レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2008年05月26日
- 登録日時
- 2014/09/03 15:29
- 更新日時
- 2014/12/26 13:24
- 管理番号
- ASK0000020442
- 質問
-
解決
関東大震災復興後の東京帝国大学図書館での、ABC分類の導入の歴史、分類規則表、それらの
図書館学史上の意義などについての論文及び東京大学附属図書館の関係資料・文献を教えてほしい。
- 回答
-
<ABC分類の導入の歴史>
『東京大学百年史. 部局史4』には震災後の分類について詳しい記述
はなく、次の事項のみ記述されています。
・昭和3(1928)年10月には震災復興後の新書庫のための図書分類表が
完成していた。(p.1222)
・大正13(1924)年-昭和2(1927)年の図書館商議会(現在の図書行政
商議会)にて分類について検討された。(p.1252)
そこで、当時の商議会記事(議事録)の該当年代を調べたところ、
次の通りでした。
・検討のたたき台となる分類表はすでに現在の書庫分類(ABC分類)と
ほぼ同様の体系になっていた。(ただしABCではなく数字)
・商議会では各項の細目について追加・修正等が検討された。
・昭和2(1927)年7月の商議会にて分類が案として承認され、各部(*)
において修正があれば相談・報告をすべきこととなった。
(*法、理、文学部のことと思われます。)
検討のたたき台となった分類の作成者や、参考にした既存の分類表
の有無についての記録は全く見当たりませんが、洋書の分類表をABCに
したことは記述されていました。(和書については記述なし)
なお、館報『図書館の窓』16巻4・5号東大百年特集号(1977)に昔の
職員の追想記事が掲載されており、その中で函架番号(分類)について
の記述がありました。
・中里龍瑛「東大図書館の追想うらばなし」
『図書館の窓』16巻4・5号 p.46-49 1977
この記事には、大正15年頃に寺沢司書官と著者が相談しながら分類
表を作成したこと、これが現在の書庫分類表となったことが記述されて
います。大正15年は商議会での検討途中の時期ですので、作成時期に
ついては信憑性が乏しいのですが、当時の図書館にて作成したという
ことのようです。
<分類規則表>
大綱目については次のWebサイトで分類表を公開しております。
総合図書館・資料の分類と所在(書庫)/PDF
http://www.lib.u-tokyo.ac.jp/sogoto/docu/leaf-6-2.pdf
細目もご覧になりたい場合は、当館の総合案内カウンターまたは
書庫カウンターにお申し出ください。平日にご利用いただけます。
(9:00-12:00,13:00-17:00)
<図書館学史上の意義などについての論文、東大図書館の関係資料>
あいにく当館の書庫分類の意義について記述された論文は見つかり
ませんでした。また、上述の資料以外に当館のABC分類について記述
されたものも見つかりませんでした。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 情報資源の収集・組織化・保存 (014 9版)
- 参考資料
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東京大学百年史編集委員会 編. 東京大学百年史 部局史 4. 東京大学出版会, 1987.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001860479-00 , ISBN 4130010603 -
東京大学附属図書館 [編] , 東京大学附属図書館. 図書館の窓 : 東京大学附属図書館報. 東京大学附属図書館, 1962., ISSN 04957873
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000017203-00
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東京大学百年史編集委員会 編. 東京大学百年史 部局史 4. 東京大学出版会, 1987.
- キーワード
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- 分類規則
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000159302