レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2009年01月25日
- 登録日時
- 2010/01/27 02:11
- 更新日時
- 2014/09/04 16:02
- 管理番号
- 10-0C-201001-02
- 質問
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解決
「丁寧」という言葉は、もともと中国の軍中で警戒の知らせなどに使われた楽器の名前らしい。それがどんな楽器か知りたい。
- 回答
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『中国の銅器』(樋口 隆康著:中央公論美術出版:1967)を紹介。
「鐘・句【じょう】(こうじょう)・丁寧(ていねい)」の項に、説明と図版がある。
「古典には、「丁寧」ともいわれた。舌がないので、外面を撞木で叩いて鳴らしたものである」とのこと。
- 回答プロセス
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1.音楽関連の事典類を調査
丁寧の記述見つからず。
2.辞典類を確認
・『大漢和辞典 巻1 修訂版』(諸橋 轍次著:大修館書店:1986)
【丁寧】の項(p77) 「どら、鉦、鐘」
・商用データベース「ジャパンナレッジ」
『日本国語大事典』
てい‐ねい【丁寧・叮嚀】1)昔、中国の軍中で、警戒の知らせや注意のために用いられた楽器。
*春秋左伝‐宣公四年「伯射王、汰及皷著於丁寧〈注〉丁寧、鉦也」
・『字通』(平凡社,1996.10)
【叮】(てい) 丁寧は鐘に類する楽器の名。
3.音楽・銅器関連資料を調査
・『日本音楽大事典』(平凡社:1989)を調査
P345~349にゴング、鉦、どらなどの打楽器の説明と写真、図あり。「丁寧」という名の楽器はなし。
・.『中国音楽の現在-伝統音楽から流行音楽まで』(増山 賢治著:東京書籍:1994)
p55に中国打楽器の説明と写真あり。「丁寧」という名の楽器はなし。
・『中国音楽再発見 楽器篇』(滝 遼一著:第一書房:1991)
p51~59 打楽器の中で鐘、鑼(どら)などの説明、写真あり。「丁寧」という名の楽器はなし。
・『中国の銅器』(樋口 隆康著:中央公論美術出版:1967)
p80「鐘・句【じょう】(こうじょう)・丁寧(ていねい)」の項あり。
- 事前調査事項
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『日本国語大辞典 第二版』(小学館:2001)より①昔、中国の軍中で、警戒の知らせや注意のために用いられた楽器。*春秋左伝-宣公四年「(中略)〈注〉丁寧、鉦也」とあり。
- NDC
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- 辞典 (813 9版)
- 金工芸 (756 9版)
- 音楽史.各国の音楽 (762 9版)
- 参考資料
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- 『中国の銅器』樋口 隆康著:中央公論美術出版:1967<当館書誌ID0080293583>
- キーワード
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- 丁寧
- 鉦
- 鐘
- どら
- 銅器
- 中国
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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『美人の日本語』(山下
景子著:幻冬舎:2005)2月8日「丁寧」より「丁寧は、昔、中国の軍で使われた銅製の打楽器で、注意を促したり、警戒を知らせたりする時に使われたそうです。これが、なかなか、全員に伝わらなかったので、何度も念には念を入れて、鳴らしたところから、細かいところまで行き届いていることを、丁寧というようになりました。」とあり。
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000062418