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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000228184
提供館
(Library)
横浜市中央図書館 (2210008)管理番号
(Control number)
横浜市中央2507
事例作成日
(Creation date)
2017年10月05日登録日時
(Registration date)
2018年01月11日 18時57分更新日時
(Last update)
2018年01月11日 19時22分
質問
(Question)
神奈川県横浜市の長津田駅近くにある上宿常夜燈について、設置された時期と目的を知りたい。
回答
(Answer)
1 建立時期

   上宿常夜灯の刻銘には、「天保十四年癸卯」「孟夏大吉辰」とあります。
   天保14年は西暦1843年、「孟夏」は『日本国語大辞典』(小学館)によれば初夏と同じで
   旧暦4月の異称。 『日本陰陽暦日対照表 下巻』(加唐興三郎/編 ニットー 1993.09 p1486)で確認したところ、旧暦天保14年の4月の辰   の日は7日と19日、新暦に直すと1843年5月6日か18日になります。
   刻銘が記載されている資料を以下にご紹介します。

(1)「大山道金石文集」 『郷土よこはま』58号 横浜市図書館 1970.12 p25
   全文が掲載されています。解説などはありません。

(2)『横浜の文化財 第1集 横浜市指定・登録文化財編』
   横浜市教育委員会社会教育部文化財課/編 横浜市教育委員会社会教育部文化財課
   1990.3 p121
   天保14年に宿中の秋葉山講中が建立したこと、石工、発願、世話人の名前などの解説とともに、
   主要部分の刻銘が記載されています。

2 建立目的

   刻銘により「秋葉(山)講中」による建立であることが判明していますので、
   長津田宿の秋葉講および秋葉信仰についてお調べしました。
   長津田宿に関しては(1)のみでしたが、一般的な秋葉講中と常夜灯の関連について
   記載した資料がみつかりましたのであわせてご紹介します。

(1)『大正昭和激変の庶民生活史 長津田のあゆみ』長津田を語る会/著 大明堂 1978.6 p137
   「秋葉講(秋葉代参講)」の項目があり、常夜灯についての記載があります。
   大正初期まで、毎日講中の人が順番で常夜灯に火をつけていたこと、
   火難除け祈願のための代参が続いていることなどがわかります。
   なお、『横浜緑区史 通史編』(緑区史編集委員会/編 緑区史刊行委員会 1993.2)
   『横浜緑区史 資料編 第2巻』(緑区史編集委員会/編 緑区史刊行委員会 1986.12)には
   遠隔地代参講として、大山講中、富士講中、御嶽講中などについて詳しく解説されていましたが
   残念ながら、秋葉講中についての記述はありませんでした。

(2)『相模原市史 民俗編』 相模原市総務局総務課市史編さん室/編 
   相模原市総務局総務課市史編さん室 2010.3 p403
   「秋葉塔」の項目があり、防火鎮護の神として秋葉神社をまつり、信仰の証として常夜灯が
   建てられたこと、当初は灯籠であったものが、相模原市内では19世紀初頭から常夜灯の機能
   を持つようになったことなどが記載されています。

(3)『秋葉信仰 民衆宗教史叢書』 中野東禅/編 雄山閣出版 1998.03 p61~70
   「秋葉信仰を示す石造物」の項目があり、総本社のある静岡県内の事例ですが、
   常夜灯について詳しい記述があります。
   「常夜燈造立の理由をみると、(中略)村落の安全を祈願したものが多い」とあります。
   ただし、長津田上宿の場合は「郷中安全」「村中安全」などの刻銘はないようです。

(4)「近世以前の道路遺産(道標・町石・常夜灯)の本質的価値判断に関わる評価基準」
  『土木学会論文集D2(土木史)vol.68 No.1』p107-122 2012
    https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscejhsce/68/1/68_107/_article/-char/ja
   常夜灯について、秋葉講との関係を以下のように記載しています。
   「秋葉講の場合は、秋葉山への参拝もさることながら、街道沿いに防火を祈念して常夜灯が
   建立され、同様に輪番で灯明を点じた。この場合の刻字は「秋葉山」「秋葉大権現」以外に
   「町内安全」「村中安全」なども付記されていることが多い。」

3 その他の資料
  
   当館所蔵資料の中から上記以外の資料をご紹介します。
(1)『新 わたしたちの長津田』 新わたしたちの長津田編集委員会/編 横浜市立長津田小学校 2015.11 p.7-8~7-9
   「(3)常夜燈」の項に「街道がにぎわい、長津田の宿がさかえ、家なみがこんできました。
   (中略)静岡県の秋葉神社にお参りし、帰ってきたあと、会合をもち、お札を配っています。」
    との記述があり、設置年や設置者、目的の記載があります。
 
(2)『訪ねて楽しい大山街道』 川崎市大山街道ふるさと館/編集 川崎市生涯学習財団 2016.4 p.27
   「天保14年(1843)長津田宿の講中が建てたもので、(中略)後に大山街道が広げられた際、
   今の場所に移された」との記載があり、上宿常夜灯(常夜燈)の設置年や移転について
   記載があります。
 
(3)『ホントに歩く大山街道 未知の道シリーズ』 中平龍二郎/著 風人社 2007.7 p.121 
   「常夜灯は、天保十四年(一八四三)に長津田宿内の秋葉講中が建立したもの。
   初め、女坂の麓の小高いところにあって、大山街道を歩いている人から見えていた。」と、
   設置年や設置者、かつての設置場所について記載があります。

(4)『長津田の道 矢倉沢往還(大山街道)、神奈川道など』 相澤雅雄/著 相澤雅雄 
   〔2007.10〕)p.15
   上部に写真、「大石神社境内にある旧長津田宿上宿常夜燈。1843年、登戸の石工・吉澤光信の作」
   と、現在の設置場所、石工に関して記載があります。

(5)横浜市立図書館ホームページ 横浜市北部地域写真アーカイブ 丘のヨコハマ写真館
   「長津田エリア」
http://www.city.yokohama.lg.jp/kyoiku/library/localinfo/hokubu/oy-map/nagatsuta-area/
 (2017年12月27日最終確認)
  常夜灯の設置経緯について書かれている教育委員会によって設置された「横浜市地域史跡 
  長津田宿常夜燈二基」の案内板を、画像にて確認できます。
回答プロセス
(Answering process)
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
日本  (291 8版)
関東地方  (213 8版)
民間信仰.迷信[俗信]  (387 8版)
参考資料
(Reference materials)
キーワード
(Keywords)
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
郷土
質問者区分
(Category of questioner)
登録番号
(Registration number)
1000228184解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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