レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013年01月10日
- 登録日時
- 2013/04/07 13:51
- 更新日時
- 2013/04/14 16:37
- 管理番号
- 20130110-1
- 質問
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未解決
教育史に関する調査で、鈴木大拙が幼少の頃通った私塾について調べている。・塾を開いていた「数田順」氏についての資料は『石川100年史』にあるか。・その他、「数田順」氏や大拙の通った私塾についての情報はないか。
- 回答
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「数田順」とその私塾について、詳しい情報は見つけられなかった。
・石林文吉著『石川百年史』石川県公民館連合会 1972(K209/22)p637-638
「それが原因だったかどうかはわからぬが大拙は小学校の学業半ばにして父の友人数田順の塾に移り、それから石川県専門学校付属学校に入学した。それが明治十六年、数えて十四歳のときである。」・『金沢市史 資料編 15 学芸』金沢市 2001(K222/125/2-15)
p549-559に「私塾一覧」「寺子屋一覧」等が載っているが、「数田順」の名前はない。・日置謙著『金沢市教育史稿』石川県教育会金沢支会 1919(K372/2)
記述なし。鈴木大拙に関する資料では以下のものがあった。
・『鈴木大拙全集 第26巻 増補新版』岩波書店 2001(081.6/10034/26)収録「私の履歴書」p504-505
「その小学校を卒業しないで、またほかの小学校へ入れられたことがあるが、そこではそんな新しい教育はしてゐなかつたな。数田順といふ人が開いた塾だつたが、その塾でもやはり下等とか上等とかいつたやうに分れてゐたと思うてゐるが、そこへ行つた時に、そこでは四書五経の『詩経』を習つた。
「関関たる雎鳩は河の洲に在り、窈窕たる淑女は君子の好逑」と、『詩経』の初めの方にあるのを今でも覚えてをるが、さういふものを暗記させられた。そのころの歳では、何のことが書いてあるのか、わかりはしないが、ただ素読といふことが大事だといふことで、それをやらされた。片方にさういふことをやるかと思ふと、また片方では神は天地の主宰にしてとかいふやうなことも習つた。ごちやごちやの教育を受けたわけだ。」・秋月竜珉著『鈴木禅学と西田哲学』春秋社 1971(188.8/249)p149-150
「下等が四年、上等が何年であったのか、先生はこの小学校を卒業しないで、父君の友人、数田順氏の開いた塾に移られる。理由はよくわからない。ここも下等・上等に分かれて、一種の私設小学校であったようだが、先生はここで新しい教育に併せて、古い漢字の四書・五経の素読を習われた。「関関タル雎鳩ハ河ノ洲ニ在リ、窈窕タル淑女ハ君子ノ好逑」という『詩経』の初めの句を、暗記したことを覚えていられた。「片方にそういうことをやるかと思うと、また片方では『神は天地の主宰にして』というようなことを習った。ゴチャゴチャの教育を受けたわけだ』。数田の大先生がなくなられた時、先生は門人総代で弔辞を読まれたという。「なんで小さいわしが、そういうことをやらされたか、よくわからんが、たぶん父親の関係ということであったろう」と言われたが、やはり年少なりに成績がよかったのであろう。」・秋月竜珉著『鈴木大拙の言葉と思想』講談社 1967(188.8/218)p20
「先生はこの小学校〔引用注:本多町小学校〕を卒業せずに、父の友人数田順〔引用注:「かずたじゅん」とルビあり〕の開いた私塾にうつり、それから明治十六年、石川県専門学校付属書等中学科の試験を受けて入学されました。」・『鈴木大拙の人と学問 新版鈴木大拙禅選集 別巻』春秋社 1992(188.8/544/B)「鈴木大拙・年譜」p257
「明治十六年(1883)十三歳 本多町小学校を卒業せず、父の友人数田順の開く塾に入り、ついで旧制第四高等学校の前身石川専門学校付属中学校に受験して入学。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本思想 (121 9版)
- 教育史.事情 (372 9版)
- 参考資料
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石林文吉 著. 石川百年史. 石川県公民館連合会, 1972.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I001875189-00 (当館請求記号 K209/22) -
金沢市史編さん委員会/編. 金沢市史 : 資料編 15. 金沢市, 2002. (金沢市史)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I008655521-00 (当館請求記号 K222/125/2-15) -
日置 謙/著. 金沢市教育史稿. 石川県教育会金沢支会, 1919.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I017855472-00 (当館請求記号 K372/2) -
鈴木大拙 著 , 久松真一, 山口益, 古田紹欽 編. 鈴木大拙全集 第26巻 増補新版. 岩波書店, 2001.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000003053935-00 , ISBN 4000922963 (当館請求記号 081.6/10034/26) -
秋月竜珉 著. 鈴木禅学と西田哲学. 春秋社, 1971.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001241709-00 (当館請求記号 188.8/249) -
秋月竜珉 著. 鈴木大拙の言葉と思想. 講談社, 1967. (講談社現代新書)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001092726-00 (当館請求記号 188.8/218) -
鈴木大拙禅選集 別巻 (鈴木大拙の人と学問) 新版. 春秋社, 1992.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002197131-00 , ISBN 439314242X (当館請求記号 188.8/544/B)
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石林文吉 著. 石川百年史. 石川県公民館連合会, 1972.
- キーワード
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- 鈴木大拙
- 数田順
- 私塾
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000130101