に詳しく論じられています。『経典余師』がどのような書物なのか、またそれが
江戸時代の人々にどのように受容されていたのかがわかります。
『江戸の読書熱』によりますと、
「『経典余師』は、天明6年(1786)初版の『経典余師四書之部』から天保14年(1843)刊『経典余師 近思録』まで十種類出版されてい」る、
「平仮名によって意味と読み方とを懇切に示し素読独習の手引きとした」書籍です。
- 回答プロセス
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1.江戸時代の書物とのことより、『国書総目録』をみる。
→記述あり。『経典余師』(けいてんよし)は著者が渓百年(世尊)。版本は所蔵館多数。活字本などはなし。
2.Googleでキーワード「経典余師」にて検索
→当館所蔵の布川文庫にも含まれる。→閲覧申請書を提出。
3.『国史大事典』、『日本古典文学大辞典』等で検索
→「経典余師」について記述なし。
4.Googleでキーワード「渓百年」で検索
→鳥取大学附属図書館地域資料電子資料室のHPに「渓百年(世尊、1754-1831年)は、もと讃岐の人で、寛政年間に鳥取に来た。水戸の徳川光國の学門を慕い、『天朝史鑑』・『天朝史略』等の著書もあるというが、かれの著作として有名なのは、江戸時代のベストセラーとなった『経典餘師』である。」とあり、参考文献として『鳥取藩史』→所蔵あり。本書には、渓百年についてp448~454まで記述あり。経典余師について記述あり。これが一番詳しい。
5.『国書人名辞典』『三百藩家臣人名事典』にも渓百年について記述あり。「たにひゃくねん」と読む。
6.国会図書館近代デジタルライブラリーに、『経典余師』巻第2-5,8-10があります。鳥取県立図書館には全40巻揃っていますが、貴重書ゆえ相互貸借不可。その旨利用者にお伝え済。
- 事前調査事項
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小説に「『経典余師』のように・・・」と登場した。江戸時代の黄表紙みたいなものではないか、と思う。とのこと。
- NDC
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- 一般書誌.全国書誌 (025)
- 参考資料
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- 『国書総目録』1989 岩波書店 (025/K11)
- 『鳥取藩史』 1969 鳥取県立図書館 (217.2/TI)
- 『国書人名辞典』 1996 岩波書店 (281/コ)
- 『三百藩家臣人名事典』 1987 新人物往来社 (281/サ)
- 『江戸の読書熱』鈴木俊幸/著 2007 平凡社 (023.1/ススキ)
- キーワード
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- 経典余師
- 渓百年
- 渓世尊
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 『江戸の読書熱』については、2007年3月4日(日)付け福井新聞18面に河内厚郎氏、2007年3月25日付け朝日新聞22面に野口武彦氏による書評が掲載されています。
- 調査種別
- 書誌的事項調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000030939