レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017/08/01
- 登録日時
- 2017/09/30 00:30
- 更新日時
- 2017/09/30 00:30
- 管理番号
- 6001025977
- 質問
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解決
ウサギの病気、涙襄炎(るいのうえん)の原因が知りたい。
- 回答
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下記関連資料によれば、うさぎの種類によって、例えば、ロップイヤー品種などは、もともと短頭であるため、眼と鼻孔との距離が著しく短く、鼻涙管の湾曲が強いことによることが原因になる場合や、種類に関わらず食生活の偏りにより歯根のトラブルなどがおこることにより、涙襄から鼻につながる細い管が詰まり、感染症を起こす場合などがあるようです。
1.『もっともくわしい 動物の薬の本』(矢沢サイエンスオフィス/編 学研 2009.1)
p271の11に、涙襄炎(るいのうえん)の説明があります。
「目をうるおす涙が流れ込む小さな袋を涙襄(るいのう)と呼びますが、涙襄から鼻につながる細い管が詰まると、感染症を起こし、涙襄炎となります。この病気になると、普段から目元に目やにが付着するようになり、軽度な結膜炎を発症することも多いようです」
2.『新獣医学辞典』(新獣医学辞典編集委員会/編 チクサン出版社 2008.1)
p1389に、涙襄炎についての説明があります。
「涙襄の炎症をいい、涙管狭窄あるいは閉鎖球菌などの細菌感染が生じたとき、また結膜炎あるいは伝染性疾患の経過中に起こる。慢性症では流涙が多く、涙襄部を圧すると粘液ないし膿性粘稠液を排出する。
・・・治療は抗生物質による涙襄内洗浄を行い、化膿に対しては切開し、排膿する。」
3.『症例でみる小動物の皮膚病診療Q&A』(岩崎利郎/監修 緑書房 2012.8)
p72「(うさぎの)ロップイヤー品種は短頭であるため眼と鼻孔との距離が著しく短く、鼻涙管の湾曲が強い。
鼻涙管狭窄は歯根のトラブルと関連していることが多いため、一度始まってしまうと、鼻涙管洗浄を繰り返ししても治らないケースが少なくない。従って長時間にわたって治療が必要となる可能性がある。
○オーナーへの伝え方
・鼻涙管狭窄は歯根のトラブルと関連していることが多いため、一度はじまってしまうと、鼻涙管洗浄をくり返しても、
治らないケースが少なくない。したがって長期間にわたって治療が必要となる可能性があることを伝える。
・歯根炎など歯根の異常は干草の食べ方が少なく、ラビットフードに偏った食生活が大きな原因となるので、食生活の見直しを提案する。硬いラビットフード(ソフトタイプと称するものでも)を食べている高齢のうさぎでは、歯根の負担を軽減するために、フードを水でふやかして与えるなどの工夫が必要な場合もある。」
[事例作成日:2017年8月1日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 家畜.畜産動物.愛玩動物 (645 8版)
- 獣医学 (649 8版)
- 参考資料
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- もっともくわしい動物の薬の本 矢沢サイエンスオフィス∥編 学研 2009.1
- 新獣医学辞典 新獣医学辞典編集委員会∥編 チクサン出版社 2008.1
- 症例でみる小動物の皮膚病診療Q&A 岩崎/利郎∥監修 緑書房 2012.8
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 書誌事項調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000222594